三楽の仕事日記
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2011年07月17日(日) 石井順治さんの本

 連休二日目。7月15日の派遣指導主事会に小牧市の栗木指導主事を招いて研修会を開催したことを日記に書いた。その中で次のように記した。

 これを契機に皆さんが、例えば、佐藤学さんや石井順治さんの本を読んでみよう、という動きをしていただければうれしい。

 この記述と、あの意見が集中した国語の授業が気になって、石井順治先生が言われる「聴きあい学び合う授業」について書かれたものはないか、探してみようという気持ちになった。まずは手元にあった「教師の話し方聴き方 ことばが届く、つながりが生まれる」(石井順治著、ぎょうせい)を再読してみた。

 「疑問に思われた指導主事さん方へ資料提供できる個所を探そう」という課題意識を持って読み始めると、初読時にページ端を折っていた個所(重要度高)以外にも、ドンドンその個所が増えてしまった。これではこの本すべてを提供した方が早いという状況になってしまった(笑)。

 今度は端を折ったページのみ再再読。指導主事さんには「聴ける教師への転換」というタイトルがついたある教師の手記(自らの多弁さを克服していった記録)を提供することに決めた。これをもとに機会を見つけて、皆さんで話し合いができたらとも思う。「栗木先生からとても良い刺激をいただきました」だけで終わってはもったいない。申し訳ない。学びを継続させるのも僕の役目。迷惑だろうけれど(笑)。
 
 アマゾンで一昨日注文した「『学び合う学び』が生まれるとき」(石井順治著、世織書房)が届いた。さっそくこの本も読み始める。

 この本も前述の書籍のように、詳細な授業記録を通して(一つの授業記録+石井順治さんの読み解きで70頁ほど、2つの授業記録掲載というボリューム)、学び合う学び教室の子どもたちと教師の姿を鮮明にしている。

 石井さんは、教師の仕事(授業)の中心は「つなぐ」ことだと言う。

 「考えと考えをつなぐ」
 「考えとテキストをつなぐ」
 「子どもと子どもをつなぐ」


 教師の目と心が「教える」こと一辺倒から、このような「つなぐ」ことに移れば移るほど、「学び合う学び」の心地よさが子どもたちの中に広がっていくと述べている。 

 それにしても、石井さんの子どもの発言の読み解きが凄い。ご自身で撮影された授業ビデオをもとに分析をされてはいるが、ここまで深く子どもたちの発言の真意を読み取るには、どのような修行をしたらよいのかと思うほどだ。長年、子どもの言葉を表情も含めてまるごと受け取る授業をされてきたからこそだと思うが、それにしても凄い。

 ところで、ここのところ気になっている言葉がこの本にも登場している。「一斉指導」という授業形態を表す言葉だ。4月に正式発表された「教育の情報化ビジョン」でも、「一斉指導による学び(一斉学習)」が登場している。
 この言葉の対極にあるのが、「学び合う学び」「協同の学び」であり、教育の情報化ビジョンでは「子どもたち同士が教え合い学び合う協働的な学び(協働学習)」である。

 ビジョン会議では、「一斉指導は教師が一方的に教え込む授業を指しているように読み取れるが、そのようにとられてしまって良いのだろうか。立腹する教師が多くいる」という発言したが、さて、というところである。

 このことは、来月、ある学習会で「教育の情報化ビジョンに示されたこれからの授業」というタイトルでレポート発表するので、そこでの皆さんの意見を楽しみにしているところでもある。


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