三楽の仕事日記
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2010年06月22日(火) 第6回学校教育の情報化に関する懇談会

 「第6回学校教育の情報化に関する懇談会」に出席のため、文部科学省へ向かう。今日の論点は、「教員のICT活用指導力向上、教員へのサポート体制の充実のために、国に求められる役割は何か。」

 今回の発言は2回。1回目は、教員のICT活用能力の向上について。以下はその概要。

 僕は教員のICT活用能力については、楽観的に考えているところと悲観的に考えているところがある。楽観的に考えているところは、校務におけるICT活用能力。教員の能力より、むしろシステム能力を向上させるべきだ。教員が優れた活用能力を持っていないと使えないシステムでは使い物にならない。良いシステムであれば、教員は自ら活用する。教員同士による学び合いも生まれる。だから心配していない。
 この意味から国に求められるのは、良いシステムの要件を示すことだと考える。管理職には、校務の情報化はよりよい学校経営を行うための重要な要素であると認識させてもらいたい。

 授業におけるICT活用能力も楽観的にとらえている。良い授業をしたいという思いを持つ教員は、実物投影機など気軽に使えるICTを積極的に活用している。自分が勤めた学校でも、タブレットPCと指導用デジタル教科書を導入した際には、そのよさを瞬時に掴み、次時の授業から活用していった教員がいた。教員はこのICTは使えると思えば、特別な研修をすることなく積極的に活用していく実例を多く知っている。

 悲観的に考えているのは、懇談会の話題の一つである子どもが「情報端末+デジタル教科書」を持った時の授業におけるICT活用能力だ。委員に就任してから、子どもが個人端末を持った時の授業を想像し続けているが、未だ具体像が浮かんでこない。まったく予想もできない能力が教師に必要となるのではないか。
 閣議決定された戦略の中にある「教え合う・学び合う協働教育」が、個人端末+デジタル教科書を持つことで、どうして実現できるかも分からない。
 まずはプロジェクトを立ち上げて、具体的な授業像と、子どもにも教師にもどのような力が必要となるのかを明らかにすべきではないか。

 2回目は、国による文書配信受領システムの開発の提言。
 
 指導主事が学校現場を十分に指導していないのではないかという意見があったが、指導主事は本当に忙しい。文書に追いまくられている。その量は相当なものだ。これまでの議論の中で、校務の情報化の一方策として成績処理や通知表などの統一システムを整えたらどうかという話があったが、まずは文書システムを国で統一したらどうか。学校の独自色が出てくる通知表作成より、簡単に統一できるはず。国からの文書が、組織を通るたびに鑑文書がついて、何枚にもなって配付されている現実。これをぜひ改善したい。指導主事が本来の仕事に集中できるようにするためにも、校務の情報化推進が大切だ。

 懇談会の全体像はいずれ配信される動画でどうぞ。次回は、これまでの討議を受けて、「学校教育の情報化ビジョン骨子(案)」が出されるという。次回は出席できず残念。

 会議直後、ある委員に僕の考えを率直に伝え、お考えを伺った。「討議の中で示されたネットワークを活用した学び合いは、あまりにも特殊な例ではないでしょうか。もちろん僕は学び合いは大賛成です。子どもたちの考えを見える化することも大賛成です。それとデジタル教科書がどう結びつくのかお聞きしたいのです」と。この後の会話は、ここで書くことは適切ではないので控えるが、自分の質問だけは明らかにしておきたい。

 いつもの通り、お二人の先生と、いわゆる反省会に出席。反省会とはいえ、僕は少しも反省せず、いいのか悪いのか。楽しい時間はあっという間に過ぎる。そういえば思い出した言葉がある。

 好きか嫌いかは自分が決める
 いいか悪いかは社会が決める
 正しいか正しくないかは歴史が決める

 「歴史が決める前になんとかしたい」という思いの人ばかりなんだけどね。


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