2013年08月31日(土)  命も好みも受け継いで「ひじじのうなぎ」

ダンナの父方のおじいちゃん、たまにとっては「ひじじ」が亡くなって、20年になる。
ダンナの両親とうちの一家でおまいりへ行った帰り、ひじじが贔屓にしていたという神田の鰻屋でお昼を食べた。

店構えも、店の中も、昭和の日本が息づいているような、「きくかわ」という老舗。



ほろほろと口の中でほどけるような鰻をいただきながら、ダンナやダンナの両親がひじじのことをたまに聞かせた。

ひじじは、パパやじいじばあばたちと一緒に暮らしていたんだよ。
ひじじより長生きした、ひばばも一緒だったよ。

パパが小さかった頃、「ひこうきをみたい」って言ったら、空港まで連れて行ってくれたんだよ。
飛行機を見たら、今度は乗りたくなって、「ひこうきにのりたい」って言ったら、その場で手続きして、大阪まで飛んで、親戚の家に一泊して帰ってきたんだよ。

そんな話を、懐かしそうにじいじやばあばやパパがするのを、たまはふむふむと聞き、鰻を頬張った。
話より、鰻に夢中になっていた。

亡くなった人を偲ぶというのは、こういう光景だな、と思いながら、わたしも話を聞いて、鰻を食べた。

夏休みの宿題の絵日記があと一枚あったので、「ひじじの鰻のこと書いたら?」と提案すると、たまは「ひじじのうなぎ」という題でしたためた。


ひじじの大好きだった鰻を孫の自分も好きでうれしい、とえんぴつを弾ませて、一気に書き上げた。
命だけでなく、好みも受け継いだ、たま。
それを読んで、わたしもダンナもうれしくなる。
ダンナの両親にも読んでもらおう。

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