2013年01月10日(木)  大人女子のアニメタイム第2弾「どこかではないここ」

制作会社のキュリオスコープさんからの年賀状に「大人女子アニメタイム第2弾」のお知らせ。どうやら情報解禁になっているよう。全3話のうちの第2話「どこかではないここ」の脚本を書かせていただいた。

原作は、『プラナリア』に納められている山本文緒さんの短編。山本文緒さんの小説は、『パイナップルの彼方』を入社して間もなく、ということは20年ほど前に会社の先輩に熱烈に薦められて以来、目に留まると手をのばして、読んでいる。とりわけ『みんないってしまう』が好きで好きで、何人に薦めたかわからない。もともとは松竹の映画プロデューサーに薦められたように記憶している。



そんなわけで「どこかではないここ」もずいぶん前に読んでいたのだけど、初めての山本文緒作品、しかもアニメ、おまけに声をかけてくださったキュリオスコープの菅原花子プロデューサーは「『ビターシュガー』を観て、ぜひこの人にと思いまして」ということで初仕事、とドキドキ要素満載。

でも、打ち合わせは初回からとても和やか、スムーズ。アニメを手がけるワオワールドの村上匡宏さんとは、以前わたしが講師をやりかけた学校の講師紹介ビデオを撮影するときにお会いしていて、思いがけない再会。NHKエンタープライズのプロデューサーは、「おじゃる丸」でご一緒している松井妙さん。そんな偶然にも助けられ、初めてのようで初めてではない居心地のいい顔合わせとなった。

それでいて、打ち合わせは毎回いい意味でスリリングだった。アニメの手法についてよくわかっていないことも多いわたしは、「登場人物が正面を向いていると、セリフに合わせて口を動かさなくてはならないから枚数がふえる」ことも知らなかった。そういうときは「背を向けさせる」ことで解決する。

一方で、アニメは実写のようななめらかな動きが難しいと思っていたら、「まず実写を撮ってからアニメを起こす」方法が取られ、ハウススタジオを借りて、脚本に沿って役者さんに演技をしてもらった。そのメイキングだけでもドラマとして成立してしまうのだけど、あくまでそれはアニメの線をつかむためのものらしい。出来上がったアニメと元の実写を比べて観られると面白いなと思う。

背景などは実写を活かすところもあるようで、どんな風にアニメと融合するのか、とても楽しみ。主人公の主婦・真穂の声は木村多江さん。第一回目の打ち合わせからイメージキャストとして一同が共有していただけあって、アフレコは素晴らしかったとのこと。立ち会えなかったのが惜しまれる。

放送は3月を予定。三本立てで、あとの2作品は「人生ベストテン」(原作:角田光代)と「夕餉」(原作:山田詠美)。これまた原作がどんなアニメになっているのか、興味津々。

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