2011年03月12日(土)  思考停止の一日(1か月前)

この日記を書いている4月13日、ようやく何かを書こうという気持ちになってきたが、地震の翌日からしばらくの間、体に力が入らず、立ちすくんでいた。起きている現実の衝撃があまりに大きすぎて、どんな言葉も空しく思えた。自分が生み出す物語は、何の力にもなれない。自分も何もできない……と落ち込んだ。音楽家は演奏を漫画家は絵をチャリティやエールにできるけれど、脚本家は作品がカタチになってなんぼで、そのカタチである映画やドラマどころではなかった。

テレビとツイッターを見過ぎて、情報に感情を揺さぶられたり翻弄されたりし続けた結果、疲弊してしまったのもあると思う。

地震当日は、元気だった。夜の会合で会う予定の人と電話がつながらず、ダンナの実家にいるたまの無事を確認してから引き続き託し、2時間かけて待ち合わせ場所へ歩いた。電車は動かず、バスはのろのろ、タクシーはつかまらず、歩道は前後左右歩く人でびっしり埋まっていた。子どもの頃のハイキングを思い出し、気分が高揚した。

地図の看板の前で立ち止まり、自分のいる位置を確かめる人たちがいた。交番も道を尋ねる人でにぎわっている。知らない人同士がここはどこですと場所を教え合っている。普段歩かない道を歩き、普段言葉を交わさない人と話している。非常時の光景なのだけど、皆表情は明るく、いつもと違う体験を楽しむ余裕が感じられた。そのときは、その後の計画停電も予想せず、一夜限りのことだと思っていた。

携帯はつながらないがパソコンのメールは読めた。「てっぱん」の明日の放送はすべて中止しますという連絡が入っていた。たしかにそれどころじゃなかった。結局、地上波とBS2での放送は一週間止まり、BS-hiでだけ通常通り放送を続けて先に最終回を迎えることになった。

てっぱん最終週のタイトルは「かならず朝は来る」。このドラマのキャッチコピー「かならず腹はへる。かならず朝は来る」からつけたものだが、地震の後、予期せぬ重みを帯びた。この言葉に励まされたという声がたくさん寄せられ、そうですよねと力強くうなずく声にわたしが励まされた。


今日のtwitterより(下から上に時間が流れます)
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@ruri_sakura 天災の大きさを前に小さな自分に何ができるのか、「となりのトトロ」に癒されている娘を見ながら考える午後です。
posted at 12:34:12

@nishio_naoto 水道管破裂、大丈夫?
posted at 12:31:35

万歩計によると昨日は15km以上歩いた。「揺れたね」「怖かったね」「駅はこっちだよ」知らない人同士が声をかけあい、状況をわかちあう光景があちこちで。他人同士が案じあえることのありがたみ。肉声のやりとりのぬくもりが底冷えの東京を温めていた。
posted at 12:16:28

@hashiponpon ご心配ありがとうございます。お友だちとは連絡取れましたか。昨日は電話がなかなかつながりませんでした。
posted at 09:05:27

南北線動いてます(溜池山王1時44分)
posted at 01:45:21

銀座線半蔵門線動いてます(青山一丁目1時37分)
posted at 01:38:02

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2008年03月12日(水)  豚とクローバーとオレンジのトイレットペーパー
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2002年03月12日(火)  FOODEX

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