2009年08月24日(月)  電車の中で膝パソコン

電車の座席で膝にパソコンを広げてカチャカチャ打つ人と立て続けに隣り合わせた。以前、新幹線で隣に座った女性が東京から大阪まで打ち続けていて、とても落ち着かなかった覚えがある。それは五年以上前のことで、膝パソコンしながら移動する人を初めて見たわたしは、「よっぽど仕事に追われているんだなあ」と思いつつ、自分も追い立てられているようで落ち着かなかった。

カチャカチャというキーボードを打つ音が平穏を邪魔するのは、音が耳障りというのとは少し違う。自分が打つ耳慣れたリズムとの微妙なズレが生む違和感が、すり傷のように引っかかってくる。音自体はさほど大きなものではないけれど、空気が乱されるような居心地の悪さが生じる。最近はずいぶん減ったけれど、携帯電話のキー操作音をオンにしたまま隣の席でメールを打たれると、ピ、ピ、ピ、ピという不規則な機械音のリズムにムズムズして、なんとも困った。

キー操作音をオフにするのがマナーの常識になったのと入れ替わるように、膝パソコンが台頭してきた気がする。締切に追われている同業者なのか、これから出る打ち合わせの資料を確認しているのか、移動中もネットサーフィンを続けているのか。見ている内容は携帯電話とさほど変わらないのかもしれない。わたしも携帯でパソコンのメールや自分のサイトをチェックする。でも、携帯電話だと気にならないのにパソコンだと耳だけではなく目にも障ってしまうのは、なぜなのだろう。

携帯電話の風景に慣れてしまったというのもあるのだろうけれど、パソコンを打つというのはわたしにとって「人に見られたくない行為」だから気になるのではと思い至る。誰もいないダイニングテーブルで日々キーをたたいているわたしの姿は、とても人にお見せできるものではない。極度の近視だけど眼鏡をかけると目が疲れるので、かけているのはピンホール眼鏡。傍目にはアイマスクをしているように見えるはずだ。肩こり防止のため、足は現代版青竹踏みのような健康グッズに乗せ、締切に向かってダダダダダと打ちまくる。うちに泊まった友人が翌日もわが家でくつろぎながら「わたしのことは気にしないで仕事して」と言ったりするけれど、そういうわけにはいかない。

身を削って書く様は昔話の『鶴の恩返し』のつる、翻案された『夕鶴』のつうのようだと思うことがよくあるけれど、「わたしが機を織っているところを決して見てはいけません」と鶴やつうが言ったように、パソコン作業中のわたしの姿は門外不出のものだ。あまりに時間がなくて、打ち合わせにパソコンを持ち込み、話しながら脚本を手直しするということをときどきやるけれど、背に腹は代えられん、の捨て身の覚悟で衆人環視の中パソコンを打つ。だから、電車で膝パソコンは、わたしにとっては電車で着替えぐらい勇気のいることで、「よくやるなあ」という目で見てしまう。その色眼鏡があるから、音も気に障るのかもしれない。

電車の中もオフィスになるこの光景にもそのうち慣れて、わたしも膝パソコンをするようになるのだろうか。

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