2009年02月18日(水)  クッキーになった、ひばば102歳。

1月17日にダンナのおばあちゃんが亡くなって、ひと月経った。娘のたまと百歳違いだから、102歳。最後に会ったのは昨春のことで、耳が不自由なほかは、ゆっくりだけれど自分で歩き、ちょこっとケーキを食べ、紅茶を飲み、百歳を超えているようには見えないほどしっかりしていて、お茶目でかわいらしいおばあちゃんだった。「なかなかお迎えが来なくて」とおどけるように言うのが口癖だった。「長生きしてくださいね」と返しつつ、親しい友人もほとんど先に逝ってしまい、長い余生を持て余しているようにも思われて、フクザツな気持ちになった。だから、訃報を聞いたとき、もう会えないんだなという思いとともに、おばあちゃんはほっとしたかもしれない、と想像した。天国には懐かしい人たちがたくさん待ち受けているから、淋しい思いはしないだろう。

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たまは、生まれてから2度おばあちゃんに会いに行き、だっこしてもらった。一緒に撮った写真を見ると、「ひばば」と指差していたけれど、最後に会って半年以上経っているので、「ひばば覚えてる?」と聞くと、首を傾げた。けれど、おばあちゃんが大好きだったという鎌倉五郎本店の『鎌倉半月』というお菓子を「ひばば、クッキーになったのよ」と言ってすすめると、「ひばばのクッキー」と神妙な顔をして食べ、何かを感じ取ったようだった。

おばあちゃんが亡くなって一週間後、大阪へ帰ったときのJALの機内誌に、新潟の大家族の写真が載っていた。「お父さん、お母さん、子ども、じいじ、ばあば、ひばばね」とわたしが写真を解説すると、「たまちゃん ひばば いたね」とたまが言った。「いるね」ではなく「いたね」と過去形になっていて、ひばばが遠くへ行ったことを2歳児ながら理解したんだなと思った。

そのことを子守話にしてみた。

子守話45 ひばばのクッキー

あるひ テーブルのうえに ちいさなはこがありました。
「これはなに?」とたまちゃんがママにきくと
「ひばばのクッキーよ」とママがいいました。
「たまちゃん、ひばばおぼえてる?」とママにきかれて
「うーん わかんない」とたまちゃんはこたえました。
ひばばは じいじのママで パパのおばあちゃん。
たまちゃんは ひばばに なんどかあいにいきましたが
それは2さいになるまえのことで よくおぼえていなかったのです。
「ひばば とおくにいっちゃったの。 もうあえないの。
 ひばば クッキーになったのよ」とママがいいました。
たまちゃんとママは ひばばのクッキーを はんぶんこしてたべました。
ほんのりあまいにおいを かいだとたん
たまちゃんは ひばばにだっこされたひのことを おもいだしました。
「かわいこちゃんですねえ」そういって ひばばがわらうと 
しわくちゃのかおが いっそうしわくちゃになりました。 
「ママ たまちゃん ひばば おぼえてる」とたまちゃんはいいました。
「ひばば やさしかったよ。ひばばのクッキーみたいに やさしかったよ」
「そう。ひばばのこと おぼえていようね」
「うん。たまちゃん ひばばのこと おぼえてる」
ひばばのやさしいかおをおもいうかべて
たまちゃんとママは ひばばのクッキーをたべました。
とてもおいしいクッキーでした。

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