2007年05月17日(木)  マタニティオレンジ119 麻疹の予防接種を受けるべきか

「都内で麻疹が流行しています!」というお便りが保育園で配られる。すでにニュースなどで話題になっているけれど、文京区はとくに患者が急増しているよう。空気感染するので、同じ部屋にいた、一緒に食事をした、電車で隣の席に座った、この程度の接触でもうつるという。保育園で一日中一緒にいたら、あっという間にクラス中が感染してしまう。「0歳児さんも予防接種を」と呼びかけられ、今朝、保育園に預ける前に小児科へ行った。

麻疹の予防接種は一才以降になると無料で受けられる(一才以降と就学前の二回)が、それ以前は自費になる。だけど、タダになるまで待っているうちにかかってしまい、麻疹の流行源になる事態は避けたい。保育園に子どもを預けると、「自分の子が麻疹になってしまう」ことより、「他の子に麻疹をうつしてしまう」ことを心配するようになる。「今回受けたのとは別に、あとの二回は予定通り受けると、より免疫が強くなりますよ」とお医者さん。「タダのはずの一本を有料で受ける」のではなく、「念押しのもう一本を受ける」と思うと、オプション感覚で少しは損した気分が薄れる(その後、流行への緊急対応策として、文京区では1歳未満でも麻疹の予防接種を無料で受けられる措置がとられた)。また、一週間後に控えたポリオの集団接種は受けられなくなり、秋の接種まで待つことになる。ポリオにかかる確率よりも今は麻疹の予防が優先。ポリオも心配なら自費で受けられますと説明される。

予防接種にはもちろんリスクもあり、小児科の先生の中にはあまりすすめない人もいる。保育園に行ってなければ、自然にかかったほうがいいという考えもある。わたしが行った小児科の先生は推進派のようで、「日本は麻疹の予防接種を受けない人が多く、『麻疹輸出国』と言われているんですよ」と話された。ただし、あまり幼いうちに注射をしても免疫がつかないようで、「8か月以上」を目安にしているとのこと。たまはあと一週間足らずで8か月なので、ぎりぎり大丈夫でしょうと言われる。「卵は大丈夫ですか」と聞かれ、「ワクチンには鶏卵が使われています」と説明がある。ごく微量なのでアレルギー反応を起こす可能性は極めて低いが、リスクはある。そう言われ、診察室でしばし考え込んでしまった。卵を食べさせて、アレルギーがないとわかってから病院にもどったほうがいいのか、えいやと受けてしまったほうがいいのか。そういえば、卵が入っているパンを一口食べたことがある。「それぐらいの量だと思います」。お医者さんはあくまで大丈夫という言葉は使わず、親に判断を委ねる。膝の上に抱いているたまに「受けてみよっか」と声をかけ、「ではお願いします」とお医者さんに告げた。

足の裏にブスッと針を射した検査用の注射にはじまり、BCG、三種混合と注射を受けるたびにこの世の終わりのように泣きじゃくっていたたまが、今日はじめて注射で泣かなかった。針を刺される瞬間、「う」と小さくうめいたけれど、その後ぐっとこらえた。針が抜かれた後も目に涙をためていたけれど泣かなかった。それを見て、わたしが泣きそうになった。

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