2007年05月15日(火)  三島由紀夫はなぜ死んだのか

産後の無理が今頃たたって腰痛が治まらない。医者に匙を投げられた人が次々とよくなっているという整体師さんを口コミで知り、ついに生まれて初めて鍼を打つことに。中国系のグサッ、ブスッという太いごっつい鍼を想像して身構えていたので、画鋲を頼りなくした感じの細くて短い鍼に拍子抜けする。顔や手首に鍼を打ち、シール状になっているのでそのままつけて帰ったら、ずいぶん体が軽くなった。ついでに「普段はやらないんですけど特別に」ということでグキグキッと骨盤の歪みを直してもらったのも効いたのかもしれない。ここは一回一万千円もするのでそう頻繁にはいけないのだけれど、体の辛さがすうっと溶けてなくなるようなビフォアアフターを体験すると、一万出しても惜しくない、という気持ちになるのだった。

二回目の今日も同じようなことを期待したら、今回は鍼はなしで、アレルギーテストのようなことをやり、基本のアレルギーを取る治療を受ける。人間は何かしらアレルギーを持っていて、それが体に不調をもたらしているのだとか。前回ほどの劇的な変化は感じなかったけれど、前回同様施術の後に体だけでなく頭がすっきりする。にごり、淀んでいたものが、済んで流れ出すような感覚。血流がよくなった証拠なのだろうか。

先生はあまり年齢が変わらないと思われる男性で、「知ってる? 産後すぐは頭あんまり洗わないほうがいいんだよ。頭蓋骨も開いちゃってるから」などと妙に軽いノリで整体の薀蓄を語ってくれる。わたしの知らないことをたくさん知っているし、わたしの話は「へえー」と面白がって聞いてくれる。そんな風にいろんな職業の患者さんの話を吸収して自分のものにしているのかもしれない。

三島由紀夫の『音楽』の話をしたら、「読んでないけど、面白そうだね」と先生は言い、そこから「なぜあの人は自殺しちゃったんでしょう」という話になった。「あの人は肉体をすごく鍛えてたって聞きますね。年を取ること、肉体が衰えることに、人一倍恐怖があったのかもしれない」。先生はそう言って、「枯れる花は許せなくても、散る花は許せたんでしょう」と映画の台詞みたいに嘯いた。おしゃべりも鍼のように心地いい刺し加減。

2004年05月15日(土)  レイモンド・ローウィー展→フォトモア展
2002年05月15日(水)  パコの不一致

<<<前の日記  次の日記>>>


My追加