2007年03月27日(火)  『子ぎつねヘレン』地上波初登場と富士フイルム奨励賞受賞

先週水曜日の3月21日、わたしが脚本を手がけた四本目の長編映画『子ぎつねヘレン』が地上波に初登場。しかも、21時からのゴールデンタイム。普段は水曜ミステリー9を放送しているテレビ東京のこの枠には昨年5月に放送された『ドクターヨシカの犯罪カルテ』についで二度目の進出となる。放送時間に合わせて本編を5分ほどカットしたと聞いていたのだけれど、正直、どこを切ったのかほとんどわからなかった。「獣医大学って看板、出なかったよね?」などとダンナと間違い探しを楽しみながら観たけれど、5分もつまんだ感じはしない。CMの入り方もあまり気にならなくて、これならテレビ版でも味わって観ていただけたのでは、とほっとした。劇場で観られなかった人から「やっと観れた」「よかったよ」という声が届く。録画して観る人が多く(オンエア時は『愛ルケ後編』を観てたのかも)、放送直後よりも2、3日経ってからの反響のほうが多かった。

公開時のお祭り気分に加えて、関連本も作れて、DVDにもなって、公開一年後にテレビ放送というイベントまでついてきた。作品をわが子にたとえれば、あの手この手で親を楽しませてくれるヘレンはとても親孝行だ。ちょうど先週、所属している協同組合日本シナリオ作家協会から著作権使用料の振込み通知が届いた。ドラマが再放送されたり、映画がテレビ放送されたり、ドラマや映画が海外に売れたりすると、作品に関わった著作権保持者に規定量の著作権使用料が支払われる。CSで抜き素材として一瞬流れただけでも、きちんと徴収して振り込まれる。支払われるお金もありがたいけれど、何よりうれしいのは、自分の作品の「近況」を知れることだ。テレビドラマ『ブレスト〜女子高生、10億円の賭け!』は海外で放映されたらしい。著作権使用料は1362円だけど、あの女子高生トリオが海を渡ったのか、という感激に値段はつけられない。著作権は作品の親(たくさんいるけど)である証であり、作品との絆だと思うから、ギャラを値切られても、この権利は守る。

テレビ放映が関係者にいちいち伝えられないのと同様、賞関係のニュースもなかなか脚本家の耳には入ってこない。今日授賞式が行われた第16回日本映画批評家大賞で『子ぎつねヘレン』が冨士フィルム奨励賞を受賞したことは、知人で映画ライターのコバリアキコさんからの「おめでとう」メールで知った。公式サイトの情報はこの日記を書いている4月7日現在昨年度の受賞作品発表から更新されていないけれど、いまいまさこカフェの常連、岡山のTOMさんがcinema topics onlineのレポートを見つけてくれた。映画批評家だけが選考するというユニークな賞での受賞はうれしい。地上波登場から一週間足らずの間に、またまたヘレンの親孝行。

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