2006年10月29日(日)  おいしい国、日本。


ご近所仲間の会はY家が転勤のため一昨年ロンドンに引っ越したので、東京支部とロンドン支部に分かれているのだが、Y氏が出張で東京に来ることになった。昨年夏の一時帰国以来、一年ぶりの再会。どうやって歓迎しようかと東京支部で相談の結果、「『ザ・日本』でいきましょう」となる。会場となったK邸はおでんとロール寿司と具沢山の味噌汁でおもてなし。わが家は手巻き寿司を提案し、ダンナの小学校時代の同級生てっちゃんがやっている魚屋さんで刺身を調達。魚河岸が休みの日曜日だけど少しでも新鮮な魚を食べられるようにと、てっちゃんは朝早く魚をさばいて配達してくれた。Y氏の飲み仲間だったT氏は日本酒を、M嬢は博多出張土産の明太子に加え、Y氏が以前「あんこが食べたい」とメールに書いていたことから和菓子を用意。どれもおいしかったけれど、ひさしぶりの日本の幸尽くしにほころぶY氏の顔が何よりのごちそうだった。

海外で暮らした人は、日本への愛着が増す傾向があるらしい。望郷の気持ちも手伝うのだろうけれど、日本を離れてみて初めて日本の良さに気づくのも大きいと思う。わたしの場合、食べものにそれを見出している。一年間のアメリカ留学から帰国して慣れ親しんだ味をひさしぶりに口にしたとき、体中の細胞がバンザイしている気がした。この味が自分を育ててきたんだということを体で思い出して、日本に帰ってきたんだなあと実感し、ああ日本人だなあとうれしくなった。最近「愛国心」をめぐる議論が活発だけれど、日本をおいしくいただく精神も愛国心なんじゃないかなと思う。自分を育んだ食べものを愛することは、その食べものを育んだ土地や歴史や季節や人々を慈しむ気持ちにつながる。

2005年10月29日(土)  お茶→シュウマイ→お茶 6時間プレ同窓会
2003年10月29日(水)  日米合作映画『Jenifa』完成試写
2002年10月29日(火)  『風の絨毯』ワールドプレミア

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