再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 @佐和

前日に夕方から佐和入りして、
生憎の雨の中、20分ほど歩いて、佐和高校へ。
中もよく分からず、帰り支度していた先生に二階の体育館まで連れていってもらう。
「オールライト」では、初めての←私が
体育館。
状況によって色々なので、とにかく、今までの流れと、これからを考えつつ、
絵を体育館専用に、変化させる必要もあって。
人口密度の低い体育館、で、雨、寒い…

とにかく、場に着いてから、
思えている範囲全てのシーンの確認をし、
これからのまた確認。
間に合う道具で、現状できる最大を。
終わって、誰かの実家のような焼き鳥屋の二階で何人かで乾杯。

次日、
いい天気だけど、寒さはきっと。
午前、ホテルから最寄りの駅まで徒歩、で、1時間に二本の電車に飛び乗って、佐和からまた歩き。
体育館に着く頃には、多分誰よりも身体が出来ている。
場当たり。
…これが、全くぬるく。
当たるのは、テキトーなこーなっとけばいい的な絵を掴むのではなく、
このチームの場合は、
ホントを探す時間、
またしてもその土俵に上がって来ないので、
もう本気。(こちらがね)
自意識の低さと、
これで頑張ってるんです感にはもう飽きた。
己を、ちゃんと晒すこと、そこに在る人物の行為をちゃんと見る事、
もう何万回言ってきているだろう、
ギリギリまで、いま、なにを、見ている、
そして、いま、なにを、相手に対して、したいのか、突き詰める。
…体育館で大きな声を出す(汗)なんて、体育会にいた時以来だ…
面白くしたいし、そうゆう舞台を観せないといけないから、やるけど、
正直、これだけの暖簾に腕押しが続く中、吠え続けるのは、こちらも限界があるよ。と。

もちろん、そんな時間を経るので、本番の舞台上の集中度の高さ…
寒さと、体育館とゆう条件さておいて、
春から数えても、圧倒的な舞台。
高校生も寒い中、凝視してくれる、
本番の切れ味。
これを、自主的に獲得して欲しいのだ。
誰かの所為にせず、ちゃんと自分でもっていく。
でなければ、
できなければ、
多分、次は、ない。
いつだって、その怖さと興奮の中で、
一番の自分たちを舞台上に。
結局、今旅は私はあとは最終盤しか見られないので、待つ事になるし、酔いどれバス(腰痛込み)チェックになることを選択して、
全体の確認。
もう二度目の旅、である。

この公演はとても良かった。
なにが?
どこが?
だれが?
どんな準備が?
全部問いかけて、
連続でやれる環境でない分の、検証をちゃんと。

明日は養成所の修了公演、演目発表と、キャスティング。


2016年11月28日(月)



 @津田沼(観測史上初の積雪の日に)

戻って養成所二本ハシゴして、
3ヶ月振りの休みは立川志らくに聴き耳をたて、
なんとかごまかして東演観に行って、アウト。
だましだましきたけど、
さすがにドッときた。
うーん、まもなく修了公演のホンもキャストも決めないといけないのに…
鍼打って、耳鼻科行って、薬もらって、さらにはマッサージで背中を思い切り揉み返す程ほぐしてもらって、
疲労のお供、「源」(自然派栄養剤)入れて=呑む点滴とも言う=高いのです、そして不味い。のに、全く不味く感じないのはきっと、身体が欲している、と言うことなのだな。。。
こうゆうタイミングは、旅と忙しさが重なってプールにも行けていない現状に繋がる…
まぁ、でもこれくらいで正常(ここまでこないのが異常)、
鎮痛剤入りテープ貼って、なのにカイロ貼って、
よく横になり、復活の兆し。
「オールライト」が九州シリーズから戻って、今週から飛びだけど、関東近郊、
その初日にシレーッと観にいく。
とゆう日は、雪が降る。。。
@津田沼
良くも悪くも収まりのいい公演。
よく観てくれている。
でも僕には、何も舞台上で本当のことが起きていない、予測済みの展開がそこにあって、
全体として悪くはないけれど、
そこじゃない。と思ってしまう。
長くやってきた安定感と、動かないことは、ちがう。そして、ちゃんと自分を晒していないゴマカしで存在してはいけないなぁ観測史上初とゆう雪の日に。
まだまだであること、もっともっと面白くなること、全て自覚を持って、対峙しなくては。
バラし最中の個人周りチェックでは全く時間が足りない。
本当に届くコトバってないものか、
「島」も含め、立場同士の納得風情ではなく、創り手同士の闘いあって、納得でき演者の根幹まで動かせるコトバ…
次は私は初見の体育館バージョン@茨城
体育館用の変更もある、
ここまできてもやらなくてはならない事、
山のように。
面白く良質のものを届けること、その為に、自分にもちゃんとムチを打つのだ。
嗚呼。。。




2016年11月24日(木)



 @やない

柳井へ。
ここから暫し続く乗り打ち(その日に仕込んで本番してバラして)の繰り返し2日目。
8時半にチャーターバス移動、約2時間。
途中、宮島のサービスエリア、景観すばらしい。
到着次第で公演班は仕込みへ。
私は、ゴメンなさいして先にチェックインさせてもらって貯めてる、いや、溜めているお仕事、と、思ったら、チェックイン用意出来ておらず出鼻を挫かれる。←こんな事で挫かれる精神状態、とゆうわけで…
かつての商都は、白壁の町として、そのメインストリートには金魚ちょうちん(書いて字の如く)が並ぶ。
国木田独歩邸など散策してから小屋入り、
古いけれど味のある会館。
用意してくれた「お通し」をいただいて(酒の相手じゃないよ。地元の方々が手分けして作ってケータリングに持ってきて下さる食事)、14時からチェック、流れで場当たり。
空き時間で賜った、いや、溜まった仕事をこなしつつ。
本番。
いい出会いは変わらない。
もっと巻き込める。の、思い。
少し疲れが…
これで満足しては…
終わって、明日は帰途なので、
一人一人、バラしの間につかまえてチェック。
宿題も。
次に合流できるのは、12月に入ってから。
確信を持てる作品、そんな作品を創り手としてそんなに始終手にしている訳ではない(悲しいかな)、
もっとの思いが増す。
すっかりバラし終わり近くの時間になり、
この日は駅前にも魚民と山内農場と、どこにでも見るとこしか空いてないので(途中、ママの名前がついただろう呑み屋は沢山あったけど)、寒いし、セブンイレブンでおでんを買って大人しく。
明日はほぼ公演班と同じ、7時50分発で、私は岩国空港まで行って帰京、即稽古。






2016年11月17日(木)



 @尾道

午前中に福山を出て尾道へ。
会館に荷物を置いて、さぁ、千光寺へ。
の途中に、商店街を歩いて、帆布鞄屋に寄り(以前来た時に、帆布のアタッシュケースがあって←買いたかったが高かった…、目の前で造っているお店。どこにあるか、不思議とちゃんと思い出す)、それから徒歩で。
膝痛いとか言いながら、
勝手知ったる道のよに歩いて登る。(ロープウェイもあるけれど、それ程でもないので)
心地の良い天気、なるべく振り向かずに、上をめざす。→振り向いた時の絶景よ!
郷愁、な感じを全くこの土地で育ってないのに感じる都合のよさが日本人的。
尾道にて、石鎚山鎖場を登ること数分(笑)←このコンパクト感と、ここにいながら他に行ったことになる感じも日本的。
反対からだけど、瀬戸内を見下ろす風景。
改めて思う。こうゆう想像が舞台上で効いているかどうか。。。
こうゆう風景を、当たり前としている人物たちと、色めき立ち浮き立つ部外者、この間には大きな差がある。日常と非日常、嘗ての日常、今の日常。
尾道で、尾道ラーメンじゃない天ぷら中華そばを食べて、帰会館。
福山とはうって変わって近い空間、ホール。
声の響き、近さ、表情、息遣いも取れる感。
東京にあったら、予約とれないだろうな…
14時から全体でチェック。
昨日の反省とこれからの課題と。
場当り、暫し。
18時半より本番。
空間がいいので、縦の交流の届きがよい。
私のサイドは、とてもよく喋るおばさまたちだった。
←一挙手一投足に感想をくれる『あら、火を消さなかった!』とか
だからよくわかる(笑)
全体の印象は、収まりのいい公演になった、
芝居の強さは初日(空間の遠さがあったとしても)
もっと巻き込んで行ける作品、である。

夕方にちょっと嬉しいニュースをもらい、
終演後、有志で少し呑む。

明日は山口県は柳井に移動、乗り打ち。



2016年11月16日(水)



 『島』初日。@福山

前日、福山入りし(ほんの二週間ぶり)明かりの感じを覗いて←なにしろ、東京GPが1日仕込みだったので、今旅ver.は具体的には、前日と本番当日に合わせる訳だ。
音楽ホール、広い…
響き、響きすぎる…
けど、二階席に幕が張られるなど、
出来得ることは、鑑賞会さんの方でやっている。
俳優さん入っての確認は昼から。
その間も何かを惜しむように、朝はよに出て、鞆の浦へ。←何しろ、三度目福山、一度も行けていなかった。(ポニョの舞台になったと言われている)
海をずっと横目に、旧い町並み。
少し高台にあるお寺から眺める風景、絶景!
2時間歩き回って、タイムリミットも堪能。
堤防で横になったし。(温泉には時間で入れなかった、嗚呼、ガチガチの身体よ。)
場当り、三幕ラスト。
芝居と伴って、いい方向。
(今回の、ここまで人物が育ってきたら、人がちゃんとたつように、の企み←ここで言ったら企みにならぬ)
修正いれて、もう一度。
その後、こっちのGPの代わりに、一幕の通し。
改めて空間に対しての対峙の仕方や、
コトバを大事にする旨を確認して、いざ初日に向かう。もっと自由に。もっと豊かに。その場で起こる事を取り入れながら。
本番。
ここまで初演から40数ステージ、
当たり前だけど、広島弁が伝わっているのがわかる(笑)←そりゃあもちろんなんだけど。
伝わっている会話の奥が届く感じ…
なので、暖かく、各所で笑いがおきながら観てくれる。
一幕アッとゆう間に。
上演二幕…まぁ、初日だからのアクシデントもしっかり(?)ありつつ(汗)、客席との縦の交流はうまく運んでいたと思う。←芝居を楽しもう、とゆう姿勢じゃない?と裏方でついている憲が言っていた。
少し、客席の反応に助けられたかな…。
よき拍手をもらってました。
が、まだまだやれる実感。

終わって、初日まで来ているプランナー陣と、
めちゃウマの寿司屋(て、リーズナブルな)で、
あーでもない、しながら乾杯。
流石にこちらもご当地入ってきて構えていたのか、ドッとくる。
明日は昼前移動で尾道へ。
昼過ぎからチェック。
それまでに、久しぶりの尾道散策。。。か。。。



2016年11月15日(火)



 小慣れない。

なーんにもしないまま、
初の宮崎空港を通り過ぎ、
昼過ぎからの『島』GPのタメ帰京。
…東京、寒い…
つい先月、『オールライト』の旅出しをした会館。
…なんだか全体コンセンサスが取れているのやら取れていないのやら、な感じで進む。
前は2年前、そのまま、な訳もなく、
進化、変質もっと、と思うのだけど。。。
制作、舞台部、演出、テクニカル、打合せが通っていない??
小慣れちゃダメだ。
とはいえ相変わらず転換が見事。
これはもう幕開けて、暗くしないで魅せた方がいいくらい、なのだ。
幕間登場の玲子の芝居がままならないほど、早く、美しい。。。(笑)←本人は、んーと言っている。
GP少しおして始まる。
私の生徒、先日ご一緒した方々来てくれる、(しかし、見に来る人の少なさや)
2時間52分。
いい作品なんだけれど、
収まろうとする人たちが見え隠れして、
そうじゃない
と、思う。
まあ、空間が途端に広くなった、前半部分の頼りなさもあったので、さもありなん、か。
自覚あり、か。
こちらも小慣れちゃいけないのだ。
あくまで今を見据え、先を捉えていこうとするか。
人の関係、思いで、天井知らずに面白くなれる作品。
来週火曜日にはご当地行って幕開き。
先週講演も行った福山にて。
居住まいを正すより、いつも貪欲にありながら、いつも通りを舞台上に展開させられるか。。。

膝、肘、そしていい加減爆発寸前の腰、
明日は二週間強ぶりの鍼だ(嬉)

2016年11月11日(金)



 『オールライト』@佐世保

長崎空港への飛行機が羽田の出発混雑で
遅れ、乗ろうと思っていたバスの時刻ギリギリ。
とにかく飛び乗って着席し暫し…
「このバスは長崎駅行き〜云々」
よかった……よくない、
私はこれから「佐世保」に行くのである。
「長崎駅」に行ってしまっては、これは、完全に観光じゃないか!
ので、稽古場で天動説の大先輩を見習って、
「すいません、間違えました」
高速バスを停める。すごすごと空港まで戻ると、
私が乗った飛行機と、その後の便も遅れていて、
それを待っての出発で、佐世保行き、乗れた…
何しろ、座って直ぐに眠りに落ちなくて良かった…
そんな訳で、佐世保着は23時半を過ぎ、
駅前だけど、暗い…
佐世保……佐世保バーガー……長崎ちゃんぽん……皿うどん……皆閉まっている。…いいのである、私は観光に来たのではないのだから…
…諦めきれず、商店街を闊歩し横道飲屋街、あごだしらーめん。でもって、WAFU PUB←ただの居酒屋。なんでもない鍋焼きうどんをこんな所で食してしまった…(椿組の別役芝居は途中から鍋焼きうどんが占拠する、匂いを嗅ぎ耐えて耐えて高級うどんすきで日本酒と思っていたのに…)夜は更ける、いや、もうとっくに更けていた。
あごだしらーめん屋から出たら、膝がイタイ…なぜ…
腰、肩、首、背中、肘、膝
…完璧。明日は長〜いバス移動。。
明けて13時半からの公演を前に、1時間の場当り。
諸事情あって、動きを変更したり、出所を変えたりしたので、その確認と、
そのアクシデントを面白味に変換!
時間は…足りない。
チーム力はアクシデントあって更に緊密にはなれている。
あとは、足並がしかと揃うか否か。
気になるところを直前まで、袖でも当たる。。
いざ本番。
いろんな価値観流れる客席、
舞台上の集中が途切れなかったので、
結果よく観てもらえる。
観に来られていた鑑賞会の方、当該校の校長先生、大変喜ばれてワザワザ私に挨拶をくれる。

バラし最中にも、楽屋で更に変更とその部分の稽古(!?)なにしろ、ケガを巧妙しないと。

バス移動(佐世保→都城)チェック、じっくり。
変更点を共有し、
大人数関わるところは、現場に任せる旨。
バスでチェックはずっと後ろ向き、自分の書いた読めないメモを見なければならず、三半規管をやられキモチワルイ…
終わって個人面談(笑)
何せの5時間移動。。
班は明日も都城で本番、昼公演。私は、朝イチ東京戻り。確認できることはしておきたい。

着く頃には22時半になろうとし、
宿の周りは、さぁ、宮崎満喫!
…ドンキホーテとトンカツチェーンだけ、
…諦めた。トンカツチェーンでビール。キャベツをおかわりし続けてみたのである。

明日は飛んで帰って(正に)
『島』GP!


2016年11月10日(木)



 『島』最終。

『島』稽古場最終通し。
前日に動きあり早回しをしたので、
密度があがるのと、短縮も働き、時間は目標タイムに入る。ラスト20分にそれまでボディブローのよに効いていたものいたものが、一気に昇華する芝居。
それはそれとして、やはり、
前半戦の在り方なのだ。
過去名作と言われるものは、
ものすごーく長かったりして、
でも、かつての娯楽的刺激で言えば、
非日常空間、演劇を観られる高揚感で通じたものは、現在の圧倒的即物的刺激溢れる世の中では、
立ち上がりの遅いものは(人物紹介、状況紹介に終始してしまう起承転結の起)、どうしても、退屈を感じさせてしまうところもある。
だから、それをちゃんとわかって、密度濃く、
導入ではなく、日常がドンとあった上(奥行きが透けて見えて)での、刺激ある日、にならなければいけないし、
俳優さんが言い方とかでなく、
そこに存在し交流する本当の瞬間は、その世界に観る者を引き込んでいく。
まだ、感情のせつめいをしようとしてしまう、
その後の交流を知っているモノとして、こうくれば、ああする的な予定調和の中から脱皮できない人もいる。
そこは、変な話、役をコントロールする自分の心、呼吸すら柔らかくコントロールできるくらいの回路とアンテナを有しないといけないのに。
初演などは、あるテンポを有することで、底の浅さを隠すこともあるけれど…
ホンがあり、演出があって、俳優さんが立つ。
でも、ホンの意図も消え、演出の作為も消え、
最後は俳優の行為、人の営みだけがそこにある。
そんな舞台でありたいのだ。
まだ道半ば…

稽古終わって、佐世保へと。
到着は23:30予定…
明日は『オールライト』だ。

2016年11月09日(水)



 続くのである…

帰京して、『島』稽古。
ほんとうにいい作品だなぁと思いつつ、
でも、まだまだその作品世界に飛び込めない、二の足を踏み続けるもったいなぁ人もいて、
この間の難しさを思ったり、
稽古は、指摘されないようにやる場、ではなく、
失敗をちゃんとできる場、であるはずなのだ。
発見していかねば、次がない。
萎縮してたり、心を閉じていたって本当は誰も手なんか差し伸べてはくれないのだ。
でも、期日も迫り、
一つのカタチは創らないといけない。
せめぎ合い。
でもって、やはりこの芝居は身体にくるのである。
(てかいい加減回転しすぎって話もあるけど)
しかし、ベテラン陣の奮闘がこのチームは凄い。
2年前より若い(笑)←もしかしたら初演より(驚)
何より、演じるを乗りこなすことを、『島』の中に生きられることを、
楽しんでいる!のですな。
そんな中の、またや!、な報告。いや、超えた報告?
パタパタと指示はしても、いやぁ、なんだかなぁ〜。。
兎に角傾向と対策、
場当りの確認などとりいそぎして。。。
あとは遠くから応援。。。。

一回一回、舞台がアナログで安全に当たり前に出来ていることの凄さをこんな時ばっかりは感じざるを得ないわけだが(調子が良い)、
何しろそうゆう、危機的状況に直面して、
チーム全体の息が合うのかと思いきや、
集中の仕方の違いが目立ったりして、
そうゆう時こそ、人の本質は現される訳で、
嗚呼、これも課された試練なのだね、と納得せざるを得ない。。。。


2016年11月07日(月)



 『島』の初演時(6年前)掲載文、比べると現在がよくわかる。。

「島」と「現在」   藤井ごう

 「わしらが白髪の爺さんになる頃には、この地球上も大分様子が変わっとるよの。それ迄一粒一粒、種を大事に蒔いて生きるんよの。―その時は、人類に貢献した言うんで」

 被爆者である学の劇中の台詞から約六十年、プラハでは核なき世界への「平和」メッセージが宣言され、兵器削減の条約が締結されつつある。だが一方「平和」を謳った戦争は、今もこの地球上で確実に行われている。―この矛盾。そしてその事に痛痒を感じなくなっている僕らは「想像力の欠如」が言われて久しい。戦争は特殊な出来事でも、過去のことでもない事を知りながら。―この違和感。

 僕らが学の言う「その頃」を生きる人間として、他人にしか残らない筈の「死」の記憶を前に茫然と立ち尽くすのか、何かを共有して普遍化するのか、どうするべきなのか、…きっと答えなんかない。

 ただ、この「島」に生きている人間たちの「現在(いま)」に何かヒントがあるように思われてならない。

あなた自身の為に 人間の未来の為に

という作者の願いと共に、「生」という事の意味を突きつけられている。

iPhoneから送信

2016年11月05日(土)



 『島』初演から6年経っての再演。チラシ掲載文

『島と現在』から『現在の島』へ 藤井ごう

 「わしらが白髪の爺さんになる頃には、この地球上も大分様子が変わっとるよの。それ迄一粒一粒、種を大事に蒔いて生きるんよの。―その時は、人類に貢献した言うんで」

被爆者である栗原学の劇中の台詞ー
青年劇場での初演時、2010年。
あの時はまだ3.11も起こっておらず、
まだ一応神話は神話の体をギリギリ保っていて、世の風潮もここまでセンソウがカクジツに迫っている況ではなかった。
米大統領の歴史的訪問など記憶に新しい今、核なき世界への流れはどうだったか…

6年経って『島』が再演される。(『島』の舞台もあれから6年)
僕ら舞台の作り手は、非力であることを思い知らされる日常が続いている。
学、そして作者堀田氏の思いとも確実に異なる『現在(いま)』がある。
その事をどう考えようかー

2010年にこの作品が産声を上げた時とは違う意味合いが生まれ、受け取られ方も大きく変わった。それは喜ぶべきことなのか…。
だが訴えかけるものがあったとして、その真は変わらない。

だからこそ、わかりやすい言葉、わかりやすい敵、大きい声、外国ではこうである的な常識に囚われることなく、こうやって生きてきた人物たちの思いを苦しみを喜びを、現在の都合で 「なかったこと」になどしないように、
コトバに耳をすませ、ココロに寄り添う。

想像力が経験を栄養とするならば、
学らの経験と選択は、今正に必要とされる想像力の基礎となるはずである。

舞台上にいつも通り人物たちを現出させようー
人間の未来の為に あなた自身の為に

作者の願いと共に、『生』という事の意味が大きく僕らに迫っている


2016年11月04日(金)



 馬刺し(特にたてがみ)に舌鼓。。。

今旅、旅立ってから初の『オールライト』@八代市厚生会館
八代清流高校さん。
空港から、バスを二台乗り継いで、
八代城跡の隣り。
アップの最後をチラと見て、
本番。ここまでの道行きは班長のメル友Sさん、他から聞いている。
傾向と対策を練りながらきた。
20日近くの行きっぱなし旅、最終盤。
来週か、また次のクールに入るので、
元々行けない予定をあれやこれやしてやって来た。
実際の交流を実感するに越したことはない訳で、
旅スタートからいろ〜んなことがやってきて、
はてさて、どうなっていることやら。
1時間52分、
熊本だから、地震が起きた場合の諸注意の重み。
オープニングの前説から生徒さんたちは、しっかり盛り上がってくれて、
そのまま本編へ。
しっかり観てくれる。
いい拍手をもらっていた。
芝居は、グッと緊張度は増した感じで、
ちょっと早目に感じながら。
三週間で育てられたトコ、慣れたトコ、
不具合生じてるトコ、まだ通りきれてないトコ(そりゃあ初見でわかるようなことではないですが)
もっともっとの思いも強く、
チェックの紙が…分厚い。。

終わってまとめつつ、バラシを待つ間に、養成所の修了公演の台本選びのためホンを読みつ、
バラシ終わりで、会館の別室(和室)(←宴会場みたいな(笑))をこのタイミングでのチェックは重要と判断してくれたので、例の酔いながらのバス中チェックでなく。
にて、全体総括、課題、スタッフワーク、
それから頭から一つずつ。
大事にすること、したいこと、この先の在り方までしっかりコンセンサスを取る。

僕らが感じるアップダウンをなくし、もっとシャープでもっと深い物語への階段。
ここに来たのはやっぱり大きかった。
来週の次クールの初日と行って、引き締めたい。

終わって宿近くの魚民で懇親…
をやめて、やっぱり熊本、馬でしょ、馬刺しでしょ、馬レバでしょ、
と、わたしが呟いたせいで、
大人数入れる店を探す。
漸く見つける馬レバ、馬刺しの看板で、入れる店。
これがまた、頼むにあたって蘊蓄が多い。
頼み方も決まっている。
でもって、競走馬でなく八代で育てられた食用云々…
ちょっとこの時点で食傷(まだ食ってないのに)気味…
そして、八代の食用の別のうたいは、北海道直送!←この日はホンモノのシシャモだったが、誰の食指も動かず…
馬刺し、タテガミ、馬レバ、ハツ
しかし、
これがベラボーに美味かった。
今まで食べていた馬刺しは馬刺しに非ず(大袈裟でなく)
もちろん貴重な馬レバ(嗚呼、牛レバ、鶏レバ懐かしき)はモチロンなのだけれど、
タテガミ、びっくりした。
永遠に口の中に置いておきたかった…
あとは部位不明だけど、コリコリの鉄板焼き、絶品。
会計も絶品、さもありなん。何の後悔もない(笑)
チェック終わって流石にガス欠気味だったのもどこへやら…
…便利な身体だ…

その後若い衆の部屋で部屋呑みして、
明日はまた午前中に東京戻って稽古。



2016年11月03日(木)



 11月。。。

もう11月になってしまった…
こないだの休日が8月、これは、なかなか、である。
でもって、椿組『海ゆかば水浸く屍』は、
概ね好評で、まぁイロイロありながら(それはどの作品でもそうだ)
尊敬すべきモノづくり大好きな大人たちが揃って、あーでもないした印象。
現場は思っていた以上に、これは不条理とは違うじゃんと、コンセンサスも取れていたので、普段別役を見慣れない人も入り口は狭くなかったかな。
また、こんな大人たちとモノづくりできたら楽しいな、
とゴールデン街の夜は更けていったのである。
ご来場くださった方々、お手伝いいただいた方々ありがとうございました。感謝しています。
で、11日に旅前GP迫っている『島』も次日から本稽古(飛び飛びの稽古はしてきたけれど)、
短い期間だけれど、目一杯のトライ&エラーちゃんとやって、今回の『島』を構築させたい。ある種、2年前にあるカタチまでいっている作品だからこそ、怖がらずに解体、再生、新生しないと、と思っている。そう簡単には進まないけれど。
御苑辺り生活はまだ終わらない。昨日も22:30過ぎまで衣裳の確認もして、

そんな訳で今は熊本空港でバスを待っている。
6時に家を出た。
『オールライト』の旅確認に飛んできたのだ。。


2016年11月02日(水)
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