しそ摘み日記
akajiso



 止まっているようでいて

 今日、私は朝の家事を済ませた後、
3歳の息子と手をつないで
歩いて郵便局まで行き、
言語障害になってしまった義母へ
手作りのあいうえお表を小包で送った。
 帰りに、高血圧と風邪で寝込んでいる
母のところに顔を出し、
様子を見てから、
小さなせんべい屋で砂糖せんべいを3枚買い、
店のおばちゃんと
笑って世間話をした。
 途中、ヤクルトレディ時代の
マネージャーと道で会い、
「こんちは〜」
と笑顔で声を掛け合い、
子供と歌を歌いながらゆっくり家へ帰ってきた。

 今までの暮らしからは
想像もできないほど、
のんびりとした時間を過ごしている。

 今、私は仕事もしていないし、
妊娠もしていないし、
家事育児はかろうじてしているけれど、
介護をしているわけでもなく、
今までの、
常に全力疾走していた人生から見たら、
物凄く停滞しているように見える生活をしている。
 しかし今、
毎日ふつーーーーーーーーーに
暮らしているようでいて、
私の中では物凄い勢いで
何かが芽吹きだしている。

 立ち止まる、という行為をやっているのだ。
 
 私は何もしていないのではなく、
全力で立ち止まっている。
 
 すべてを白紙に戻して、
記憶と思考と経験と構想を組みなおす作業をしている。
 昨日までイヤだったことが、
今日はイヤでなくなっている。
 さっきまで絶対だと思っていたことが、
今はもう、絶対ではなくなっている。
 
 走ったままの人生では、
決して気づけなかったたくさんのことに
猛烈な勢いで気づいている。

 自分の次の一歩が楽しみだ。
 
 

2003年05月30日(金)



 噂話はダサい行為です

 今年、学校の役員を引き受けたが、
先生の悪口(名前呼び捨て)や、
子供やその親の噂話をするのが
大好きな人がいて、閉口している。

 はっきり言って、
全然話し合いが進まないし、
集合時間を守ったこともない。
 
 でも、人の批判はすごいことすごいこと。

 完璧なメイクと衣装でも、
悪口を言うときの表情は醜悪そのものだし、
笑顔を浮かべるのは、人を卑下するときだけ。
 ゆがんだ心では、
どんなにおしゃれをしてもダサダサだ。

 集まりの後、いつも
「ランチしよ〜う」
と誘ってくるけれど、
悪口噂話三昧になるのは目に見えているので、
私はいつも辞退している。
 毎度毎度そんな金もなきゃ暇もないっつーの。

 私が言ったことばの何か一片に
彼女はカチンと来るものがあったらしく、
私のいないところでいろいろと言っているようだけれど、
気にしないようにしよう、と思う。
 
 確かに下衆な連中も多いけれど、
イケテル大人だって、
探せばいっぱいいるはずなのだ。
 私は、そういうイケテル人たちと付き合えれば
それでいいや。
 世の中の90パーセントが下衆野郎だったとしても、
残りの10パーセントと一緒に
まっすぐな心で生きようと思う。

 世の中の下衆野郎に悩む諸君、
私と一緒に
「こころのお洒落な大人」
になろうではありませんか。

 エイエイオー! 
 

2003年05月28日(水)



 子供部屋一掃

 一日何百回も
「部屋を片付けろ」
と言っても、
逆切れされたり泣かれたりして、
一向に片付かなかった子供部屋。
 子供に自己管理の練習をさせようとして片付けずに我慢してきたが、もう限界!
このままでは季節がら虫が湧く!
可燃用と不燃用のゴミ袋を用意して、
朝からホッカムリして片付けた。

 あんーーーーーーーーーーーーなに
散らかってたのに、
片付けるとあっさり片付く。
 というのも、
子供らは収納すべきところに
物をしまわないで、
机の上や床の上に出っぱなしなのだ。
 で、収納さえすれば、それで仕舞いだ。

 でも、困ったのは、
くしゃくしゃで出てきた長男の作文。
(泣けてくるほど母の愛に飢えている文の数々!)
そして、一見ゴミにしか見えない次男の工作百点以上。
(でも、よく見ると、物凄くよくできている)
 そしてまた、
幼稚園や学校でもらってきた三男の手作りカードたち。
(みなよれよれだが、本人はとても大事にしている) 

 捨てられないよねー(ToT)
 でも、物凄い数なのよぅ!
 
 でも、それぞれちゃんと保管しておいた。
 後で見たら多分どれも号泣ものだと思って・・・。
 

2003年05月21日(水)



 夫の母倒れる

 昨日の夜中、
石川県の金沢にある夫の実家から電話が入る。
 夫の母が脳出血で意識を失い、
救急車で病院に運ばれた、という。

 止血の処置をしたと言うが、
仕事でどうしても駆けつけられない夫に代わって、
私が子供たち(上ふたり)を連れて
明日の朝イチで金沢に行くことになった。

 今朝になったら、
一応意識は取り戻したらしいのでひと安心。
 でも、寝ぼけているような反応になってしまうらしく、
本人情けなさそうにしている、
とのこと。

 これから私は、
低い低いパソコン技術を駆使して
「写真つきお見舞い飾り」
を作ることにした。
 さて、どんな出来になるやら・・・
 へたくそだけど、許してね、お義母さーん。
 

 

2003年05月16日(金)



 夕方の整形外科

次男の骨折で先週の朝イチ、
整形外科に行ったのだが、
すごい年寄りだらけだった。
 そして今日は、
次男下校後の夕方に行った。
 今日も込んでるぜー、
と覚悟して行ったら、
年寄りゼロだった。

 それにしても、
朝の年寄りの元気なことと言ったら・・・
 ほんと、社交場だった。
 
 何かの笑い話でこんなのがあったなあ・・・
 病院の待合室で、
来ていない年寄り仲間がいると
「あの方、どうしたの?」
「病気で来られないらしいよ」

 それとまったく同じ会話を聞いてしまった。
ほんとだったんだ、あれ。

 それにしても、夕方の整形外科。
 突き指した身長180超の中学生に付き添う母親。
「お口のガム捨てなさい」
なんてティッシュで口からガムを受けていてあげるのを見て、私と小3の次男は唖然。
 次男は折れた手で自分で鼻をかんでゴミ箱に入れ、その母親をチロッ、と見ていた。

 説教したかったのかな、次男?

2003年05月13日(火)



 明るい生と死のために

先日、新聞広告を見て、
迷わず購入してしまった、CD講和集12巻。
 いのちというものについて
(主に終末医療について)
第一線の臨床医やホスピス医、
精神科医や生理学者など12人が講和しているもの。
 なんと29800円也。

 高い・・・
でも、買わずにはおれなかった。

 今年に入って、ばたばたと大好きな人たちが亡くなってしまった。
 ひとつの死を受け止めて乗り越えていく暇さえ与えられず、どんどん逝ってしまった。

 連日、浮かぬ気分をひきずっていたが、
このままでは苦しいな、と思い、
よく生きるために一旦死んでみようと思ったのだ。
 いや、今流行(?)の自殺志願というのではなく、
一旦、自分が年をとって、死ぬ間際の状況になったら
どんな風に考えるのか、とシュミレートしてみようと思ったのだ。

 人生の終末期、あるいは、最期を迎えて、
「ああ、若い頃にああしておけばよかった、こうしたかった」
などとぐずぐず後悔したくはない。
 明るく前向きに死を迎えたい。

 だから、一旦仮想で死んでみる。
 老い、患い、寝込み、死んでみる。

 このCDを聞いて、
たくさんの人たちの人生を紹介してもらった。
 語っているのは、みなインテリたちだが、
みんな人の心と体と自然とを分けて考えていない。
 暮らしというベースがあって、
血の通った人とのかかわりがあって、
その上に学問や経験が乗っかっている。

 だから、聞いていて、ちょっと泣けた。
 子供の頃、立川のおばあちゃんの家で
掘りごたつに入りながら、
おばあちゃんに「ゴマの収穫の仕方」を聞いていたことを思い出した。
 「なるほど」の連発だった。

 私はもう、いろいろ知っているつもりでいたが、
まだ全然知らないことだらけだった。
 私の場合、知らないことを教えてもらうと、楽になる。
 「知らない」ということが息苦しいのだ。

 CD、もったいなくて、一気に聞けない。
 ゆっくり聞いて、何度も聞こう。

 そして、一旦死んだ後、
また人生を巻き戻して36歳の自分にタイムスリップし、
自分の生きたい様に生きよう。
 
 明るく、前向きな生と死のために。

 
 

2003年05月09日(金)



 次男骨折す!

 昨日は、ゴールデンウイーク最終日ということで、
我が家のお気に入りアニメ
「クレヨンしんちゃん」の映画を見に行った。

 んが!

3歳以下は入場お断り、
ということで、あえなく夫と四男は引き返すことに!

で、私と上の子3人で映画を満喫した後、
映画館外で夫たちと合流。

 で、「さ、帰ろう」ということで、
来た時と同じように
私の自転車に私と四男と三男、
夫の自転車に夫と次男、
そして、長男は自分の自転車で、
颯爽と街を滑走!

んが!
んがんが!

次男が夫の体に手を回すと、
夫は次男に
「返って危ないから自転車のパイプにつかまっとけ」
と言ったために、
握力の弱い次男は、がたがた道で自転車からごろん!

「あっ、落ちた!」

と、私と長男が同時に叫び、
駆け寄ると、次男、冷凍マグロのように動かない。

 そして、次の瞬間、
「いたーいいたーい」
と号泣。
 頭や背中や首は打っていないらしい。
 ひとまず安心して、

「ほら、擦り傷くらいで泣かないの!」
 
と、叱咤して帰宅。

 その後、ぐったりする次男の手のひらの傷に
マキロンをシューパと吹きかけて
痛え痛え言う次男に
「うるへーもう泣くな!」
また叱咤。

 夜になって、あんまり痛がるものだから、
手のひらをよく見たら、
ドラえもんの手になっているではないかいな!!

 腫れてる〜〜〜っ!
 そして、紫になってる〜〜〜っ!

(ああ、ひどい捻挫だな)

とさすがに思い、今朝一番に整形外科に連れて行く。

医者はあっさり
「骨折でーす」
と言う。

 小指の根元、
手の甲の端っこの骨がヒビ入っちゃってるらしい。

「こりゃあ痛かっただろう?」

と言う医者に次男しずかにうなづく。

 悪かった!
すまぬ次男よ!

 今日は、おわびとして
次男様のお体を蒸しタオルで拭き拭きさせていただきました。
 そして、時間割も揃えておきました。
 さらに鉛筆も削ってございます。

 あーあ、
子供の訴えにはもっとちゃんと耳を傾けなくては、
と反省きりでござりますm(__)m

 ちなみに、
次男の安全を確保できなかった夫は、
こっぴどく私に叱られ、
次男に柏餅とスナック菓子とマンガ本一冊買ってあげる、
という約束をして次男の許しを乞うていた。
 結局あっさり契約は成立したようだが、
それでいいのか?
そんなんでいいのかよ、次男よ!

2003年05月06日(火)



 カミングアウト

 思えばここ10年以上、完全に
[楽しいこと量]<[楽しくないこと量]
という式が固定してしまっていた。

 でも、もうそろそろお母さんは子供らに正体を明かしてしまおうかと思う。
 というか、もうバレはじめている。
 「普通のお母さん」の芝居をしていることに気づかれているようだ。
 
 ドリフ(特に荒井注)が好きなこと
 お笑い命なこと
 いつも歌ばかり歌っていたいこと
 ひっきりなしに絵を描いてたいこと
 楽器を見たら演奏せずにはいられないこと
 芝居が好きなこと
 常に実況中継みたいに話し続けたいこと 

 洗濯物をタンスにしまうのが大嫌いなこと
 風呂を洗うのが物凄く憂鬱なこと
 汚いものに触るのが苦手なこと
 電気製品の電磁波で具合が悪くなってしまうこと
 知らない人と話すのが怖いこと
 嫌なことを先に済ませないと好きなことに取り掛かれないこと

 告白すると、
 実はあななたたちのお母さんは、 

 いつも明るく楽しく朗らかで
前向きで建設的で家族思いで健康な、
そんな「普通のお母さん」ではありません。

 誰にも邪魔されずにひとり遊びをしたい人です。
 表現活動がお母さんの主たる生きる目的です。
 ひとつの時間にひとつのことしかできない不器用者なので
たくさんの手のかかる男の子たちを育てていて
好きなことが全然できないでいました。
 でも、お母さんはもう好きにします。
 がんばって家族に尽くしている不機嫌なお母さんはもうやめます。
 ご機嫌で好き勝手する自由なお母さんになります。
 
 生まれてから24歳まで、ふたまわりする間、
ご機嫌で好き勝手していましたが、
結婚して、
24歳から36歳までのひとまわり、
不機嫌で好きじゃないことに専念しました。
 で、また元に戻ります。

 すんません。

 20年後、56歳になったときに、
私らしい56歳でいたいので。
 あなたたち子供らに、
「人生って楽しむものなんだなあ」
と身を以って教えたいので。


 

 
 


2003年05月02日(金)
初日 最新 目次 HOME