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JIROの独断的日記
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2013年01月13日(日) 【書評】「人生案内: ピンチをのりきる変化球 野村総一郎 (著) 」←続編です。絶対的名著です。

◆読売新聞「人生案内」の回答者の1人、精神科医、野村先生の回答を本にしたものです。

読売新聞に「人生案内」という、人生相談のコーナーがあり、以前は、YOMIURI ON-LINEの1コーナーとして無料で読めたのですが、

今は有料購読しないと読めなくなってしまったのが残念です。

今回お薦めするのは、

人生案内: ピンチをのりきる変化球 野村総一郎 (著)

です。


本記事のタイトルに「続編です」と書きましたが、正編は、
人生案内もつれた心ほぐします(野村 総一郎 著)

です。前回も書評を弊日記・ブログに書きました。
2011.03.10 【書評】人生案内「もつれた心ほぐします」(野村総一郎)

今回の書評も前回と同じことになりそうですが、野村先生の回答が素晴らしいのは絶対に相談者を「突き放さない」ということです。


◆「親身になって人の悩みを聞く」とはこういうことです。全ての人の為になります。

野村先生は、人生相談で、他の回答者にしばしば見かける、半ば投げやりな回答を絶対にしません。

つまり、「まあ、あんたが悪いのだから仕方が無い」とか「我慢しなさい」とか、本来人生相談で、

「それを言ったら、おしまいだろう」というような事を書く人が結構多い。いや、そういう「回答者」の方が多いでしょう。


野村先生の回答を読んでいて、つくづく頭が下がるのは、世の中の大抵の人ならば「そんなこと・・・」と言ってしまいそうな相談にも

本当に誠心誠意、相談者の「気持ちになって」考えておられることです。


例えば、詳しくは本書を読んで頂きたいのですが、

「親身になる」ことの真剣さが分かり易い例として、

好きなマンガキャラの死 悲しい 感情移入する自分は変か(10代女性)(JIRO注:96ページ)

こういうの、普通「相談」として扱われないのではないかと思いますが、野村先生は相談にのるのです。

この10代女性が愛読していたマンガは、NARUTO―ナルト― 63 (ジャンプコミックス)で、12年12月末現在で全63巻。

この相談が寄せられた時点で全何巻だったか、忘れましたが、忍者もののマンガです。


野村先生の回答はなんと、
このご相談を受けて、私も「NARUTO」を全巻読み通してみましたが、やはりかなりハマりましたね。

で始まるのです。当時はWEBで無料で読めたので、これを読んだ次の外来の時に先生に(前著の書評にも書きましたが野村先生は私の主治医です)、

「先生。あのマンガを本当に全部お読みになったのですか?」と伺ったら、「ええ、読みましたよ。ネットカフェってあるでしょ?」と

おっしゃるので、驚嘆しました。別に普段はマンガをお読みになることはないそうですが、この10代女性の「悩み」に回答するために、

読んだのです。忙しいのですよ?外来は多いし、学会も有るし、大学病院の雑務もあるし。

そして回答を読むと、「こう解釈してはどうでしょう?」と、確かにマンガのストーリーを知らないと書けない内容になってます。

もうひとつ。やはり若い女性ですが、この相談も驚きますが、
「過去に戻りたい15歳--時間を戻す方法があったら知りたい」(152ページ)

相談内容を要約すると、「何をやっても無気力で面白くない。過去にもどってやり直したい」という趣旨で、

世の中の大人が15歳の女の子から「やりたいことが見つからないから過去に戻りたい」と相談されたら、

99.9・・・・パーセントは、「子供が何を言ってるの。これから見つければいいでしょ?」となるだろうと想像します。

ところが野村先生は「絶対に突き放さない」方です。回答の一部です。
私の頭に浮かんだのは、「『現在』は一瞬にして『過去』になる。過去と現在の区別はそれほど大きくない」という考えです。

こう考えると、過去に戻ってやり直したいというあなたの姿勢はある意味前向きであって、現在を積極的に生きたいということと

大して違わないとも思えます。

あなたはやりたいことがなく無気力と言いますが、それは何かをやらねばという真摯な姿勢の裏返し。

過去に戻ることを考えるよりも、自分の中にある前向きの意欲に気づくことが大事だと思いました。

真摯なのは先生の回答であります。他に誰がこのような回答を書けるだろうと感動します。

これはほんの一例で、本当に真剣な誰にも起きそうな悩み。東日本大震災被災者からの相談、等々

枚挙にいとまがありません。世の中の人々の悩みの範囲の広さとその全て対する

野村先生の回答は全ての人の「為になる」と思います。ご一読を薦めます。

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2011年01月13日(木) 「<センター試験>55万8984人が志願 15日から」←私は共通1次試験第1回目の受験生なんです。
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2008年01月13日(日) NHKスペシャル「新型インフルエンザの恐怖」
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2006年01月13日(金) 「バッハ 無伴奏チェロ組曲第1番-第3番(リコーダー編) フランス・ブリュッヘン」バッハあれこれ。
2005年01月13日(木) NHKだけの問題ではない。他のテレビ局、新聞社も国家権力の介入を受けてるはずだ。
2004年01月13日(火) "Sense of proportion"(平衡感覚)ということ。
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