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JIROの独断的日記
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2012年12月26日(水) (母のケースですが)治らない病気は発見されない方がいいかも知れません。

◆このところ毎日、同じ話で恐縮です。

どうも、何とも陰気な話が続いて申しわけありません。

一日中、このことを考えてくらーい顔をしているわけではないのですが、考えることが色々見つかります。

26日(水)、既に肝臓に転移しているオペ不能の幽門部(胃の小腸側の部分)ガンが入院している病院へ行って、

主治医の先生からムンテラ(病状経過・治療方針などを医師が患者又は親族・近親者などに説明すること)を受けてきました。


昨日は腹部の強い痛みを訴えていた母で、その痛みは真夜中まで続いたけれども、今日は多少マシであります。

ただ、その痛みが腸炎によるものか(ノロではないのですけど)、あるいは、

経口抗ガン剤TS-1によるものかは、もう少し様子を見ないと、分からない、と。

何故なら、腸炎による腹部の痛みならば、一週間ぐらい続くことがある。

痛み出したのが先週の土曜日なので、1週間経っても、全然痛みが引かないのであれば、

抗ガン剤の副作用かも知れない、と推定できるが、現段階では判断できない。とのこと。尤もです。


私の質問「消化器の痛みに有効な『ブスコパン』があるが、使えないものでしょうか?」

ドクターの答え「あの薬は腸の動きを止めることによって痛みを抑えるのですが、

もしも今の痛みが腸炎ならばk早く便と共に病原体を排泄した方が良いので、ブスコパンは使えないのです」

なるほど。

ドクターは、「一時的に腹部の痛みが激烈なので、お気の毒だが、急速にガンが進行したことが原因とは考え難い。

全身状態が激変しているわけでもないので、まだホスピスでターミナルケアという段階ではなく、

治療の余地が十分にある。」と、おっしゃいます。(注:「治癒」とはいってません)。さらに、

「尤も、短期的には、今の状態では、いくら何でも一時帰宅は無理だから、年始年末は病院にいて頂いたほうがいいでしょう」

とこれも納得です。動かせる状態じゃないです。


◆治らないなら、(ガンが)見つからない方が良かったかも知れません。

こうして説明を聞くといちいち尤もですし、ドクターも周囲のスタッフも

一生懸命に考えて下さっていることが分かるので、こんなことを言っては、本当は悪いのですが、

「ガンなんか見つからないほうが良かったのかな?」

これが、今日考えたことで、ずいぶん前に母親をガンで亡くした家内が当初から言っていたのですが、

今日、意味がよく分かりました。

母はつい二週間前まで、自分が「ガンである」ことを知る前までは、ピンピンしていました。

今年は毎月のように旅行に行っていました。先月もです。

自覚症状があって病院で診てもらって、ガンが発見されたのではありません。


母は、元来本態性高血圧で、月に一度は、現在入院中の個人総合病院で心電図を取り、定期的に

採血するのですが、その採血で肝機能数値に異常が発見され、エコー検査で肝臓に陰があるというので、

胃カメラで見ると腫瘍があり、生検したらガンだった。CTを撮ったら肝転移していたのですね。


そして、治療しても半年ぐらいの余命だろうというわけです。

今更言っても仕方が無いけど、医療というのは難しい。良し悪しですね。

84歳で治療してもちょっと余命が延びるだけなら、ガンだということを知らずにずっと好きな事をして、

その間にガン細胞が増殖し、いよいよヘンだというので病院に行ったら、 もうこれは手の施しようがない。

余命一週間、という結果の方が幸せだったかもしれません。



今月に入り、自分がガンであることを知った母は見る間に弱り、経口抗ガン剤の副作用かどうか不明ですが、

腹部は身体が震えるほど痛い、そしてこれは明らかに抗ガン剤の副作用で、口内炎がひどく、

食べるのが好きだった母が今は、食べられない。ケナログ(ステロイド軟膏)どころでは効かず、

局麻(局部麻酔薬)のキシロカインを使ってます。今日は兄夫婦と私夫婦、ムンテラの後、

母の病棟を見舞いましたが、「悪いけど、疲れたから帰ってちょうだい」と言いました。


母は、自分は死ぬならば循環器系の問題だろうとおもっていたので、その自分が「ガン」になったという事実を

呈示され、そのこと自体にかなり大きな精神的ダメージを受けています。それが病気に対峙する気力を

失わせています。


ガンというのは、診断は比較的容易に出るのですが、じゃ、治療できるか?というと

できない例がまだまだ多い。そういうのは、結果論ですが、患者は知らない方が幸せなのでは?と思いました。

難しいですね。ドクターはもちろん悪意などありません。とても熱心ですが、

なまじガンが見つかって治療を受け始めたが為に、数ヶ月で死ぬ命で、苦しむ時間が長くなってしまった

可能性もあります(放置しても苦しくはなるでしょうが、そうなった頃は本当に悪くなったときでしょう)。

決して医療従事者のお仕事を軽んずる気はありません。尊敬しているのですが、

うーん、と考え込んだ一日でした。

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