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JIROの独断的日記
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2003年12月26日(金) 「自衛隊を派遣するのはイラクにいる困った人を助けるため」? パレスチナやアフガン難民は何故助けなかったの?

◆イラク復興支援特別措置法では「人道復興支援活動」と「安全確保活動」というのがあるのです。

1.人道復興支援活動


  1. 医療
  2. 被災民の帰還の援助、被災民に対する食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布又は被災民の収容施設の設置
  3. 被災民の生活若しくはイラクの復興を支援する上で必要な施設若しくは設備の復旧若しくは整備又はイラク特別事態によって汚染その他の被害を受けた自然環境の復旧
  4. 行政事務に関する助言又は指導

2.安全確保活動

イラクの国内における安全及び安定を回復するために貢献することを国際連合加盟国に対して要請する国際連合安全保障理事会決議第千四百八十三号又はこれに関連する政令で定める国際連合の総会若しくは安全保障理事会の決議に基づき、国際連合加盟国が行うイラクの国内における安全及び安定を回復する活動を支援するために我が国が実施する措置をいう。

◆「困っている人たちを助けないで良いのか」という奴がいる。ならば、訊くが

テレビを見ていたら、元自衛隊幹部で今は大学教授になっている人物が、「イラクが危険だからといって、現に、今、困っている人を助けなくていいのですか!」と絶叫していた。

困っている人々を助けるのが、イラクへの自衛隊派遣の目的なの?ふーん。それならば、アラブ・イスラエル紛争で生じたパレスチナ難民などは、もう50年以上も困っているのに、日本政府は何故全く助けなかったのか。

最近では、911テロの後、アメリカがアフガニスタンをボコボコに爆撃して、一般市民が死んだ。けが人、家を失った人も大勢いる。こちらの方がイラクよりもずっと前から、困っている。手足を失った子供はドイツの平和村というところで療養生活を受けている。ドイツ平和村は完全にボランティア組織により運営されている。運営資金の8割は日本の民間人の募金によって賄われているが、日本政府は何もしていない。ここにいる「困っている人たち」は自衛隊など送らなくても助けられるのに。

アフリカには破綻国家がいくつもあるが、ソマリアは繰り返される内戦と旱魃のために、餓死しかけている人が6万人もいる。先般、国連は各国に資金の提供を呼びかけた。その金額はたったの650万ドルである。日本が、アメリカの機嫌を取るためにイラク復興にとりあえず出すカネは10億ドルである。その1%以下の金額でソマリアの6万人が餓死しないで済むし、自衛隊を派遣する必要も無いのに、何故、それをしないのか。

◆イラクへの派遣の一番手が航空自衛隊ってのは、どういうことだ?

困っている人をたすける」なら、まず、医療や食料品、衣料の提供、インフラの整備が先にくるはずでしょう。航空自衛隊は、物を運ぶんですよ。アメリカのためにね。しかも、バグダッド空港は携帯型の対空ロケットで米軍機を狙う武装勢力が、待ち伏せしていて、米軍機は既に何度も攻撃的を受けている。

◆結論:自衛隊派遣の主目的はアメリカ支援である

このように、「困っている人を助ける」ならば、もっとさきに、自衛隊など派遣しなくてもできることが沢山ある。それをしないで、イラクに自衛隊を派遣して、「困っている人を助けるため」というのは、いかにもとってつけたような詭弁である。

自衛隊派遣の主目的はむしろ、「安全確保支援活動」=「アメリカ支援活動」である。アメリカは日本の同盟国だが、戦争中だから、これを支援するのは、集団的自衛権の行使であり、日本国憲法に違反するのである。

日本国民は、こういうことを見逃してはいけないのである。

自衛隊が、実際に派遣されることになった。そして、その結果、自衛官に死者が出たら、11月9日の衆議院選挙で自民党、公明党に入れた有権者は、責任を感じるべきだ。最近では、どの世論調査でも3分の2を超える回答者が、自衛隊のイラク派遣に反対だという。それならば、選挙の時に何故もっとよく考えなかったのか。


2002年12月26日(木) はた迷惑な酒飲み

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