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JIROの独断的日記
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2012年01月17日(火) 「<原発>40年廃炉、一転「60年」容認へ 政府が方針」←まだ、分かっていないのですなあ。

◆記事:<原発>40年廃炉、一転「60年」容認へ 政府が方針(毎日新聞 1月17日(火)21時27分配信)

政府は17日、原則40年で廃炉にすると公表していた原発の運転期間について「20年を超えない期間、

1回に限り延長を可能とする」との方針を新たに明らかにした。今月6日に細野豪志環境相が

「40年で廃炉」方針を公表した際には例外もあり得るとの見解を示していたが年数は明らかにしていなかった。

この「例外規定」が適用されれば、国内で今後認められる原発の運転期間は最長60年となる。

政府は、24日に召集される通常国会に関連法案を提出し、4月1日施行を目指す。

内閣官房原子力安全規制組織等改革準備室によると、関連法案では、原子炉等規制法に

「40年」の運転期間制限を明記する一方、「環境相の認可を受けて20年を超えない期間、

1回に限り延長を可能とする」との規定を追加する。具体的な期間は、20年を上限に政令で定める。

延長の考え方は米国のやり方を踏襲したもの。米国では法律で認められた40年の運転期間の後、

原子力規制委員会の許可が得られれば、最長20年の延長が何度でも認められる。

同準備室は「国際的な動向を参考にした」と説明する。

細野氏は6日に「原則40年で廃炉」の方針を公表した際、事業者から運転延長の申請があった場合には

(1)施設自体の老朽化の評価(2)施設を保全できる技術的能力−−を審査し、

問題がない限り延長を承認する、との例外規定を示していた。

また政府は17日、環境省の外局として4月1日の発足を目指す原子力安全庁(仮称)内に、

5人の委員からなる「原子力安全調査委員会」(仮称)を設け、原発事故の原因や被害の究明に欠かせない

事情聴取や立ち入り検査などの法的権限を与える方針も明らかにした。

これまで原発事故の原因などを調査する法的権限を持った組織がなかったため、

同委員会がその役割を担う。委員は国会の同意を得て環境相が任命する。

一方、放射性物質を、新たに環境基本法などの規制対象に含めることも関連法案に盛り込む。

◇「60年」経産省の従来見解に合致

 原発の運転期間を40年と定めながら、最長で20年の延長を認める今回の原子炉等規制法の改正案は、

「60年運転でも十分な余裕がある」としてきた経済産業省の従来見解に合致している。

政府は「延長には高いハードルを設ける」と強調するが、

具体的な延長基準は示されず、専門家から疑問の声が出ている。

内閣官房の担当者は、20年という延長期間の根拠として米国の例を挙げ、「世界的に認められている。

(延長できる)可能性として短すぎるのも妥当ではない」と説明。

具体的な延長期間や基準は、設置を検討している原子力安全庁で、

専門家の意見を聞いて政令などで決めるという。

原発の老朽化問題に詳しい市民団体「原子力資料情報室」の上澤千尋氏は

「米国でも延長基準は緩く、実際に(運転延長が)例外になるかどうか疑問だ。

原子炉の劣化を診断する方法が技術的に確立していないことを真摯(しんし)に受け止めるべきだ」

と批判しており、40年運転制限制が形骸化する恐れは依然ぬぐいきれない。


◆コメント:チェルノブイリは稼働して2年、スリーマイルは3ヶ月でした。

チェルノブイリは、短期的には福島よりもすさまじい、原子炉爆発を起こしたんですが、あれはなんと

小出助教によると、稼働してから2年しか経っておらず、スリー・マイル・アイランド原発事故は稼働3ヶ月後でした。

つまり、原発事故は稼働開始からの年数に関係なく起きうる。チェルノブイリもスリーマイルも、地震とは無関係に

起きています。ヒューマン・エラーです。

ましてや、いつ、どこで大地震があるか分からない日本に、54基の原子炉があり、そのうちの4つで

人類未体験の事態(核燃料が大気と接触している状態)が今も続いているわけです。

もう一箇所で、同じようなことがいつ起きてもおかしくないわけですね。


運転を停止した浜岡原発は、東海地震の想定震源域のど真ん中に建っているので、

配電盤が津波でショートして電源喪失しなくても(それが起きたのが福島です)、

直下から、ドスンとものすごい地震が起きて、その地震の揺れ、加速度によって、もしも原子炉圧力容器、格納容器は

勿論、それらが壊れなくても、原子炉への配管の接合部分などが破損して冷却水が流れ出し、核燃料が冷やせなくなったら、

福島と同じか、それ以上の放射能物質が、環境に拡散するのです。浜岡がそうなったら、東京に人が住めなくなるだろう、と

小出助教は仰有っています。


つまり、40年で廃炉の筈だったのが、60年になるかも知れないことが問題なのではなくて、

今すぐに全ての原子炉を廃炉にする計画を立て始める(実際に廃炉にするには、東海原発のように無事故の原発でも

20年もかかります)ことと、それまで暫定的に、核燃料が冷やせなくなる、という事態を避けるために、原子炉を補強するか、

電源喪失を防ぐ為に二重三重の、補助システムを用意する、ということを同時に行うべきです。

内閣官房の担当者は、20年という延長期間の根拠として米国の例を挙げ、

「世界的に認められている。(延長できる)可能性として短すぎるのも妥当ではない」と説明。

これには、呆れてものが言えないです。世界的に認められているって、その「世界」のどこでも福島ほど酷い事故は起きたことが無い。

日本では既に起きて、その結果、放射性物質でこれほど、悲惨なことになりつつあるのです。

その日本が、「世界」を基準にすることには、全く意味がありません。なんでも「世界的基準」と言えば通用すると思っている

官僚的形式主義です。


話が逸れますが、小出裕章京都大学原子炉実験所助教は、本当に立派だと思います。

小出先生が、「反原発」を主張始めたのは、1970年ですよ?

私も偉そうな事を言えませんけれど、40年以上、誰も耳を貸さなかったけれども訴え続けた。

私は3月11日以降、ビデオニュース・ドットコムを見るまで、恥ずかしながら、全く小出先生のことも

その主張も気にも留めなかった。今でこそ、皆、小出先生が真実を説明してくださることに感謝していますが、

それまでの40年、先生は真摯に訴え続けていたのに、

全く世間はかえりみることがなかった。それでも訴え続けた。


それなのに、福島原発事故の後に行われた、講演会で小出先生は、
原子力に携わってきたのに、この事故を防ぐことができなかった。申し訳ありません。

と謝罪なさるのです。真面目に反原発を訴えていた先生に謝られて、私は自分の方が

顔から火が出るぐらい恥ずかしいです。

内閣官房だか、経済産業省だか知りませんけど、役人共と政治家、東電にも

恥を知れ、と言いたいです。

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