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JIROの独断的日記
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2012年01月02日(月) 【映画】お薦め。「ハッピーフライト」。

◆随分、前の映画なのですが。

これは、「ウォーターボーイズ」「スウィング・ガールズ」の矢口史靖(しのぶ)監督の作品で、

公開が2008年11月15日で、DVDが発売されたのが、2009年5月22日ですから、いずれにせよ、

映画の紹介にしては遅すぎるにもほどがあるのですが、

大抵私は、皆さんがすっかり忘れた(と、書くとこの映画の制作に携わった方々やファンには失礼ですが)頃に、

ご紹介することになります。


しかし、手前味噌ですが、それによって一度はこの映画を見たと言う方も、「そういえば・・・」と思われるでしょうし、

見たことの無い方は、今更お薦めする人間はすくないので、良い機会だろうと思います。


肝心の商品を特定しておきます。映画本編は、


ハッピーフライト ビジネスクラス・エディション(2枚組) [DVD] です。

一番安いのは、ハッピーフライト スタンダードクラス・エディション [DVD]、一番高いのは、ハッピーフライト ファーストクラス・エディション [Blu-ray] で、

ファーストクラス・エディションは、ブルーレイのみとなります。

私は、2009年にビジネスクラスエディションを買って、その後見ております。これがちょうど良いと思います。

そして大変良い映画だと思ったのですが、何故か、日記・ブログに書いておりません。


矢口監督の前作、「スウィングガールズ」は、何しろ役者が本当に楽器の特訓を受けて、「何とか」演奏できるようにして、

実際に本番でも演奏している、と言う点が画期的です。これは記事にしました。

2007.02.26「スウィングガールズ」をテレビでやってましたね。実は結構好きなんです。あれ。

この時も映画公開から2年以上も経ってから、急に気に入ったのです。どうも私はその辺がドンクサイのです。


それはさておき、矢口監督は「ウォーターボーイズ」「スウィングガールズ」と2作「青春もの」でヒット作を撮ってしまって、

次はどうするのだろう?と思っていたら、実は「ウォーターボーイズ」の頃から「飛行機もの」の構想はあったとのこと。

本作は、綾瀬はるか主演なのでしょうが、ドジな新人CAが失敗を重ねて成長する「スチュワーデス物語」(原作です)や、

新・旧「アテンションプリーズ」でもなく、気の弱い、機長昇格訓練中副操縦士「鈴木君」を不必要に滑稽に描いた映画

でもありません。


◆非常に綿密に取材し、航空業界(業務)の真実を忠実に再現しているとのことです。

矢口史靖監督が最初に考えたのは、ジャンボ・ジェット(ボーイング747-400)に子供が取り残され、

地上からの指示を受けて、飛行機を操縦しながら、羽田空港に着陸するつもりが、

東京湾アクアラインに着陸することなってしまった、というストーリーだったそうですが、

あらゆる航空関係者に取材を重ねるほど、「絶対にあり得ない」ことが明らかになり、

「荒唐無稽飛行機もの」というジャンルがあるとすれば、アメリカ映画で、コクピットに

ゾンビが現れたり、大蛇が侵入してきたりという映画があるそうで、もはや意味が無く、

どうせ撮るなら、玄人が見ても、「あそこでああいうことはしない」というようなことを言わせない

事実に近いシチュエーションを構築しよう、という結論に至ったそうです。


綾瀬はるかさん演じる国際線初めてのCAがドジを踏む、典型的なドタバタがありますが、

そこから先は、羽田→ホノルル、ANA(実在の会社の飛行機を15日間貸して貰ったというのが、

非常に興味深いです)1980便が離陸後、あることが原因で、エアターンバック(飛行中の飛行機が、

離陸した空港に戻ること)を余儀なくされる。操縦桿を握るのは、機長昇格訓練中の田辺誠一氏演ずる

鈴木副操縦士と、ニコリともしない、時任三郎氏演ずる原田機長、

そして、寺島しのぶ演ずるチーフパーサー以下、客室乗務員、田山涼成氏演ずる森田グランドマネージャー率いる

田畑智子ら地上係員、岸部一徳=高橋チーフ・オペレーション・ディレクターら、OCC(オペレーションコントロールセンター)、

その地下にいる、管制官 、整備士、はては、飛行機と鳥の衝突(バードストライク)を防止する、ベンガル氏演ずるバードパトロール。


矢口史靖監督によると、空港の特殊性はこれらの人々は同じ「航空機を安全に運航する」ことが任務であることは同一ですが、

お互いには顔見知りではないことが多い。コクピット・クルーやCAと管制官、ディスパッチャー(OCC)は会わない。

整備士とグランドスタッフ(地上係員、あのチケットの苦情など受けて大変な人達)とバードパトロールも、多分、

一生、顔を合わせることがない。

パイロットだって、キャプテンと副操縦士は毎回コンビが違う。CAも毎回初対面の人が必ずいる。

しかし、各自が自らの使命を忠実にこなし、様々な仕事が連携することで、空の安全は保たれている。

ということを、「映画」という娯楽において、自然に一般人にも知らしめている。

この構想と、演出、それから特撮技術を多用したリアリティは、大したものだと思います。


緊急着陸を含む、航空機操縦の機器操作に関して、矢口監督は、プロに取材を重ね、

俳優に実際のパイロットが使う、フライト・シミュレーターで訓練を受けさせ、

プロに見せても「そんなところは触らないよ」と言われないような映像にしています。

逆に言うと、航空関係者に言わせると、今までの「飛行機もの」は「絶対そんなことはしない」デタラメばかり

だったそうです。

前半一時間はやや、典型的なドジCAの失敗ドタバタですが、後半は生命の危機に関するやりとりが含まれ

目が離せません。

一度観た方も、音声を「日本語音声2」にすると矢口監督の解説を映画と同時に

聴くことができます。まだ知らない方が多いのでは無いでしょうか。字幕を「字幕2」にセットすると、

台詞ではなく、「航空用語の解説」が表示されるので、これも面白い。

お薦めです。


◆「USエアウェイズ1549便不時着水事故」はこの映画の後のことでした。

一つ書き忘れました。「ハッピーフライト」のストーリーでは、「エマージェンシー(緊急事態)」を宣言する

原因となったのは、鳥との衝突、バードストライクですが、エンジンに吸い込んだのではありません。この映画の公開は、

前述の通り2008年11月15日ですが、そのちょうど2ヶ月後、アメリカで、

ニューヨーク発シャーロット経由シアトル行きのUSエアウェイズ1549便がニューヨーク市マンハッタン区付近のハドソン川に不時着水する、

所謂「ハドソン川の奇跡」、USエアウェイズ1549便不時着水事故が起きたのでした。

これには、矢口監督も驚いたそうです。

蛇足ながら、「ハドソン川の奇跡」をもたらしたのはベテラン機長、チェズレイ・サレンバーガーの冷静な判断と操縦のおかげだ、

というので、彼はすっかり「ヒーロー」になりました。そうしたら、チェズレイ・サレンバーガー氏は自分で早くも

「自伝」を執筆しましたね。既に邦訳されてます。

機長、究極の決断 (静山社文庫)

如何にも欧米人の社会。常に折りあらば、パワー全開で自己主張しなければなりません。

ちょっと、最後に皮肉をかきました。

映画「ハッピーフライト」DVDはお薦めです。

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