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JIROの独断的日記
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2011年06月03日(金) 「被災地にバイオリンの調べ=ユネスコ大使、88歳奏者−宮城・石巻」←ギトリス氏です。

◆記事:被災地にバイオリンの調べ=ユネスコ大使、88歳奏者−宮城・石巻(時事通信 011/06/01-16:40)

東日本大震災で被害を受けた宮城県石巻市で、ユネスコ(国連教育科学文化機関)親善大使で

バイオリン奏者のイヴリー・ギトリスさん(88)が1日、避難所の石巻市立女子高校を慰問し、

約200人の被災者や生徒を前に演奏した。

イスラエル人のギトリスさんは、これまで二十数回来日している親日家。

海外の演奏家が大震災を受け訪日を見合わせる中、被災者を見舞った。

同校の体育館で、エルガー作曲の「愛の挨拶」と日本の唱歌「浜辺の歌」を披露。

テンポを変えたり、即興を交えたりしながら、演奏の合間には

「私の心は皆さんと一緒にいます」と語り掛けた。

被災者は、ギトリスさんが奏でた30分間の柔らかな調べに聞き入っていた。


◆コメント:政争に明け暮れる日本の政治家よりも、被災者を思っているイスラエルのヴァイオリニスト。

ギトリス氏の来日の件は、先週書いた。

【いい話】震災2日後に「ノーギャラでも良いから、被災地で演奏したい」と言ってくれたヴァイオリニスト、イヴリー・ギトリス氏

国会では、今日もあまりにもバカバカしくて、とても見出しから後は読む気がしない

子供のケンカレベルの揚げ足取りに終始していたようだ。

被災地の人々のことなど忘れているのは明らかである。


一方、震災の2日後、
「ノーギャラでもいいから、出来れば被災地に行って音楽を届けたい」

と申し出てくれた、イスラエルのヴァイオリンの巨匠は本当に日本にやってきて、

記事のとおり、避難所となっている石巻市立女子高で6月1日、ヴィオリンを弾いた。


誠にありがたいことだが、日本としては恥ずかしいことだ。

日本の政治家よりも外国の音楽家のほうが、被災者のことを本気で心配して下さっている。

そして、日本の政治家はもとより、メディアが、このことを大きく取りあげない。


先週の週刊新潮、引用した時事通信、時事通信の記事を買って紙面に載せた朝日、

そして、東京新聞である。
◆記事:【交差点】2011年6月3日

◆「イヴリー・ギトリス チャリティーコンサート」 浜離宮朝日ホール(中央区築地5)で、10日午後7時開演。

ギトリス氏は、現役最高齢の88歳の国際的バイオリニストとして、世界を舞台に活躍。

福島第一原発事故後、海外演奏家の多くが来日を見合わす中

「自分の来日で、日本でコンサートを行うのに全く支障がないことを証明したい」と、来日を決めた。

愛弟子で日本フィルのソロ・コンサートマスター、木野雅之、大鼓奏者大倉正之助氏らも参加。

曲目は「愛の喜び」など。全席指定5500円。

必要経費を除き被災地に義援金として贈る。実行委員会(テンポプリモ)=(電)03・5810・7772。

日本の政治家や役人は無教養である。

本来、これほどの音楽家がわざわざ、被災地で演奏するために駆けつけてくれたら、

内閣総理大臣が直に会って例を言うべきである。


話が逸れるが、2009年3月末に、ベルリン・フィルハーモニーの第一コンサートマスターを

辞して、退団した安永徹氏にはドイツ政府から、勲章が贈られたことを私は記事にした。
2009.02.28 「ベルリン・フィルの安永徹さん、独政府が勲章授与」←安永さんは勲章が欲しくて音楽家になったのではない。しかし、私は嬉しい。

この年の5月、ドイツのメルケル首相が来日したが、当時の首相麻生太郎氏は、

このことについて何も言わなかった。また、そのことを、報じたメディアも無かった。

こういうことが恥ずかしいのだ。


◆ギトリス氏を映像で見て頂きましょう。

YouTubeで、“Ivry Gitlis”をで検索すれば、沢山の映像が見つかります。。

その中から、何曲か。

ギトリス氏は石巻市立女子高で、先日の私の記事にも載せた、エルガーの「愛の挨拶」を

弾いたそうですが、同じエルガーの La capricieuse, Op.17という技巧的な曲。

“La capricieuse”は「気まぐれな女」の意。ギトリス氏の49年前(1962年)の映像。


Ivry Gitlis: Elgar - La capricieuse, Op.17





昔は普通の服装で弾いていたのですね(笑)。49年前というとギトリス氏39歳。

次は、もう少し年月を経ている。サンサーンスの「序奏とロンド・カプリチオーソ」


Ivry Gitlis Saint Saens Rondo` Capriccioso







次は比較的最近。いつからこのような服装で弾き始めたのか分かりません。

かの有名な、ツィゴイネルワイゼン(サラサーテ)。


Ivry Gitlis - Sarasate Gypsy Airs (Zigeurneweisen)







これぐらい年配になると、あんまり指が回らなくなったりするものですけどね。

ギトリス氏は衰えを知りません。

しかし、これは、伴奏の人は本当に大変です。ルバートなんてものではないですね。

元々この曲は誰が弾いても、一定のテンポということはありませんけど、これほど極端に

揺れ動くヴァイオリニストは他に知りません。


さて、最後ですが、石巻市立女子高で「浜辺の歌」を弾いた、とありますが、

ギトリス氏は、この歌が好きなようで、N響と協演したときに、アンコールで弾いている

映像を発見しました。N響のヴァイオリン・セクションの人達の反応をご覧下さい。


Ivry Gitlis plays The Song of the Seashore (浜辺の歌)







YouTubeの決して上等とは言えない音質からですら、想像出来ますが、

ギトリス先生のヴァイオリン、物凄く鳴っていますね。

かつて、東京駅の丸の内口のドーム下広場で毎週火曜日、夕方6時からだったか、

「駅コン」(駅のコンサート)という催しが、暫く続きました。何しろ、回りは全く遮蔽していませんから、

人が歩いたり、雑音は防げない。それでも皆喜んで聞いたものです。

それで、なんと、そのような雑然とした「駅コン」でギトリス先生が弾いてくれたことがあります。

私はそれを生で聴いたのですが、非常に良く通る音がビンビン伝わってくるのです。


浜離宮朝日ホールのリサイタルは、都合の付く方はお聴きになると良いですな。

チャリティー、ということもありますが、ギトリス氏の音は生で聴くととにかくすごいですから。

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