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JIROの独断的日記
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2011年01月27日(木) 「政府・日銀、国債格下げ契機に財政再建本腰が急務との声」←増税しやすくするための謀略ですか?

◆記事:政府・日銀、国債格下げ契機に財政再建本腰が急務との声(ロイター 1月27日(木)22時41分配信)

S&Pによる日本国債格下げを受け、政府・日銀内では、市場の信認をつなぎとめておくためにも、

これを契機として財政健全化に本腰を入れて取り組むべきとの声が出ている。

S&Pは27日、日本の外貨建て・自国通貨建ての長期ソブリン格付けをAAからAA─に引き下げた。

アウトルックは安定的。

外貨建て・自国通貨建て短期ソブリン格付けはA─1+に据え置いた。

日本国債の格付けが下げられるのは、2002年4月以来。

格下げ発表を受けて野田佳彦財務相は同日記者団に対し「民間の会社の評価で、基本的にコメントを控える」とながらも、

6月に予定されている社会保障と税の一体改革など

「節目節目で財政規律を守るとのメッセージを出すことは、市場の信認を得るためにも大事だ」と強調した。

与謝野馨経済財政担当相は、格下げについて「残念だ」とコメント。

格下げの理由について「ひとつは債務残高が増加していること、

もうひとつは、菅内閣がこれから財政再建に取り組もうとしている姿勢が十分理解されていない、

あるいは真剣度が十分伝わっていないことだろうと思う」とした。

日本の消費税率は諸外国に比べて低く、「使っていない武器があると(S&Pは)思っている。

格下げは(消費税引き上げを)早くやりなさいとの催促だ」と述べた。

日銀関係者は、S&Pが2010年1月に格付け見通しを「安定的」から「格下げ方向で見直す」と公表しているため、

格下げ自体は想定内と受けとめている。

欧州のソブリン問題を契機に先進各国の財務体質が注目されており、

今回の日本国債格下げもその現れとの見方だ。



白川方明総裁は25日の金融政策決定会合後の記者会見で、

「ギリシャ・ショックの前と後で(ギリシャの)客観情勢自体が大きく変わったわけではないにもかかわらず、

ある時期を境にマーケットの認識は変化した」と指摘。

現在欧州周縁国にみられる「財政、金融システム、実体経済の負の相乗作用」が

「働くような経済状況になることを防ぐことは大事」と、財政健全化の重要性を力説している。


日本国債は9割以上が国内保有され、格下げなどを契機とした海外投資家の動向に左右されにくい、とされてきた。

しかし、昨年末は米国債下落の余波で金融機関が益出しのために日本国債を売却。

今年1月に入り、債務不履行などになった場合のリスクを取引するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で

保証料率が上昇傾向をたどるなど、市場からの警告が相次いでおり、

政府側の財政健全化に向けた具体的な行動が求められつつある。

国会では2011年度予算審議が今後本格化するが、格下げが審議にどのような影響を与えるか注目される。


◆コメント:格付会社なんて、いい加減なんですよ。

スタンダード&プアーズ(Standard & Poor's=S&P。以下、S&P)はムーディーズは共にアメリカの

格付け会社です。この二つが世界中の企業や債券(社債や国債)の信用力、

つまり、投資しても大丈夫かどうかを調べて、分かりやすいようにランク付けするわけです。

その格付けの表示の仕方、謂わば物差しの目盛りは各社、少しずつ違います。

スタンダード&プアーズの最高のランクはAAAです。

信用力が高い順に、


  • AAA 債務を履行する能力はきわめて高い。スタンダード&プアーズの最上位の発行体格付け。

  • AA 債務を履行する能力は非常に高く、最上位の格付け(「AAA」)との差は小さい。

  • A  債務を履行する能力は高いが、上位2つの格付けに比べ、事業環境や経済状況の悪化からやや影響を受けやすい。

  • BBB 債務を履行する能力は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって債務履行能力が低下する可能性がより高い。

  • BB より低い格付けの発行体ほど脆弱ではないが、事業環境、財務状況、または経済状況の悪化に対して大きな不確実性、脆弱性を有しており、状況によっては債務を期日通りに履行する能力が不十分となる可能性がある。

  • B  現時点では債務を履行する能力を有しているが、「BB」に格付けされた発行体よりも脆弱である。事業環境、財務状況、または経済状況が悪化した場合には債務を履行する能力や意思が損なわれ易い。

  • CCC 債務者は現時点で脆弱であり、その債務の履行は、良好な事業環境、財務状況、および経済状況に依存している。

という「格」があるのです。CCCより悪いのもありますが、

省略します。

AAAからCCCまではプラスとマイナスが付く場合がある。

AAAのうち、特にAAA+が最高ランクです。

今回、日本が関係した部分までだけを細かく書くと、

  • AAA+

  • AAA

  • AAA−

  • AA+

  • AA

  • AA−


つまり、今日の格下げによって、

日本国債の信用力は上から5番目から6番目になったのです。


私の個人的感情としては、この格付け会社ってのが大嫌いでして、

自分では何も創り出さずに、他人様の信用とか債券を頼みもしていないのに勝手に評価して、

そのランクを世界中に公表するのです。その情報料で食っているわけです。


結構高給取りなんですよ。格付け会社の「アナリスト」という連中は。

しかし、スタンダード&プアーズとムーディーズの評価が

本当に信頼できるのか。何となく昔から、この2社の評価が有り難がられてますが

今、世界が不況だったり、ヨーロッパが財政危機に陥っている大元は、

アメリカのサブプライムローンの不良債権化です。

アメリカは、2006年頃まで不動産バブルでした。

そこで、本来ローンなんか組めないような人達にまで、

ローンでカネを貸して、不動産を、その不動産自体を担保にして、買わせていたのです。

土地の値段が上がり続けていましたから、
「たとえ、ローンが返せなくなっても、担保の不動産を売れば、ローンを返済しておつりが来ますよ」

といって貸していたのですが、そうやって皆が買ったら、やがて買う人がいなくなるので

不動産価格は暴落します。バブルの崩壊です。

その結果、サブプライムローンを組んでいた低所得者層は、担保不動産を売ってもローンを

返済出来なくなりました。おカネを貸していた住宅ローン専門の金融機関は大量の不良債権を抱え、

次々と潰れました。問題は、それら住宅ローン専門の金融機関は、ローンという債権(おカネを回収する権利)

を、債券(「券」の字が違うことに注意して下さい)化して他の金融商品と組み合わせて、

アメリカの大きな金融機関や、世界中の投資家(日本の銀行もいました)に買わせていました。

しかし、ローンが回収できなくなったら、つまり貸倒になるんですから、その権利を紙にしたものも

価値がなくなり、価格が暴落しました。これらを買っていた(投資していた)世界中の投資家が

巨額の評価損を出しました。リーマン・ブラザーズが潰れたのも、もとはと言えばその所為です。


そして、世界中の投資家が、サブプライムローン関連商品を買ったのは、格付け会社が

これら証券化されたサブプライムローンにAAA+を付与していたのも一因です。


AAA+を付与しておきながら、スタンダード&プアーズは、リーマン・ショックの前年2007年11月、

ある債券に対する格付けをAAAから一気にCCC−まで18段階引き下げました。無茶苦茶です。

AAA。つまり「債務を履行する能力はきわめて高い。」だったのが、一瞬にして

CCC−(債務者は現時点で脆弱であり、その債務の履行は、良好な事業環境、財務状況、および経済状況に依存している。)

になったら、それは金融市場は売れるうちにその債券を売ろうという人達が殺到し

大混乱になるに決まっています。実際そうなりました。


この時を契機に、「信用格付け会社を監督した方が良い」と、各国政府の意見が一致しました。


◆日本では格付け会社は金融庁の監督下にあります。

少々乱暴に書くと、リーマン・ショック前後の世界経済の大混乱の

大きな要因のひとつに、格付け会社の不適切な格付けと格付け変更が存在していた、

と考えられるのです。

このため、日本では、2009年の金融商品取引法改正で、

信用してもまあ、良いだろうという格付け会社を

金融庁が指定することにしました。指定格付け機関といいます。

スタンダード&プアーズ、ムーディーズを含む6社だけが、一応「まともな格付け会社」

として、認められています。しかし、格付けが不適切だとか、問題がある、と金融庁が

見なしたら、業務停止命令をだしたり、甚だしい場合は指定登録を取り消すことが出来ます。


◆今回の格下げは、政府が増税を正当化するために、わざとやらせたのかも知れません。

長期国債の格下げは、本来、国家の信用力の低下を意味するので、

全然、好ましいことではありませんが、記事の中の与謝野大臣の発言

格下げは(消費税引き上げを)早くやりなさいとの催促だ

を読んで、私は「ははーん」と思ったのです。これは、「やらせ」かな、と。

「茶番」でも良いですけど。

政府の側から、格付け会社と水面下で交渉し、

日本にとって致命的な信用失墜にならない程度に1段階だけ格下げをし、

見通しを「安定的」に維持する(先行き見通し「ネガティブ」というのもあります)。

AからBに格下げされたら、本格的にヤバいことになりかねないので、そうならない程度に

格下げさせておき、国民には、
「消費増税して、一刻も早く財政健全化への道筋を示さないと、更なる信用失墜を招く」

と説明するわけです。そうすると、国民も「仕方ないのかな?」と納得するであろうと。

心理的な効果を狙った、作戦かな?と穿った(うがった)見方をすることが出来ます。

日本国債は大部分日本人が買っています。

また、以前からスタンダード&プアーズは、

「日本国債を格下げ方向で検討する」と言ってましたから、

タイミングは分かりませんでしたけど、スタンダード&プアーズかムーディーズ

の格下げは、予想範囲内のことで、国債の投げ売りで国債価格が暴落し、

金利が急騰する可能性もさほど高く無い(一時的に売りはでるでしょうが)。

菅首相が格下げについてコメントを乞われて、「そういうことには疎いので」と

発言したのを真に受けている人が結構いますけど、疎い訳ないですよ。

あれは「日本国の宰相が、1民間格付け会社の評価でオタオタしない」という

「ポーズ」でしょう。

全て私が勝手に想像した「シナリオ」ですが、当たらずといえども遠からずでは

ないかという気がします。

しかし、家計の可処分所得が増えていないのに、消費税率を引き上げたところで、

税収増が期待できるのか、私は非常に懐疑的です。

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