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JIROの独断的日記
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2007年01月27日(土) 「マーラー交響曲第5番第四楽章 アダージェット」今まで紹介した中で、一番長い曲を聴いていただきます。

◆音楽家への憧れ。

これから書くことは、つい最近、拙ブログを読んで下さっている、プロの弦楽器プレーヤーの方とメールでやりとりしたことです。

その方は、「あっ」と思われると思います。誤解しないでいただきたいのですが、他意は全くありません。

いずれにせよ、いつか書こうと思っていたのです。

ご理解いただければ、幸いです



私にとって、プロのオーケストラプレーヤーは、子どもの頃から「神様」に等しい存在です。

永遠の憧憬なのです。

勿論、プロになられるまでに、私などが想像できないほどの厳しい訓練を重ねられたこと。

音楽家といえども、皆が皆、人格者というわけではなく、随分変った人、意地悪な人すらいることも承知しています。



それでも、子どもの頃、自宅近くの杉並公会堂でファミリーコンサートがあり、終演後、帰途につくオーケストラの方々に

サインをお願いしたときの気持ちがわすれられません。

ただの一度も嫌な顔をされたことがありませんでした。

皆さん、私が差し出す小さいスケッチブックに、喜んでサインを下さいました。

天にも昇る心地でした。



今や、その当時、想像だにしなかった環境が整いました。

インターネットができたおかげで、何処のどなたかは分からないけれど、

正真正銘、私にとっての「神様」と時折、メールなどやりとりさせていただけるのです。

夢。そう。まさに、夢のようです。



今まで生きていて良かったと思います。


◆弦楽器の表現力の大きさは測り知れません。

オーケストラを日本語で管弦楽といいます。勿論管楽器も打楽器も大変に重要な存在ですし、

それぞれの楽器でプロになる、ということは、今までに何度も書いたとおり、大変なことです。

それは、私もヘタクソですが、ラッパを吹きますからよーくわかります。



ですが、オーケストラの心臓部はやはり弦楽器です。弦楽器の表現力の大きさ、広さ、深さは圧倒的です。

かつて、作曲家の故・芥川也寸志さんがテレビで、「自分が作曲科の学生だった頃、オーケストレーション(管弦楽法)の

バイブルは、リムスキー・コルサコフの『管弦楽法』という本だった」とおっしゃっていました。

そこで、私は銀座のヤマハの楽譜・音楽書売り場にノコノコ出かけて、素人の分際で、その本の中身を眺めてみました。

正確に一字一句覚えてはいませんが、概ね次のような記述を発見しました。それは、

作曲家を志す学生には、金管楽器に夢中になる時期、打楽器をやたらと多用したくなる時期、ハープを使いたくて仕方がなる時期などがある。

しかし、管弦楽法の第一歩は、弦楽器の表現力の大きさを正しく認識することから始まるのだ。

という趣旨の文章でした。

私の愚問に、辛抱強くお付き合い下さる、前出のプロの弦楽器奏者も、非常に「我が意を得たり」というご様子でした。

作曲家のみならず、指揮者の多くは、弦楽器を充分に鳴らすことをきちんと考えていないのだそうです。



私が素人の浅知恵で今まで聴いた演奏を振り返ると、弦楽器群の外側(最高音部のファースト・バイオリンと最低音部のコントラバス乃至はチェロ)

は、だれでも気が付くのですが、内側(内声部といいます。主に、第二バイオリンとビオラです)に注意が足りないようです。

普通に弾いたら、聴衆は、内声部が何をやっているか分かりません。

いつも分かる必要は無い、というか、常に内声部だけが目立ったらおかしな響きになりますが、

要所要所で内声部を引き出すことがなかなかできないようです。


◆弦楽器の表現力の極致。マーラーの5番の「アダージェット」

マーラーという人は、ウィーン国立歌劇場音楽監督(当時は「宮廷歌劇場」の指揮者が本職でした。

つまり、小沢征爾さんの大先輩ですが、仕事に傍ら作曲を続け、交響曲だけでも九曲も書いています。

交響曲第五番は(この曲に限らずマーラーのシンフォニーは皆、そうなのですが)、トランペット・ソロで始まり、

トランペットが大活躍するので、その意味でも私は聴いていて興味が尽きないのですが、今日はその話はいたしません。



第四楽章のアダージェットは、ヴィスコンティ監督の映画、「ベニスに死す」で使われてから大変有名になりました。

この楽章は弦楽合奏とハープのみで演奏されます。ぞっとするほど美しい音楽です。

生意気なことを敢えて書きますが、これを聴いて美しいと感じたら、その方はとても繊細な感受性をお持ちです。

とても、静かで、音の動きの速さということで言えばそれはアダージェットですから、速く無いけれども、

指揮者とオーケストラの実力がはっきりと出ます。弾く方は緊張すると思います。



今まで、色々な音楽をここに載せましたが、今日のが一番長い(と言っても、10分強です)です。

最初、退屈に感じられるかも知れませんが、ホンの10分ですから最後まで聴いてみて下さい。

きっと、気に入る方がいらっしゃる筈です。ボリュームは絞って聴いて下さい。

エンピツをお読みの方は、ココログからお聴き下さい。

如何でしたか?

気に入って頂けたら嬉しいです。



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