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JIROの独断的日記
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2005年01月27日(木) 新大久保駅ホーム転落死亡事故は4年前の昨日だった。

◆新大久保駅ホーム転落死亡事故

2001年1月26日 19時15分頃 山手線新大久保駅で、ホームに居合わせた韓国人留学生とカメラマンが、線路に転落した酔客の救助を試みるも、進入してきた内回り電車にはねられ3名とも死亡。この事故を教訓とし、線路上への人などの転落を検出するマットの取り付け、ホームに駆け上がるための非常用ステップの設置、列車緊急停止用ボタンの設置など、駅の安全性を向上させる取り組みが全国的に進んだ。助けた二人には後日感謝状が贈られた。 (Wikipedia)


◆コメント:記録としての日記。

 

人間は、相当悲惨な事件事故が世の中で起きても、それが目の前で起こった現実でないと、驚くほどかんたんに忘れる。

目の前で起きていないのに、テレビなどのメディアを通して知った事実を「疑似現実」というのだ、と大学の教養課程「社会学」で教わった。

つまり、この段落の初めのセンテンスを言い換えれば、「疑似現実は、長期記憶として定着しない」ということになろうか。

疑似現実でも覚えておかなければならない大事な出来事が世の中には沢山あって、それを忘れない、あるいはときどき記憶に蘇らせる「リマインダー」として、日記は有効である。

私が、Web日記を書き始めたのは2002年4月なので、新大久保事件よりもずっと後であるが、それよりも前からローカルでは、日記を書いていたので、思い出したのである。


◆線路に転落した人は泥酔していた。

 Wikipediaは中立的に事実を述べてあるだけで、それはそれでよいのだが、忘れていけないのは、



  • 線路に落ちる人がいなければ、韓国人留学生と、日本人カメラマンは死ななくて済んだであろうこと。

  • 多くの目撃証言などによれば、留学生とカメラマンが助けようとした人は、新大久保駅のホームで、既に傍目にも分かるほど、酔っぱらっていたのにも関わらず、さらに駅の売店で日本酒のカップ酒を買ってさらに、酔い、足元がふらついており、これと、線路に転落したこととの因果関係は、ほぼ明らかであること。

である。

多くの日本人は、アルコールを分解するのに必要なアセトアルデヒド脱水酵素の2種類のうち1種類しか有していない人が多く、これが欧米人(彼らは大抵2種類の酵素をもっている)よりも酒に弱い原因であることは、判明している。

したがって、日本ではアルコールを多飲することによる暴力が、事故が起きやすい事は経験則から明らかであり(私は4年ロンドンにいた。その間、数えきれぬほど、英国人とパブに行った。そして、彼らが信じられぬほど大量のビールやワインを飲むのに、日本人ほど酩酊状態に陥ったり、ましてやそれが原因で喧嘩が始まったのを見たことがなかった)、その極端な場合がこの事故だった、といってよい。


◆それでも今でも駅の売店で酒を売っているのは、一体、どういう了見なんだ?

 

過去の教訓が全く生きていないではないか。

 どうして、今でも駅のホームで酒を売ることを許しているのか、理解に苦しむ。

今日の、正にこの瞬間も日本のどこかでは、酔っぱらいが喧嘩をして人を殴って怪我をさせたり、しつこくカラんで、迷惑をかけているのに違いない。

問題は、彼らの多くは、自分が酒を飲むとどういう行動を起こすか、あるいはその可能性が高くなるかということを承知しているのにも関わらず、「酒の席での失敗」を繰り返すことである。

 「まあまあ、酒のときぐらいはめを外そうよ、そう、カリカリしなさんな」という声が聞こえてくるようだが、さほど簡単に済ませる訳にはいかぬ。

 人間の身体に、「ある程度酔えば、自動的に飲酒をしたくなくなるような仕組み」があればよいのだが、残念ながら、人体にそのような機能は、なさそうだ。
 我々の経験はむしろ、その逆の傾向を認めざるを得ない。。普段から酒癖の悪い人間は酔えば酔うほど、自制が効かなくなる。何かのきっかけがあれば、人殺しさえしかねない。 実際に、人類史上それが原因で人生を棒に振った人間が沢山いる。

 酒席での殺人を、「飲んでいたんだから大目に見よう」と主張する人はまさか、いないだろう。

覚醒剤常用者が、薬が切れて禁断症状が現れると自分は暴れる、と知っていながら、薬を使い続けて、挙げ句に刃物を振り回して人を殺した、というケースで「犯行当時、被告人は、心神喪失で責任能力がなかったから、無罪」と言う判決が出たら、誰もが怒るだろう。

 云うまでもなく、覚醒剤を使い始めるときには心神喪失ではなかったから、である。

翻って、「自分は酒を飲んで他人に迷惑をかける傾向がある」と知りながら酒を飲む人間は(アルコールは、たまたま、現在の日本国の法律で合法とされているだけであり、人間の精神に作用を及ぼす薬物である点に置いては、覚醒剤=アンフェタミン、メタンフェタミンと変わるところはない)、覚醒剤常用者と大差ない。

この問題は、第一義的には、薬物乱用者自身の責任だが、その薬物の販売を駅のプラットフォームなどという危険な場所で禁止しない(高速道路のサービスエリアで禁止しているが、そんなことは当然であり、賞賛には全く値しない)、日本国の怠慢でもある。


2004年01月27日(火) 医師・病院たたきは国家的謀略らしい。
2003年01月27日(月) 「科学的事実」の曖昧さ。

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