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JIROの独断的日記
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2010年08月18日(水) 【音楽】旧東独のトランペット奏者、ルートウィヒ・ギュトラー、「トランペット協奏曲集」

◆旧東独の「国営レコード会社」シャルプラッテン

ベルリンの壁が崩壊し、東西ドイツが統一されたのが1990年10月3日ですから、今年で20年です。

旧東独は共産圏ですから、企業も皆国営で、レコード会社も例外ではなく、シャルプラッテンというレーベルがあります。

そして、旧東独には、ライプツィッヒ・ゲバントハウス、シュターツカペレ・ドレスデン、ベルリン放送響など、

非常に優れたオーケストラや音楽家が多数、存在しました。


アナログ・レコード時代、シャルプラッテンは名盤が多いので評判でしたが、

CD化されてから、音質が今一つだったらしく、クラシック・ファンは敬遠気味でしたが、

2006年から、これをキングレコードが、「ハイパー・リマスタリング・シャルプラッテン・ベスト」として

蘇らせて評判になっていたそうです。

今更、と思う方が多いでしょう。言い訳がましいのですが、私はその頃はまだ病気(うつ病)がさほど良くなっておらず

音楽を聴く気力も無かったのです。それで、「ハイパー・リマスタリング・シャルプラッテン・ベスト」が

次々に登場したことも、最近漸くはっきりと認識しました。


◆旧東独のトランペット奏者でルートウィヒ・ギュトラーという名人がいます。

ルートウィヒ・ギュトラーという人は、アナログ時代から知ってはいましたが、

CDが登場してからあまり聴かなくなっていたので(今から思うと、音質が悪かったのかも)、

忘れていましたが、最近、人に勧められて聴いてみました。

昔の印象が勘違いだったのか、こちらが全く分かっていなかったのか

兎に角ルートウィヒ・ギュトラー氏は非常に上手いです。



そこで、初めてご紹介します。トランペット協奏曲集。



選曲がちょっと通好みなんですが、一つ一つの楽章の演奏時間は、短いです。

それでは早速。


トレッリ(トレルリ):5声のソナタ第1番ニ長調 第1楽章:アンダンテ

トレッリ(トレルリ)(1658-1709)はイタリア・ボローニャのヴァイオリン奏者・作曲家です。

トランペット協奏曲やこのようなトランペットと4声(4つのパート)のための曲を20曲も書いています。


Torelli Sonata a cinque No1 First Movement Andante



如何にもドイツのラッパです。真っ直ぐ、朗々と楽器が鳴っています。

音質が堅めなのが、却って音楽にあっているように思います。

これがフランス人のモーリス・アンドレだったら、ずっと柔らかい音で、

もっとはっきり分かるぐらいのヴィヴラートをかけると思います。

アンドレがダメだと言うわけではないですよ。スタイルが全然違う、と言いたいのです。

そういうのを比べるのも、面白いです。

次の曲に行きます。


ファッシュ:トランペット協奏曲 ニ長調 第1楽章:アレグロ

ヨハン・フリードイヒ・ファッシュ(1688-1758)の生涯は殆どバッハ(1685-1750)と重なっています。

当時は結構、有名だったそうですが、何しろバッハとちょうど時期が重なってしまったのはツイてないですね。

これはとてもトランペットらしい曲です。



Fasch Trumpet Concerto D dur First Movement Allegro



輝かしい音色、正確無比な音程。品の良い音楽性。素晴らしいです。

実は、このファッシュは、本来、ジャズ・トランペッターだけどクラシックも吹く、ウィントン・マルサリスの演奏で以前ご紹介しました。

2009年09月30日(水) 【音楽】10月1日は「CDの誕生日」なんですね。私が最初に買ったCDをご紹介します。ココログ

出来れば聴き比べて下さい。どちらが貴方の好みですか?

同一の曲を色々な(これは二人だけですが)奏者が演奏する。どれが自分の好みか?

こういうのがクラシックを聴く面白さのひとつです。

次の曲です。


グロッシ:ソナタ ニ長調 作品3の10 第1楽章:ヴィヴァーチェ

アンドレアーナ・グラッシという作曲家です。実は私は知りませんでした。

17世紀後半のイタリアのヴァイオリニスト・作曲家ですが、正確な生没年は分からないそうです。


Grossi Sonata D dur Op.3 No.10:Vivace



この楽章の演奏時間は短いですが、相当細かい動きをします。

17世紀にはトランペットに今のような、音程を変える、バルブ・システムが発明されてないので、

ナチュラル・トランペットという単なる真鍮の管で演奏するのは、さぞや難しかっただろう、と思います。

次です。


アルビノーニ:トランペット協奏曲 ハ長調 第1楽章:アレグロ・モデラート

漸く、トレルリと同じように、名前を知っている人の登場です。

これは、トランペット・ソロは勿論見事なのですが、オーケストラの伴奏も、

良く聴いて下さい。オーボエやファゴットが、素晴らしいです。


アルビノーニ:トランペット協奏曲 ハ長調 第1楽章:アレグロ・モデラート



アルビノーニは、過去、オーボエ協奏曲を紹介しました。
アルビノーニのオーボエ協奏曲ってのは本当に綺麗ですよ。お薦めCDあり。

トランペット協奏曲にも、通じる物がありますね。

「これぞ、アルビノーニ」という音があるのですね。


最後です。


ヘルテル:トランペット協奏曲 第2番 変ホ長調 第3楽章 アレグロ

ヨハン・ヴィルヘルム・ヘルテル(1727-1789)は、モーツァルト(1756-1791)と重なってますね。

但し、生前に作品が出版されることは殆ど無く、このようにトランペット協奏曲を発掘する過程で、

漸く日の目を見たのです。



Hertel Trumpet Concerto No.2 Es dur Allegro



ソロ・トランペットには、かなりの高音を要求していますけれども、トランペットという楽器の本質を

良く見抜いていると思います。きっとまだ埋もれたままの名作が沢山、あるのでしょうなあ。

完全に私の好みでまとめてしまいました。朝はゆっくりお聴きになれないでしょう。ご帰宅後に

お聴き頂き、お気に召したら一票を投じて頂ければ、ありがたいです。

それでは。

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2008年08月18日(月) 2日間のご無沙汰(?)でした。/「五輪シンクロ 息ぴったり天才と努力家…鈴木・原田組が銅」←痛快だね。おめでとう!
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