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JIROの独断的日記
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2010年04月24日(土) 【音楽】今年の毎コン(第79回 日本音楽コンクール)課題曲が発表されました。/オーボエ第一予選課題曲聴けます。

◆コンクールが全てじゃないけれど、毎年気になります。

日本音楽コンクールは今年で79回目。

毎日新聞が創設したので、昔は毎日音楽コンクール(略して毎コン)と言います。

協賛とかいってNHKも参入してきたので、日本音楽コンクールに名称がかわりましたが、

クラシックの世界の人は(特に私の世代以上の人は)今だに「毎コン」と呼びます。

79回目ということは、何と戦前に日本の新聞社がクラシック音楽のコンクールを創設した、

ということで、当時としては大変見事な見識です。

いまでも(裏では色々陰湿なことがおきるらしいですが、それはさておき)、日本で最も権威のある

つまり評価に信頼性のある、コンクールです。西洋音楽を輸入してから150年ぐらいしか経っていないのに

日本人はなかなか大したものだと思います。


◆4月23日に今年の課題曲が発表されました。

それは、日本音楽コンクール公式サイトトップページに載っている

各部門をクリックすると表示されます。

作曲、声楽、ピアノ、ヴァイオリンは毎年必ずありますが、その他は毎年変わります。

昨年は、クラリネット部門とトランペット部門でした。

(余談ながら、昨年の各部門の優勝者の演奏の一部が動画のページにアップされてます)


今年はフルート部門とオーボエ部門です。

常設(作曲・声楽・ピアノ・ヴァイオリン)部門の人は、その気になれば2年でも3年でも

連続して受けられますが、その他の部門は数年に一度しか順番が来ない上に年齢制限があるので、

常設部門の人々より、一生のうち、毎コンを受けられる機会(回数)が少ない。

それだけに、自分の楽器の部門が設けられた年には、受けるつもりだった人は気合いが入ると思います。


◆オーボエ部門の第1予選課題曲。ブリテン:オウィディウスによる6つのメタモルフォーゼ

本選の様子はNHKBSで全て放送します。

昨年のを見て唖然としましたが、いまだにやはり、クラシックが好きなひと興味のある人でも関心は、

ピアノとバイオリンなんですね。この二つの部門の本選は初台のオペラシティで公開ですが、大勢、人が入ります。

勿論、出場者の学校関係者や友人、家族がいるのでしょうが、それだけではあれほど席は埋まらない。

私も以前、聴きに行ったことがありますが、一般の聴衆も集まる。


それに対して、クラリネット部門、トランペット部門の本選。

審査員と、恐らく出場者の身内、友人と思しき人以外、誰もいない。ガラガラ。

巨大掲示板にも「トランペット部門の1位なんて、誰でもいいよ」と書いてあり、

私は自分が出場するわけでも、身内が出場する訳でもないけど、悲しくなりました。



逆です。ピアノやヴァイオリンは、いまや、掃いて捨てるほど上手い奴がいる。

乱暴なことを言えば、コンクールなんか受けなくても天才が見つかる。

才能の発掘が遅れていた、管楽器や打楽器に注目すべきです(毎コンに打楽器部門はありませんが)。


というわけで、敢えて、非常設部門、オーボエ部門の第一予選課題曲を載せます(フルートは次の機会に)。


オーボエ部門の第一予選課題曲。

ベンジャミン・ブリテン:オウィディウスによる6つのメタモルフォーゼ Op. 49より第4曲、Bacchus



Benjamin Britten Metamorphoses after Ovid, Op. 49 No. 4. Bacchus



ベンジャミン・ブリテン:オウィディウスによる6つのメタモルフォーゼ Op. 49より第5曲、Narcissus



Benjamin Britten Metamorphoses after Ovid, Op. 49 No. 5. Narcissus



これで、出場者の何を審査するのか良く分かりません。これだけつまらない曲を如何に「聴かせる」ことができるか、

という「解釈」と「技術」でしょうか。因みにCDは、あることはあります。The Art of Brynjar Hoff


コンクールを受けることはプロの音楽家になるための必須条件ではありませんが、

こういうのを聴くと、勿論、私は行きたくても音大などに合格する才能も練習を続ける根性もありませんでしたが、

滅多なことでプロになどなるものではない、という師匠のアドヴァイスが身に沁みます。


コンクールじゃなくても、オーケストラに運良く(滅多に空席はありませんから)入団できたとしても、

音楽でメシを食うということは、どんなにつまらない曲でも「嫌です」とか「弾けません(吹けません)」

ましてや「弾きたくありません」とは言えないんです。苦痛であることも多いだろうと思います。


私には、ブリテンの曲の魅力を理解する感受性がないのでしょうが、どうしても、アルビノーニの方が美しい、

と思えてなりません。


アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調 Op. 9 No. 2 第一楽章(オーボエ:宮本文昭)


Albinoni Oboe Concerto Dmoll Op.9-2 Allegro e non presto



アルビノーニ:オーボエ協奏曲 ニ短調 Op. 9 No. 2 第二楽章(オーボエ:宮本文昭)



Albinoni Oboe Concerto Dmoll Op.9-2 Adagio



CDは以前ご紹介した、ミラノの午后~宮本文昭イタリア協奏曲集です。

私には、どう聴いてもこちらの方が美しい。しかし、「アルビノーニ」では、皆上手くなっているのでコンクールでは差がでないのでしょうか。

コンクールというのも良し悪しである、ということと、何事もプロは大変だ、という当たり前の事を痛感します。

それでは。

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2009年04月24日(金) 【音楽】ベンジャミン・ブリテン 「青少年のための管弦楽入門」(音と映像)
2008年04月24日(木) 「食糧危機の回避、WTOは農業生産国に圧力を=EU委員」←世界的には深刻な食糧危機なのですよ。
2007年04月24日(火) 「<鳥インフルエンザ>宮崎県対策監死去 がん抱え陣頭指揮」←立派な人だ。
2006年04月24日(月) 「脱線事故 周りの言動で心に傷」←「アンダーグラウンド」(村上春樹)がとっくに指摘している。
2005年04月24日(日) 「日本は謝罪した(Financial Times社説)」世界は分かっているのですよ。
2004年04月24日(土) 「独裁者にとって最も恐ろしい兵器とは、何者かが住民たちに正確な情報を提供してしまうことだ」対北朝鮮情報戦略
2003年04月24日(木) 「<ビタミン>55年ぶりに新種を発見 理研研究班」 そもそも、世界で初めてビタミンを発見したのは日本人なのだ。

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