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JIROの独断的日記
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2003年04月24日(木) 「<ビタミン>55年ぶりに新種を発見 理研研究班」 そもそも、世界で初めてビタミンを発見したのは日本人なのだ。

◆記事:
 納豆などに含まれる有機化合物「ピロロキノリンキノン」(PQQ)が、生命活動に重要な新種のビタミンであることを、理化学研究所の笠原和起・特別研究員らのグループが突き止めた。新種のビタミン発見は1948年のB12以来55年ぶりで、世界的に認知されれば14種類目になるという。マウスの実験では、このビタミンが欠乏すると毛並みが悪くなったり、繁殖能力が低下するなどの影響が出る。成果は24日発行の英科学誌「ネイチャー」に掲載された。

 PQQは79年、米テキサス大のグループがその存在を報告し、欠乏した場合のマウスへの影響も知られていた。しかし体内でどんな酵素と結びつき、どんな働きをしているかが不明なため、ビタミンと認められていなかった。

 研究グループはそううつ病に関係する遺伝子を調べる過程で、体内で余ったアミノ酸の一種「リジン」の分解を担う酵素が、PQQとよく結合する構造であることを突き止めた。マウスを使った実験でも、PQQを与えなかったマウスはリジンをうまく分解できず、PQQがこの酵素の働きを補佐していることが分かった。毛並みの悪さなどは、この代謝の異常に起因している可能性があるという。

 人間の場合、PQQの欠乏がなにを引き起こすかは今後の研究課題になる。ただPQQは納豆のほか緑茶、パセリやピーマンなどさまざまな食品に含まれており、ビタミンに詳しい柘植治人・岐阜大農学部教授は「普通の食生活をしていればまず、問題はない」と話している。

◆所感
 最近はサプリメントブームで、一般人もだいぶビタミンやミネラルに関心を寄せているようだが、そもそも、世界ではじめて「ビタミン」という物質を発見したのが日本人である事実はあまり知られていない。

 世界最初の発見は1910年に鈴木梅太郎・東京帝国大学教授が見つけたB1である。当時の日本では脚気(かっけ)が猛威をふるい、毎年何万人もの人々がそのために死んでいた。鈴木教授はその原因がビタミンの不足にあることを突き止めた。

 鈴木博士は、ノーベル賞を受賞できなかった(受賞したのは1927年、オランダのエイクマンとイギリスのホプキンスだった。本来、当然、鈴木博士が受賞すべきだった)が、鈴木博士の発見のおかげで、その後、どれだけ多くの人が命を救われたか、見当もつかないほどである。我々は鈴木博士に感謝しなければならない。

 最初のビタミンB1の発見後、次々と新しいビタミンの存在が確認されている。今は、全部で13種類(コリンという物質を加えて14種類、という人もいる)といわれていた。このたび、再び日本人が新しいビタミンを発見した可能性が高い。

 素晴らしい発見だ。流石はビタミン学の発祥の国である。日本人の基礎科学研究のレベルの高さは昨年のノーベル賞ダブル受賞で改めて認識された。我々はそれを誇りに思ってよいだろう。


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