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JIROの独断的日記
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2010年03月07日(日) 【音楽・映像】3月7日はモーリス・ラベル(1875〜1937)の誕生日。「ボレロ」色々、ほか。

◆ラヴェル=ボレロでは、勿論ないのですが・・・・。

モーリス・ラベルの作品は管弦楽曲だけではなく、ピアノ曲や弦楽四重奏もあります。

本当は色々ご紹介すべきでしょうが、私が「ボレロ」がものすごく好きなので、

殆ど、頭の中では、ラベル=「ボレロ」になってしまいます。

今年は、YouTubeから、いくつか拾いました。


◆1999年、ベルリン・フィル恒例、「ヴァルトビューネ」。指揮はバレンボイムです。

ボレロは10分では収まりませんので、どうしてもYouTubeだと2つのファイルに分かれます。

まあ、無料だから仕方ないですね。

元々ピアニストのバレンボイムが、1999年、ベルリン・フィル恒例のピクニック・コンサート、

「ヴァルトビューネ」(元来、地名です)で演奏したもの。

冒頭のピアニッシモのスネアドラム(小太鼓)から、見事ですね。

ピアニッシモですが、良く楽器が鳴っていて、はっきり聞こえます。

最初にメロディーAを吹くのはフルートですが、首席フルート。

フランス人のエマニュエル・パユですが、フルートの最低音の「ド」の響きが素晴らしい。

曲の後半になるとわかりますが、サブ・コンサート・マスターは、安永徹さんです。


Ravel - Bolero - Daniel Barenboim - Berliner Phil. Pt. 1






後半です。再生開始後1分半あたりで、難しいトロンボーンソロが出て来ますが、

平気な顔で吹いていますね。さすがです。




Ravel - Bolero - Daniel Barenboim - Berliner Phil. Pt. 2







バレンボイムでした。


◆西本智実=ロシア・ボリショイ交響楽団ミレニウムの「ボレロ」

これは、以前掲載したことがありますが、今日はボレロの聴き比べを目的としておりますので、

敢えて再び載せます。商品としては、ボレロ 火の鳥 & 展覧会の絵 [DVD]です。

他の曲もなかなか良いですよ。


BORELO:Tomomi Nishimoto(1/2)





「ロシア・ボリショイ交響楽団ミレニウム」なんて、このDVDが出るまで知りませんでしたが、上手いです。

続きをどうぞ。


BORELO:Tomomi Nishimoto(2/2)







以前と同じことをかきますが、テンポの設定と曲の終わりに向けてのクライマックスの作り方が

いいと思います。

余り張り切って、手前でフォルティッシモにすると、曲の最後の最後でそれ以上フォルテに出来ず、

盛り上がりません。


指揮者は、予めそれを計算して指揮をしているわけですが、

実際に音を出すのはオーケストラですから、思っている通りに

オケを導く手腕が、指揮者に求められます。
西本さんは、それを上手くこなしている、という事です。


◆ちょっと休憩。YouTubeで「ボレロ」を検索すると「死ぬほどヘタクソなボレロ」をヒットしますが、あれは合成です。

以前からGoogleや、YouTubeで「ボレロ」を検索すると、「死ぬほどヘタクソなボレロ」という映像が検索結果にでるのです。

今まで無視していましたが、今日見てみました。

デュトワ=モントリオール・フィルの演奏となっていますが、

映像に全く別の(多分何処かのアマチュア・オーケストラのではないでしょうか。)音声を

合成していることが明らかです。

映像と音(管楽器奏者の指の動きと音を比べると歴然としています)が、全然合っていない。

こうことをしてはいけません。ジョークにもなっていない。

モントリオール交響楽団にも、デュトワにも失礼です。

このファイルをアップした人の神経を疑います。


◆カラヤン=ベルリンフィルによる「ボレロ」

これは、1985年のジルベスター(大晦日)コンサートでのボレロです。


Maurice Ravel - Bolero - Herbert von Karajan 1985 - Part I





Maurice Ravel - Bolero - Herbert von Karajan 1985 - Part II






カラヤンが亡くなったのは1989年ですから、これは晩年の指揮で、全盛期に比べると

カラヤンの指揮の動作自体は、小振りになっていますが、かねてカラヤンの持論である、
指揮とはオーケストラをドライブするのではなくキャリーするのだ

という理想に近い。サブ・コンサートマスターに安永さんがいます。

オーケストラが、能動的にカラヤンの音楽的意図を察して、演奏しています。

はっきり言って、後のバレンボイムの時と比べると「気合い」というか「意気込み」が違います。

多分、これを、会場で生で聴いたら、ものすごくオーケストラが鳴っていて、すごい迫力であったろうと

思います。ジルベスター・コンサートでカラヤンが、「ウィリアム・テル」序曲を振った映像があります。

1983年のジルベスターでアップされているのは、最後のマーチだけですが、これほどの「泰西名曲」でも全く手を抜かない

(それはプロだから当たり前なのですが)、カラヤンの指揮を見ていると胸を打たれます。

やはり、名マエストロだったと思います。


◆【番外】ラベルとは何の関係もない。1996年ヴァルトビューネ。アバドの「ウィリアム・テル」序曲

前段で、「カラヤン」「ウィリアム・テル」と書いてから急に思い出したのです。

1996年のヴァルトビューネで、カラヤンの後任の音楽監督を1990年から2002年まで務めた

クラウディオ・アバドが「ウィリアム・テル」を演奏しています。大変楽しい映像です。

DVDは絶盤だと思います。以前YouTubeに載っていましたが、一度、削除されました。

ところが、今、念のためと思い調べたら再びアップされていました。

また削除される可能性が高いので、気に入った方は保存なさることをお薦めします。


余談ですが、この映像なかなか面白いのです。

ウィリアム・テル序曲は、御存知の方も多いと思いますが、

第1部「夜明け」

第2部「嵐」

第3部「嵐の後の静寂」

第4分「スイス軍の行進」

の四つの部分で構成されています。

ご覧になるとわかりますが、ちょうど第2部「嵐」の始まりで、雨がポツリポツリと

降り始めるのを音楽が表現しているところ、再生開始後3分10秒。ヴァルトビューネ(という場所なのです)で

本当に小雨が降り始め、屋外コンサートですから聴衆が傘を拡げます。あまりの偶然に、アバドが笑っています。


もう一つ。

「スイス軍の行進」の始まりは、トランペットのファンファーレですが、そのファンファーレを吹き終えた瞬間、

7分58秒。実に良いタイミングで聴衆の一人が歓声をあげます。日本のネットで用いられる表現を使うなら、
キターッ!

とでもいうのでしょうか。「待ってました!」ということですね。

普段のコンサートじゃなくて、ピクニックコンサートだから良いんです。

アバドは、一瞬驚きますが、すぐに破顔一笑します。この笑顔がいいですね。


Rossini, Guglielmo Tell Overture, Abbado/BPO (1996)





最近、日本の若いクラシック・マニアは、やれブルックナーだ、マーラだ、ショスタコーヴィッチだ

は当然で、珍しい曲ばかりを探し、如何に誰も知らない名曲を見つけるか、に夢中になっている人が多い。

それはそれで結構なことです。

しかし、同時に、この「ウィリアム・テル序曲」の映像と音を見て聴いて、

「楽しい」と感じられる「素直さ」も大切だと思います。

音楽は理屈で聴くものではありません。ヴァルトビューネのお客さんは実に素直でしょ?

西洋音楽の本場、西洋の人々は「ウィリアムテル」を聴いて大喜びしても、幼稚だとか、

恥ずかしいとか、そんな下らないこと、全然思わないですね。

音楽は、楽しいのです。

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