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JIROの独断的日記
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2009年12月13日(日) 行政刷新会議「文科省事業」に対する意見。(実際にメールで送ったもの)

◆【背景】明日が締め切りだが、文科省は行政刷新会議の「文科省関連事業仕分け」に関する国民の意見を募っている。

文科省のサイトに

行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください(平成21年11月16日)

と言うページがある。

現在、政府の行政刷新会議は「事業仕分け」を行っており、文部科学省関係の事業についても以下の表のとおり対象となっております。

この事業仕分けを契機として、多くの国民の皆様の声を予算編成に生かしていく観点から、今回行政刷新会議の事業仕分けの対象となった事業について、

広く国民の皆様からご意見を募集いたします。予算編成にいたる12月15日までに下記のアドレスまでメールにてお送りください

(様式自由、必ず「件名(タイトル)」に事業番号、事業名を記入してください。)。

なお、下記区分で宛先が不明な場合は大臣官房会計課(kaizen@mext.go.jp)までご送付願います。

いただきましたご意見や個人情報等につきましては、文部科学省ホームページプライバシーポリシー

(※「文部科学省ホームページプライバシーポリシー」へリンク)により取扱います。

なお、ご意見に対して個別には回答いたしかねますので、その旨ご了承願います。

今まで気が付かなかったのが迂闊だった。

しかし、締め切りは12月15日である。あと24時間も時間がある。

一人でも多くの方に勇気を出して意見を送っていただきたい。私も勿論書いた。

まず、行政刷新会議が「芸術」をどのように考えているか。

番号4。文化関係1−独立行政法人日本芸術文化振興会にかんして、事業仕分けの結果・評価コメントは
予算要求の縮減(圧倒的な縮減)

となっている。評価コメントの内容は次のとおり。


評価コメント 芸術家の国際交流:予算要求の縮減より抜萃。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足でばらまきの批判をおさえられるものではない。

●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

●芸術創造・地域文化振興事業は廃止。他は合理化すべき。

●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

●すべて地方へ集中。


◆意見:日本芸術文化振興会に対する評価コメントへの反論及び予算の圧倒的削減への圧倒的反対。

行政刷新会議の本件担当、中川正春・後藤斎両氏にまず伺いたい。

あなた方は、コンサートホールやオペラハウスに足を運んだことがあるか。

芸術に感動し、涙を流したことがあるか。それが人間にとって如何ほど貴重な経験か分かるか。

答は聴かなくても分かっている。


以上は感情論である。しかし、感情論を廃しても、なお、評価コメントは意味を為さない。その理由を申し述べる。

●文化の振興という数値では図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足で(後略)

文化の振興の効果を数値では図れない事業とみとめながら、効果説明が不足であるとは、どういう意味か。

文化の効果をどのように客観的に説明するというのか。音楽、演劇、舞踊、美術、凡そ芸術に「効果」と呼ぶに値するものがあるとすれば、

それは、受け手(観客、聴衆、鑑賞者)の主観である。感動である。感動の程度を数値で説明することはできない。また、その程度は文化の受け手により、

千差万別である。どのように説明すれば、「十分な説明」だというのか?


次。
●芸術・文化に国がどう税を投資するか明確な説明がなされない。縮減やむなし。

「投資」という概念が誤っている。文化や芸術は株や債券等の金融商品ではない。投資という言葉は「リターン」を期待している。

芸術に税金を投じて、経済的なリターンをもとめるものではない。ただひたすら与え、支える。欧米諸国の政府は、オペラハウスに税を投じて、

「儲かる」とは考えていない。優れた、文化・芸術に敬意を払うことが、その国家の教養を示すのである。

儲からないから、税金は出さないなどという無教養な先進国は世界で笑いものになるだろう。


次。
●国が子どものためだけに事業をすることは必然性に欠ける。中心は地域での取り組み。

なにも分かっていない。優れた芸術的才能は、子供に見出される。

大人になってから、見出しても遅い。よって、子供のために「事業」をすることは、芸術的観点からは必然である。

そして、子供の芸術的素養を磨くためには優れた指導者が必要である。

これこそ、国家の威信をもって注力すべきである。

音楽を例に取るならば、ヨーロッパ諸国では、国家が、子供に無料、もしくは極めて安価で楽器を貸与し、

一流の教師によるレッスンを受けることを可能ならしめている。それによって、秀でた才能を育成することが可能になる。

優れた芸術家は、経済的な効果とは無関係に、世界の教養ある人々の尊敬を集めるが故に尊い。小澤征爾氏を見よ。



次。
●芸術創造・地域文化振興事業と子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。

芸術を創造する人間は基礎的な訓練を必要とする。優れた教師は大都市、特に東京に集中している。地方に放り投げるのは無責任だ。
「子どものための優れた舞台芸術体験事業は地方へ。」

事業仕分け担当政務官は余程なにもご存じないようである。優れた舞台芸術体験をするためには、優れた芸術家の存在が不可欠である。

残念ながら、現在の日本で最も優れた舞台芸術家は、東京に集中している。子供達に優れた舞台芸術を体験させるためには、

優れた舞台芸術家を国が計画的に、地方の子供達に鑑賞させるプロジェクトを組むべきである(芸術家を地方に派遣するか、

地方の子供達を東京に招待するか、それはどちらでも良い。ロクにオーケストラを聴いたこともなく、オペラやバレエも見たことがない、

地方行政担当者に、このような仕事を丸投げして、成功する訳がない。


◆結論:芸術文化事業予算の圧倒的削減は、天下の愚策である。

かつて、旧西ドイツの首相を務めた、ヘルムート・シュミット氏は自ら玄人はだしのピアノを弾く音楽愛好家だが、

ニューズ・ウィーク誌に対して、次のような趣旨の発言をしたことがある。

現在、ドイツをはじめ、ヨーロッパ各地のオーケストラで、多くの日本人音楽家が活躍している。

彼らは、日本の如何なる政治家、外交官、財界人よりも、欧米人が日本人に対して抱くイメージを向上させることに貢献している。

少しはお分かり頂けるだろうか。予算を配分したところで、数値で効果を測定できない、対費用効果が計算できない。

芸術をそのような観点から軽んじるべきではない。

今一度繰り返すが、芸術の振興をおろそかにする国は、国際社会で、文化的な他国から嘲笑されるだろう。

芸術を振興すること、芸術家を育成することに、日本国はこれまで以上に注力するべきである。

そのためには予算の圧倒的削減どころか、圧倒的拡大が必要であると思料する。

以上。(東京都○○○区○○○○)

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