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JIROの独断的日記
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2004年12月13日(月) 「ヤフーBBの顧客情報6500件流出 最大8万6000件流出か」 Yahoo!のトップページには謝罪文一つ載っていない。

◆記事:ヤフーBBの顧客情報6500件流出 最大8万6000件流出か

 

インターネット接続サービス「ヤフーBB」を運営するソフトバンクBBは13日、ヤフーBB会員の個人情報約6500件が流出していた可能性があると発表した。新潮社と光文社に持ち込まれたことから分かった。新潮社からは別に「約3万件を入手した」との連絡もあり、これらの基になっている約8万6000件のデータ全部が流出していた恐れもある。

 個人情報は氏名、住所、携帯電話番号などで、11月に日経BP社へ持ち込まれた約900件を含んでいた。ソフトバンクBBのデータベースから流出したかどうかは「まだ断定できない」として、顧客への個別連絡などはしていないという。

 今回の約6500件は、昨年3月時点のヤフーBB会員情報と一致。約450万人分が流出して起きた恐喝未遂事件より前の時期のもので「(事件の名簿の)二次流出ではない」という。事件前のセキュリティーが不十分な時に、別の流出があった可能性がある。

 同社は独自に原因究明し「必要があれば法的措置も取る」としている。(共同)


◆コメント:NHK不祥事より、こちらの事件の方が危ないのですよ。

 

最初に断っておきますが、私自身はヤフーBBと契約していないし、身内にNHK職員がいるわけではないのです。

 以下に述べるのは第三者としての、見解です。

 NHKのプロデューサーが番組制作費を使い込みして、NHKは反省番組を放送るらしい。勿論、客から預かった受信料を使い込んだのだから、とんでもない話です。

それでも、ヤフーBBの顧客情報流出に比べれば、事件の深刻さはさほどではない。視聴者の生命・財産に危害が及び訳ではないからです。

NHKに抗議の電話が殺到しているという記事は目にするけれども、ソフトバンクに抗議の電話が殺到しているという話は、少なくとも私は知りません。

逆です。ヤフーの方が、余程危険だ。

 考えてみて下さい。

 自分の住所、実名、電話番号が悪い奴の手に渡っているかも知れないのです。日本人とは限りません。それによって、貴方になりすまし、貴方の財産を勝手に使われてしまう可能性があるのです。危険は無限大です。財産ならまだ、いいです。自宅の住所を知られているのですよ?夜中に襲われるかも知れませんよ。そうでしょう?

 確率は低いでしょうが、そういう問題ではない。

この稿を起こす直前にYahoo!Japanのホームページを見てきましたが、何事もなかったかのようでした。

 ページの一番下の「会社概要」→「プレスルーム」→Yahoo! BBへ辿り着いて、やっと「情報流出事件のお詫び」と書いてある。

当然冒頭に引用した記事に関連したことが書かれていると思ったら、日付は、2004年6月21日でした。

 昨年3月からの情報流出事件に関する報告の続きなのですが、これはこれで実にいい加減で、正確に、何人の情報が、どこに消えたのか把握するのは不可能です、と開き直っている。


そして、あきれかえるのは、前の事件の全貌が明らかなならないうちに、また、Yahoo!BBは新規顧客を募っている。とんでもない話です。前の事件が解明されるまで、新規募集は止めるべきでしょう。また、漏れるかも知れないのですから。

尤も、申し込む人はそれでもよい、と判断しているのでしょう。契約の自由があり、両者の合意があるのですから、第三者が口を挟む問題ではない。しかし、敢えて云うが、私なら、こういう会社に個人情報は預けない。

今日だって、いの一番に最高責任者である孫社長(会長か)が記者会見で、謝罪すべきなのに、何もしない。


◆ITの連中は客商売の怖さを知らない。

どうもソフトバンクにしても、ライブドアにしても、楽天市場にしても、IT業界というのは、この辺が甘いね。顧客商売をナメている。お客の信用を失ったときの恐ろしさを分かっていない。

どうして、分からないかというと、顧客=契約者と直接会うことが無いからです。

昔からの客商売というのは、店を構えていて、現実に目の前にお客が来るわけです。

 店員の応対が悪かったり、商品に欠陥が有れば、客が文字通り、怒鳴り込んでくる訳ですよ。下手をすればぶん殴られるわけですよ。

この、人対人、face to faceが基本で、ここで色々失敗をしたり、褒めて貰ったりしながら、仕事に熟達してゆくのが客商売というものなのです。

ところが、ITでしょう?ネットでしょう?

 抗議のメールは来るだろうけれども、メールというのはただの文字ですね?怒鳴り声も聞こえないし、客が鬼のような形相で迫ってくることもない。怖くも何ともない。新規顧客は減らない。だから、懲りない。

ソフトバンクBBは東証一部に上場していますが、顧客情報の大量流出などということは、IT、要するにパソコンが出てくるまではなかったから、それに関する罰則規定が無いのです。もう少し詳しく書くと、

財務内容に関しては厳しい基準がある。これは当たり前で、PCなどよりずっと前から紙の帳簿で貸借対照表と損益計算書を作って、決算して、株主総会で報告していたわけですよ(複式簿記は中世のイタリアが発祥の地です)。だから、こういう事に関しては、熟達のプロに事欠かない。

そして、顧客名簿も紙に手書きだった訳です。

個人情報が流出するといっても、そんな、何百万人も漏れようがなかったですよ。それだけ顧客台帳を盗もうとしたら、トラック何台も必要になる。物理的に無理です。

西武鉄道といえども、粉飾決算が明らかになれば、上場廃止となる。

 しかし、今のところ、顧客情報漏洩という項目は、東証(東京証券取引所)が定める上場廃止基準にないのです。

  孫会長が涼しい顔をしていられるのも、そのおかげです。

 実際には、個人の情報が漏れる、というのは大変危険なことです。善意に使用される(見知らぬ大金持ちが貴方の口座に3億円振り込んでくれるとか・・)可能性はゼロに等しく、使われるとしたら、「悪用」される。運が悪ければ、全財産を失いかねない。

それぐらいの、大変な不祥事なのですが、どうもインターネットというのは、物の質感がない。ネットといっても目に見えるものではない。コミュニケーションは専ら文字によって交わされる。

そのため、大失態を犯した会社の経営者、社員、そして、一番怒り狂っておかしくない顧客まで、日本人特有の、結論をボカしたがる性癖とも結びついて「まあ、いいんじゃない?」という態度。大事件に発展しない。

それは勘違いです。これは、本当に大事件です。

くどいけれども繰り返します。

NHKも大事件ですよ。しかし、これから貴方の財産がなくなるわけではないですね?

個人情報流出というのは、その可能性がある、ということです。


2003年12月13日(土) 「我々を今すぐ家に帰してくれ!」「我々は石油と企業の欲望のために死ぬのか!」(米軍兵士)
2002年12月13日(金) 中高年男性の自殺が急増「防止マニュアル」作成へ  待っていられないのでうつ病の症状をここに記す。

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