外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2009年05月17日(日) 【音楽】ファゴットの新星(?)発見。20歳のイギリス人女性ファゴット奏者。

◆ファゴットという楽器。

オーケストラや吹奏楽に馴染みの深い方なら御存知でしょうが、木管楽器で最も低い音域を持つ

ファゴット(fagot←元来、薪という意味だそうで)という楽器があります。英語でいうとバスーン(bassoon)です。

これです。



オーケストラでファゴットの音が前面に出ることはあまり有りませんが、いくつか例を。抜粋ですが、

ビゼーの「カルメン」から「アルカラの竜騎兵」。


ダウンロード LesdragonsdeAlcalaexcerpt.mp3 (572.2K)



これは、最初から長くファゴットが主旋律を吹く、数少ない例ですね。

目立たないことが多くても、ファゴット無しには、始まらない曲もいくつもあります。

チャイコフスキーの「悲愴」がそうですね。

チャイコフスキー:交響曲第6番 「悲愴」冒頭



ダウンロード TchaikovskySymphonyNo6Excerpt.mp3 (444.7K)


地の底から響いてくるような、重厚な低音です。一方、ファゴットは音域が約3オクターブ半と広いので、最高音域は、

ト音記号で書かねばならないほどです。ストラヴィンスキーの「春の祭典」はファゴットの最高音域のソロで始まります。

ピアノでいうなら、真ん中の「ド」のオクターブ上の「ド」です。

ストラヴィンスキー:バレエ音楽「春の祭典」冒頭


ダウンロード RiteofSpring.mp3 (338.0K)



このように、音域によって音色も印象も随分変わる。でも、あまりオーケストラで、

華やかなソロは無い。しかし、大切が楽器です。今日はファゴットのコンチェルトやそれに準ずる、

つまり、ファゴットがソロを華やかに演奏する曲を集めました。


◆ファゴットのための協奏曲集 カレン・ジョーヒガン(fg)というCDを発見しました。

ファゴットを特集しようと思ったのは、非常に上手いファゴット奏者を見つけたからです。

ファゴットのための協奏曲集 カレン・ジョーヒガン(fg.)というCDを発見しました。

カレン・ジョーヒガン(Karen Geoghegan)は英国の新進女性ファゴット奏者で、今回私も初めて知りました。

英語でインタビューを受けているサイトを見つけましたが、2008年、つまり去年19歳、今年、二十歳。

5歳から7年間ヴァイオリンを習ったけど、あまり上達せず、ある時たまたま学校で、ファゴットを見かけ、

今まで何か楽器をやっている人なら誰でも良いからファゴット奏者募集、と書いてあったので、始めることにした、

と、何だかあっけらかんとしていますが、習い始めて7年という割には非常に上手い。

自分でもヴァイオリンを弾いていたときより、ファゴットを吹いたときの方が"comfortable and natural to play"だそうです。

要するに、相性がよく才能があったのでしょう。


ファゴットのための協奏曲集から短いのを3曲お聴き頂きます。

今日は、どれも演奏時間が短いですから、朝、ちょこっと聴いて、

ご帰宅後、ゆっくり聴いて頂ければ、と思います。


さて、まず、ウェーバー。あの「魔弾の射手」「オベロン」のカルロ・マリア・フォン・ウェーバーの、

アンダンテとハンガリー風ロンド Op. 35から「ロンド」をどうぞ。

少しボリュームが大きいかもしれません。


WeberAndanteeRondoungareseForFagotto



ファゴットソロも見事ですが、伴奏するオーケストラの音楽も如何にもウェーバーらしい重厚な響きです。

2曲目は私は、全然知らなかったスウェーデン作曲家、フランツ・アドルフ・ベルワルド(Franz Adolf Berwald)(1796-1868)の作品です。

フランツ・アドルフ・ベルワルド:ファゴットと管弦楽のためのコンツェルトシュトゥックから第3楽章。


BerwaldKonzertstuckforBassoonandOrchestra



ベルワルドはウィキペディアの説明によればヴァイオリニストだそうですが、ファゴットの特性が

大変よく分かっていると思います。

カレン・ジョーヒガン演奏も実に上手いですね。指は回るし、音域によって音質にムラがなく、

一つ一つの音の粒がはっきりしていますね。発音が明瞭で、楽器をよく鳴らしています。



最後に編曲もの。御存知ガーシュウィンの歌劇「ポーギーとベス」から有名な「サマータイム」

ジョーヒガンは、早い曲でテクニックを披露するだけではなく、「ちゃんと歌えるのよ」と言いたそうです。

ファゴットで「サマータイム」?と思ったのですが、まあ聴いて下さい。

ジョージ・ガーシュウィン(1898-1937)歌劇「ポーギーとベス」 - 第1幕 サマータイム(ファゴットと管弦楽編)



GershwinSummertimeForFagotto



ちょっと、私の編集の所為で音が割れているように聞こえるかもしれませんが、

元の録音だと、もっと美しい音です。そして、この曲、ただ真面目に吹いたのでは、「歌」になりませんが、

その辺をこの女の子、よく分かっていて、とても音楽的だと思います。

ソロ・ファゴット奏者、しかも女性は、非常に少ないですが、かなり卓越した才能の持ち主だと思い、

ご紹介しました。

それでは、

【読者の皆様にお願い】

是非、エンピツの投票ボタンをクリックして下さい。皆さまの投票の多さが、次の執筆の原動力になります。画面の右下にボタンがあります。よろしく御願いいたします。


2008年05月17日(土) 「<教育再生懇談会>小・中学生の携帯使用を制限 報告に盛る」←「報告」の詳細はともかくとして子供に携帯は要らないと思います。
2007年05月17日(木) 「南極海:深海に多数の新種生物 国際チーム発見」←生物と言っても色々でして・・・。
2006年05月17日(水) 「日弁連など反対集会相次ぐ 共謀罪めぐり国会周辺で」←共謀罪の刑法体系における論理的矛盾。
2005年05月17日(火) 不世出の名手、モーリス・アンドレ(クラシック・ソロ・トランペット奏者)。
2004年05月17日(月) 「首相『まだ非戦闘地域』 サマワ治安情勢」 日本人の形式主義。
2003年05月17日(土) 「りそなに公的資金注入」超弩級の事態だが、マスコミはやたらと煽らないことだ。

JIRO |HomePage

My追加