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JIROの独断的日記
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2008年12月16日(火) 「イラク空自部隊、撤収を開始」←自衛隊のイラク派遣は違憲である。

◆記事:イラク空自部隊、撤収を開始(NIKKEI NET)(15日 23:56)

イラクの復興支援のため空輸活動に従事した航空自衛隊の部隊が15日昼(日本時間同日夜)、

活動拠点だったクウェートのアリアルサレム空軍基地から撤収を始めた。任務を終えたC130輸送機3機のうち1機が日本に出発。

残る2機も17日までに現地を離れる。派遣隊員約200人の大半も23日までに政府専用機で帰国する。

 年明け以降現地に残って装備の梱包・配送や現地調整に当たる撤収支援部隊も、年度末までに完全撤収する予定だ。

17日には武田良太防衛政務官がクウェートに入り、撤収行事に参加するほかクウェート政府要人と会談する。

2004年3月の活動開始から今月12日の空輸任務終了までの空自の通算輸送回数は821回。

運んだ人員は約4万6500人、貨物は673トンに達した


◆コメント:何度書いたか分からないが、イラクへの自衛隊派遣は違憲でした。そもそも派遣すべきではなかった。

この問題に関して、私は何十回書いたか分からないが、繰り返す。

イラクへの自衛隊派遣は、イラク復興支援特別措置法に基づき開始されたのだが、

正式に小泉内閣がイラクへの自衛隊派遣を閣議決定したのは、2003年の12月9日である。

この時に当時の小泉純一郎内閣総理大臣は記者会見を開いた。その時の発表内容、質疑応答は、

今でも首相官邸ホームページに、今でも載っている。


[イラク人道復興支援特措法に基づく対応措置に関する基本計画について]

質疑応答の最後の部分に注目していただきたい。小泉純一郎は「武器・弾薬の輸送は行わない」と明言している。
【質問】 今回、武器弾薬の輸送は行われるんでしょうか。

【小泉総理】 武器弾薬の輸送は行いません。

【質問】 行わない。

【小泉総理】 行いません。

【質問】 それは、実施要項の中とかで担保されるんですか。

【小泉総理】 そうです。

【質問】 そういうことですか。

【小泉総理】 はい。復興支援活動であります。日本は戦争に行くのではありません。自衛隊は復興人道支援活動に行くんです。

これだけ、はっきりと「武器弾薬の輸送は行いません」と発言したが、実際には、公然と行われていたのである。

それは、空自の自衛官自身が認めている。

以下は、2004年4月8日、共同通信社が報じた内容である。
◆記事:武装米兵の輸送実施 C130、空幕長が認める(共同通信)[2004年4月8日13時26分更新]

【クウェート8日共同】航空自衛隊トップの津曲義光航空幕僚長が空自部隊派遣先のクウェートを訪問。

8日に記者会見してC130輸送機によるクウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していたことを初めて明らかにした。

イラク復興支援特別措置法に基づく空輸が始まって約1カ月。

空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

津曲空幕長は過去の輸送任務について「米兵や(連合軍の)軍属を運んだことはある」と答え、

さらに「武器、弾薬を単独で運んだことはない」と説明。輸送した米兵が小銃など軽火器類を携行していたことも認めた。

これまでの輸送回数や状況については「20回弱の任務を実施したが、(地上からの)攻撃はなかった」と述べ、

武装勢力によるテロはなく安全だったことを強調。タリルやバスラの空港があるイラク南部は「比較的安全」との認識を示した。



改めて説明の必要もないだろうが、自衛隊をイラクに派遣する閣議決定をした2003年12月9日の記者会見で、小泉元首相は、
「武器・弾薬の輸送は行いません」

と云ったのは、ウソだった。何しろ、それからわずか4ヶ月後、クウェートを視察した航空幕僚長が、平然と、
クウェート、イラク間の米兵や連合軍関係者の輸送を実施していた

ことを認めている、米兵や連合軍の兵隊が武器・弾薬を携行していない訳がない。

小泉首相はウソをついていた。初めから、空自のC-130輸送機を派遣すること決めたときから、こうなることは分かっていたに違いない。


アメリカとイラクは戦闘状態にあった。武器弾薬の輸送は戦闘状態にある同盟国(米国)に対する後方支援であり、

武力行使の一部を形成している。従ってこれは、集団的自衛権の行使を禁じた日本国憲法第9条に抵触している。

私は、何度も繰り返し、そのことを指摘した。

2003年12月12日(金)「「武装兵士輸送」を記載=イラク派遣実施要項−防衛庁」←シビリアン・コントロール不在

2003年12月17日(水) なし崩し的に憲法とイラク復興支援特別措置法を無視する首相と防衛庁長官

2004年12月08日(水)  「武装米兵ら1200人空輸 空自機の輸送、全容判明」 ⇔「武器弾薬の輸送は行いません。(小泉首相)」2003年12月9日


一般人の私ですら、空自の活動が違憲であることは、考えれば分かることなのに、

マスコミは全くこれを問題にしなかった。引用した共同通信社の記事。
空自は人道支援や連合軍の物資以外に、兵員輸送も手掛け、コアリション(連合軍)の一員としての立場を築いたことになる。

何が、コアリションの一員だ。そんなことより、日本国憲法に違反した行為であることをどうして大新聞やテレビは批判しなかったのか。

政府の御用新聞・テレビに成り下がったのか。大本営発表をそのまま報じていた、戦争中の新聞と同じではないか。


◆一介の市民である私のみならず、司法が違憲の判断を下している。

法律の専門家ではない、私がいくら主張しても、その信頼性に疑問を抱く方もあろう。

しかし、今年4月、司法(名古屋高裁)が、私のかねてからの主張と全く同趣旨の考えを明らかにした。

◆記事:自衛隊イラク派遣に違憲=兵士空輸「武力行使と一体」−名古屋高裁 (4月17日19時41分配信 時事通信)

自衛隊のイラク派遣は違憲として、愛知県などの弁護士と各地の住民らが国を相手に、

派遣差し止めと慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決が17日、名古屋高裁であり、

青山邦夫裁判長(高田健一裁判長代読)は

「米兵らを空輸した航空自衛隊の活動は戦争放棄を規定した憲法9条1項に違反する」との判断を示した。

派遣差し止めと慰謝料請求の訴えは棄却した。

自衛隊イラク派遣をめぐる同様訴訟は全国で起こされているが、違憲判断は初。

国側は勝訴のため上告できず、確定する見通し。

1審名古屋地裁は憲法判断をせずに訴えを退けていた。

原告側弁護士によると、9条違反を認めたのは1973年の札幌地裁・長沼ナイキ基地訴訟判決以来35年ぶり。高裁では初めて。

青山裁判長は、イラクの現況について「国際的な武力紛争が行われ、特にバグダッドは戦闘地域に該当する」と認定。

その上で空自が2006年7月以降、米国の要請を受け、クウェートからバグダッド空港に多国籍軍の兵士を輸送している点について

「多国籍軍の戦闘行為に必要不可欠な軍事上の後方支援」と指摘し、

「他国による武力行使と一体化した行動で、自らも武力行使を行ったとの評価を受けざるを得ず、イラク特措法や憲法に違反する」と述べた。

因みに、我が国には、憲法裁判(所)がない。ある法律や行為が違憲かどうか、だけを「判決主文」とする裁判は存在しない。

これを付随的違憲審査制という。付随的違憲審査制に関しては、かつて説明した。

2005年10月02日(日)  靖国参拝違憲判決を批判するのは簡単だが、裁判官は命がけなのです。

2005年10月09日(日) 大阪高裁の判決に関して、「傍論で違憲」というのがわかりにくいみたいですね。

これで分かり難かったら、各自、ご自分で勉強していただきたい。

とにかく、4月17日の名古屋高裁の判決文で示された見解はそれよりも前から私が書いていた主張と完全に同趣旨である。


日経の記事は比較的中立的だが、産経新聞は、空自 イラク撤収開始 献身が生んだ「犠牲ゼロ」

などと、空自の現地での活動を賛美・賞賛している。この新聞は本当にバカだから、今に始まったことではないが、

とんでもない話である。

自衛隊をイラクに派遣する根拠となったイラク復興支援特別措置法は強行採決だったが、

その時点から、この国の取った政策は間違っていた。イラク戦争そのものが国際法上違法なのに、

イラク戦争をいち早く支持し、大量破壊兵器が見つからなかったのに(本当は、大量破壊兵器があったとしても、イラク戦争は正当化されない)

「イラク戦争を支持したことは正しいと思っている」と言い続けた小泉元首相は間違っているし、その間違いをキチンと国民に提示出来なかった野党や、

マスコミも、任務を果たしていない。空自の隊員は命令に従うしかないが、

そもそも、航空自衛隊をクウェートへ、陸自をサマワへ、海自をインド洋へ送ったこと、全て間違っている。

最初から、自衛隊をイラクへ派遣しては、いけなかったのである。

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