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JIROの独断的日記
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2008年12月01日(月) 「裁判員通知来た」ブログで公開相次ぐ…氏名・顔写真も←法律の趣旨が分かっていないようですね。

◆記事:「裁判員通知来た」ブログで公開相次ぐ…氏名・顔写真も(12月1日3時3分配信 読売新聞)

裁判員制度の候補者名簿に登録された人が、通知が届いたことをインターネットのブログで公開するケースが相次ぎ、

中には候補者の氏名を特定できるブログもあることが分かった。裁判員法は候補者の個人情報を公にすることを禁じており、

匿名のブログなら大きな問題はないが、個人が特定できるものは罰則はないものの、同法違反と見なされることになる。

通知書が各家庭に届き始めた29日以降、ネット上では通知書を受け取った感想や、

封筒の写真を載せたブログが次々に現れた。ブログで氏名や顔写真を公開したうえで「通知が来た」と書いた男性もいた。


◆コメント:何故、秘密にしなければいけないか。

何だか、皆さん、裁判員になる、ということが、良く分かっていないみたい。

但し、この記事はちょっと説明が不足しています。

裁判員法は候補者の個人情報を公にすることを禁じており

とあります。これは「候補者に関する原則」なんです。

裁判員法は、正式には、裁判員の参加する刑事裁判に関する法律という名前の法律です。

裁判員の個人情報を明かしてはならない、という条文は「第六章 裁判員等の保護のための措置」に含まれています。

第101条の文言(もんごん)は次の通り。
第百一条  何人も、裁判員、補充裁判員、選任予定裁判員又は裁判員候補者若しくはその予定者の氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報を公にしてはならない。

これらであった者の氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報についても、本人がこれを公にすることに同意している場合を除き、同様とする。

(注:太文字は引用者による。)

ネットでは早くも、「俺が裁判員だぞー」と自分でバラしている人がいるそうですが、101条には、
これらであった者の氏名、住所その他の個人を特定するに足りる情報についても、本人がこれを公にすることに同意している場合を除き

とされています。自分が裁判員に選ばれた事を自分で公表するのは、候補者の段階では、確かに禁じられていますが、

裁判が終わったあと、「俺が、あいつを死刑にしたんだぞ」と自分から公表するのは「本人が公にすることを同意している場合」

と、考えられます。ですから読売が
裁判員法は候補者の個人情報を公にすることを禁じており

と書いているのは、間違ってはいないけれど、説明不十分ではないかと思います。

しかし、それでも、自分が裁判員であったことをバラすメリットは全くありません。


◆もしかしたら、あなたは誰かを死刑にするかもしれないのですよ。

どうも、この裁判員制度には、問題があるように思います。

裁判員が関わるのは刑事裁判。しかも、死刑か無期懲役か、というような重大な犯罪に対する刑罰の決定に関与するのです。

刑事事件は、あまりにも時間がかかる、と言われています。しかし、それは刑事裁判で一番大切なのは、事実認定だからです。

本当に被告人が、調書に書いてあるとおりの行為を実行したのか。人を裁くのですから念には念を入れなければなりません。

裁判員制度が始まっても、裁判員だけで判決を決めるわけではなく、法律の専門家である裁判官も関与しますが、

2回か3回の公判で、紙一枚で裁判員に選ばれた人たちは、裁判所が予め用意された分厚い資料を読まされて

(複雑な事実関係を、簡単に理解出来るかどうか。人を裁くのですから完全に理解しなければなりません)、

「はい、それでは、被告人を死刑にしますか?無期懲役にしますか?無罪ですか」

と、判断を求められます。日頃ニュースで凶悪な殺人事件の報道を聞いているとき、私たちは、簡単に、

「こんな奴、さっさと死刑にしてしまえ」とかいいますが、裁判員になったら、目の前の被告人を本当に死刑するかどうか、

本気で考えるのです。一般市民がその心理的重圧に耐えられるでしょうか。そしてもしも本当に死刑になったら、

被告人が兇悪犯だったとしても、あなたがその人物の生命を奪うことに関与したという事実は一生消えないのです。

私は死刑存続論者ですが、こういう判断は、感情を抑制する訓練をした、法律の専門家の仕事だとおもうのです。


◆うっかり、自分が裁判員であることが分かったら、何が起きるか分かりませんよ。

自分に裁判員通知が来たことを自分でネット上に公開するのは、自己責任ですが、

これだけ、ネットで何でも暴かれてしまう世の中です。自分は秘密にしておきたいのに、他のひとにバラされてしまうかもしれません。

きっと色々な騒ぎが起きると思います。今、世間は重罰化を望む傾向にありますが、世間の感覚などはいい加減なものですし、

嫌がらせを無上の喜びとする類の人も大勢います。あなたが関わった裁判で、被告人が死刑執行されたら、きっと、

「お前が、奴を殺した一人だな」

などと、ネット上で中傷される可能性は十分にある。あるいは、死刑にされた被告人の身内から報復されるかも知れない。

実際にそういうことが起きなくても、その可能性がある、という心理的圧迫感により、精神的に参ってしまう人が、きっと出ます。

だから、裁判員に選ばれたことを公判後であっても自ら吹聴するのは、実際に裁判員制度が始まったら、大変危険な行為です。

繰り返しますが、自分は沈黙していても、前述の通り誰かに公表されてしまうかも知れない。

そういうことをよく考え、覚悟を決めないといけないのです。

最後に、一言。

裁判員が関わるのは、一審だけなんですね。被告人が控訴して、逆転判決など出たら、

一体裁判員制度は何のためにあるのか、と、思います。

私には、この制度のメリットが認められません。

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2007年12月01日(土) ベートーベン交響曲全曲(その13)第四番 第一楽章 by 朝比奈隆、カルロスクライバー、カツァリス(ピアノ)
2006年12月01日(金) 「衆院議長:またもや注意 ベルが鳴ったら着席しましょう 携帯禁止、新聞も読まないで」←小学生か。
2005年12月01日(木) 「耐震計算偽造:都道府県による民間検査機関検査、国交省が容認へ」←何でも「民に出来ることは民に」は間違っている。
2004年12月01日(水) 「改正刑法など成立」←同時に成立した「犯罪被害者基本法」に意義がある。
2003年12月01日(月) 小泉首相は説明責任をないがしろにしている。民主主義国家では許されないことだ

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