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JIROの独断的日記
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2008年03月01日(土) Why Japan keeps failing(何故、日本は低迷し続けるのか)The Economist 翻訳/マーチ続き

◆日本の政治家はどう責任をとるのか。

(原文:http://www.economist.com/world/asia/displaystory.cfm?story_id=10723419)

10年前、日本は金融恐慌と経済的破綻の瀬戸際にあった。政治の中枢にいる人々は全く無為無策だった。

彼らは無能呼ばわりされることを喜んでいたわけでは勿論無いが、世界は、この世界第二位の経済大国が世界の早い変化に

付いていけない、と諦め気味だった。当時の本紙の手厳しい記事見出しがそれを物語っている。

「日本が世界を落胆させる驚異的能力」

しかし、最近は、当時のことは、立ち直りつつある日本にまつわる過去の恐ろしい悪夢だと見なされていた。

日本は再び、世界の期待に応えることができるほど立ち直った、と考えられていたのである。


2001年、何やら、やたら、言動が派手で目立つ小泉純一郎が首相に就任し、因習的な政界と、低迷に苦しむ日本経済に

劇的な変化をもたらしてくれるような気がしたのである。

小泉は銀行や他の会社に、不良債権処理を進めるよう、促した。その結果、2002年には景気は好転するかに思われた。

小泉は、また、既得権益の影響力を弱めようとした。農家、国交省、高級官僚など・・・。自民党は過去殆ど半世紀もの間、

これらの勢力の「奴隷」に等しかったといっていい。要するに、小泉は戦後ずっと続いていた自由民主党の「伝統」にケンカを
売ったのである。


日本の有権者は、この小泉のやり方を単純に高く評価し、2005年9月に行われた衆議院選挙で、自民・公明の連立与党に、

驚異的な勝利をもたらした。小泉は1年後に首相を辞めたが、日本経済は近代化に向けた体制が整った、と、皆信じていた。


ところがどうだ。今やまた、「日本は見ちゃいられない」状況に陥っている。株価は下落を続けている。それは昨夏からはじまり、

今年に入ってからは、暴落をつづけ、昨年7月から27パーセントも下げ、完全に底値圏で低迷している。

即ち、2005年9月のレベルであり、20年前の半値未満だ。これは海外の投資家が、かつて無いほど大量に、

日本株を売却した所為だ。どのファンドマネージャーに訊いても「日本にこれほど見切りを付けたのは初めてだ」という。

皆が首をひねるのは、日本のそれ以前の4年間にわたる順調な、年率2パーセントの経済成長を見ていたからである。

直近の昨年10-12月期の実質GDP成長率速報値は、たまたま予想を上回ったが、多くの専門家は、設備投資はやや誇大に見積もられており、

この強い数字が続くとは思われない。改定値では下方修正されるだろうし、次の四半期の数字はもっと弱いだろう、と予想する。

ゴールドマンサックスのエコノミストは1月下旬、
「日本は既にリセッション(景気後退期)に入った」


との見解を表明した。他社は、そこまで断言できないが、(リセッション入り)ギリギリのところだ、と口をそろえる。



政界の混乱も、昨秋以来続いている。小泉の後継者だった安倍晋三は、心身の疲弊を理由に、昨年9月、突如辞職した。

それが、後任の福田首相の政権掌握にも影響を与えている。困難さが増したのは、7月の参議院選挙で野党が過半数を獲得し、

小沢一郎率いる民主党が(参議院では)野党第一党となったが為に、自民党は法案をなかなか通せなくなってしまったことにもよる。


自民党の国会対策委員長、大島理森(ただもり)氏は、
「世界中の投資家や政治家は日本の現状を一目見て、『日本の政治家は法案一つ通せない。それどころか、歩くときも次の一歩を踏み出して良いか、自分では決められない』と思うだろう」

と、嘆く。(続く)


◆【音楽】昨日の続き。バーンスタイン=ニューヨーク・フィルハーモニックによる、マーチです。

ニューヨーク・フィルハーモニックは、歴史のあるオーケストラですが、何と云っても、作曲家で指揮者、

レナード・バーンスタインが音楽監督だった、1958年から1969年が黄金期です。お聴かせするのは、

昨日とわざと同じものを二曲。今日初めてのが一曲です。

昨日のフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルは、謂わば吹奏楽、今日はフル・オーケストラですから、

弦楽器が加わることにより、違った響きになるのは当たり前ですが、それ以上に演奏者の嗜好の違いがあまりにも対照的で面白いと思ったからです。

晩年のバーンスタインは、円熟した巨匠になるのですが、これを録音した1967年は40代でしたから、いささか「若気の至り」(笑)。

いえ、決して悪い演奏じゃありません。では、まず、雷神をどうぞ。

昨日のフィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルをもう一度聴いてから、これ↓を聴くともっと面白いかも(それはご自由に)。

こういうのは、ウルサイと感じない程度ギリギリまでボリュームを上げて聴いた方が楽しいです。


ダウンロード TheThunderer.mp3 (2513.4K)



バランスを考えていないとはいいませんが、後の小太鼓とかがまあ、遠慮せずに、叩く叩く。

レコードですからミキサーが調整しているのでしょうが、現場で聴いたらすごい音量だったと思います。



次は「星条旗よ永遠なれ」です。すごいです。オーケストラならでは。

コントラバスが支える低音の迫力。

パーカッション(打楽器)、全然抑えない(スネアドラム、一人じゃないでしょう)。

トリオのピッコロ。ピッコロというのは楽器は小さいけれど、ものすごく音が透るので、

大抵の指揮者は、このマーチでピッコロに弱めに吹くように指示するようですが、

バーンスタインは、まるっきり抑えません。それどころか、ピッコロ奏者以外、一人か二人か他のフルート奏者に

ピッコロ持ち替えにさせて(この箇所だけです)、フォルテで吹かせています。その響くこと、響くこと。

ダウンロード StarsandStripes.mp3 (3057.5K)



ほとんど、どんちゃん騒ぎですね(笑)。しかし、楽しい。

最後は、エルガーの「威風堂々第一番」(全部で五曲(だったっけ?)書いてるのです)です。

「星条旗〜」がアメリカの第二の国歌、と云われるように、この曲は、英国の第二の国歌、と云われることがあります。

ダウンロード PompandCircumstance.mp3 (5487.3K)



さて、これらは、星条旗よ永遠なれ~マーチ名曲集です。

既にお持ちの方には、[行進曲集]ワーグナー / スッペ / ハンセン / マイヤベーヤ / レハール / 他 ヘイマン / スロヴァキア・フィルをお薦めしたいです。

かなり、珍しいのも録れてありますが、退屈な曲がありません。これについては、また、いつか。

それでは、今日はこれにて失礼します。

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