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JIROの独断的日記
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2007年07月31日(火) 「<安倍首相>赤城氏留任させず…9月改造で示唆」←そういう小手先の手を使ってもダメなのですよ。

◆記事:<安倍首相>赤城氏留任させず…9月改造で示唆(7月31日20時44分配信 毎日新聞)

安倍晋三首相は31日夜、参院選での自民党惨敗を受け、党総務会で赤城徳彦農相の即時辞任か更迭を求める声が出たことについて

「赤城大臣も含めて人心を一新していく」と述べ、9月に予定する内閣改造・党役員人事で赤城農相を留任させず、

事実上更迭する意向を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。


 また首相は、役員人事を改造と切り離して先行実施すべきだとの一部の意見について「基本的には同時にやりたい」との方針を表明した。

早期の体制立て直しのため、8月中の実施を求める声に対しては「熟慮断行していきたい」とだけ述べた。

松岡利勝前農相、赤城農相と閣僚に「政治とカネ」の問題が相次いだことから、首相官邸は改造に際し、

対象者の身辺調査をこれまで以上に入念に行う方針。首相は政治資金規正法の再改正を検討する意向で、

自民党案を8月中に取りまとめる方針を示していることから、首相補佐官も含めて人選を慎重に進める考えだ。


◆コメント:部下に責任を負わせて、責任逃れする上司、ということですね。

昨日も取り上げたが、首相は30日の記者会見で、「全ての責任は自分にある」を繰り返しながら、

「政権の基本路線は多くの国民に理解されており、間違っていない」

という、殆ど支離滅裂、意味不明、言語道断、厚顔無恥な発言をしていたが、その滅茶苦茶さがこのニュースにも出ている。

赤城農相の事務所費問題など、安倍政権の問題の本質ではないが、一応説明する。

故・松岡前農相が事務所費の不正計上で、追い詰められて自殺した後、

よりによって、全く同じたぐいの、不正事務諸費計上の疑惑を抱える赤城農相を、良く調べもせずに

後任の農水相に推したのは安倍首相である。
「全ての責任は自分にある」

というからには、まず赤城農相を指名した自分が、宰相の座を譲らなければ、筋が通らない。

いずれにせよ、赤城農相などというザコは問題の中心ではない


◆国民は「政治とカネ」問題だけで与党を見捨てたのではない。

安倍政権は、要するに小泉のバカの一つ覚え、「改革を止めても良いのですか?」をしばしば口にする。

改革、改革って、一体何が改革されたのか?前回の衆議院選挙で自民党が大勝していらい、「格差」が殆ど流行語になっているではないか。


小泉が改革と称して「自民党をぶっつぶす」と云っていたのは、天下国家の為ではない。

師匠である、故・福田赳夫の仇敵だった、故・田中派の流れを汲む(途中枝分かれしているのだがややこしいから省く)勢力を

徹底的に叩き潰すのが目的だったのである。

郵政民営化は、アメリカからプッシュされたこともあるが、特定郵便局長会が、旧田中派の強力な支持層だったからである。

橋本龍太郎も潰されたが、田中派から枝分かれした経世会(故・竹下登元首相)の出身者だからである。

つまり、小泉は、日本国の未来を憂うようなことを云っていたが、その実、私怨を晴らすために「改革」の大義名分を振りかざしていたのである。

だから、田中派を駆逐した今、ヘラヘラと機嫌が良く、日本などどうなってもいい男なのだ。


◆安倍首相の最大の失敗は、「小泉改革路線」をそのまま継承したことである。

小泉政権末期、「格差」という言葉がしきりにマスコミで取り上げられるようになった。

格差が広がったのは、小泉政権の経済政策の失敗によるものだ。

小泉政権発足時の課題に「財政再建」(健全化)があった。二つの方法があった。

一つ目は、政府が歳出を増やし、経済を活性化させて、税収を増やす方法。

もう一つは、逆に、歳出を減らす方法。

小泉、竹中(経済財政担当大臣)は、歳出を減らす方法を選んだ。

財務省の予算には義務的支出と裁量的支出という区分がある。

義務的支出とは、生活保護、年金、など社会保障支出。

裁量的支出とは、財務省の「予算配分権限」すなわち、利権に直結する部分である。



財務省が守りたいのは、「公共の福祉」つまり「国民の幸福」ではなく、自分たち官僚の利権である。

利権とは天下り先を確保することである。もちろんそれは、どの役所でも同じである。その大元をにぎっているのが、財務省である。

財務省は裁量的支出は減らしたくないので、利権とはあまり関係がない義務的支出を減らした。

義務的支出は制度によって支出額が決定されるので、どの企業に有利なようにという談合が出来ない。利権には関係ない。だから減らした。

対象となったのは、生活保護、高齢者医療費、障害者の自己負担額(の増加)、そして義務教育費の国庫負担である。


役人の天下りを確保するため、弱者が切り捨てられていく。これが今の日本である。

選挙期間中、多くの自民党の大物が「改革を止めても良いのか」と叫んでいた。

小泉は「改革の為に痛みに耐えて欲しい」と云ったが、国民はいつまで経っても痛いばかりで、痛みに耐えただけの見返りがない。

今回、自民党が大敗を喫した要因の一つは、有権者が、「小泉改革はペテンだった」と、直感した為であろうと思料される。

安倍首相はそこのところを全く分かっていないから、

「改革を止めて良いのか!」

と真っ赤な顔をして絶叫する。そうではない。

改革を止めて貰わないと困るのだ。


◆病気なのに生活保護を打ち切られ、「おにぎり、食べたい」と書き残して餓死した人が現代の日本にいるのだ。

そもそも、安倍晋三氏は「生活に窮する」ということが全然実感として分からないだろう。

先週号の週刊ポストの巻頭に、身体をこわして、生活保護を受けていた独り暮らしの男性(元タクシー運転手)が、

如何なる経緯でそうなったのか、生活保護を打ち切られ、食べ物を買えず、

最後の日記に、「おにぎり、食べたい」と書いて餓死した、という話が載っていた。

60年前ではない。今の日本である。

コンビニの賞味期限切れの弁当・おにぎり・サンドイッチは捨てられている。

病気になったのであって、悪いことをしたわけではない。世の中いつの時代にも、気の毒な人はいる。

改革を進めた結果、そういう弱者は死んで下さい、という国になってしまったのである。

それが自民党歴史的惨敗の最大の背景です。

安倍晋三内閣総理大臣。少しは、お分かり頂けたでしょうか?

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