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JIROの独断的日記
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2007年06月11日(月) 「週刊現代」を読みましたか?読んでいない人の為に要点を

◆週刊現代6月23日号「三鷹の倉庫にあった!社保庁がひた隠す年金台帳一億件」より。

本当は著作権侵害だが、本件の如き公共の福祉に大きく関係する事柄に関しては、著作権よりも、

参考となる情報をより多くの日本人が知ることの方が大事だと思うのである。


◆要点1:今問題となっている5000万件以外に放置された年金記録が「腐るほど」ある。

情報源は社保庁OBとのこと(つまり、内部告発)。

現在、問題とされている5000万件の年金記録は、社会保険庁のコンピュータに入力されているが、誰のものか分からない記録である。

しかし、そもそも、コンピューターに入力されず、(三鷹)倉庫に放置され、年金の支給に結びついていない納付記録が腐るほどある。

特に、国民年金の「特例納付記録」。

「特例納付」とは、掛け金の納付を忘れるなどの理由により、2年の納付期限が過ぎてしまい、その後気が付いて掛け金を納めたくても納められなくなった人のために、

特別に追加納付を認めた措置で、過去3回、1970年7月、1974年1月、1978年7月からそれぞれ2年間、という条件で実施されているもの。

特例納付は一切、コンピューターに入力されなかった。理由は、

「特例納付をする人は本人の意識が高く、年金の受給手続きを取る際、過去の納付状況について、正確に申告するはず」

だから、役所(社保庁)が、コンピュータの入力対象にしなくても、将来トラブルにならないだろう、という理屈だった(社保庁職員)。

ところが実際は、社保庁の記録管理が杜撰で、特例納付の記録が多数紛失している。

このため、年金を受給したい人が正確に申告しても、照合出来ず、年金を支払えない、と断られるケースが続出している。

社保庁OBによると、特例納付記録をコンピュータに入力しなかった本当の理由は、
「面倒くさかったから」

とのこと。


◆要点2:社保庁は、なんと「手書き台帳を捨てて良い」という通達を何度も出している

手書き台帳を、職員のミスで捨ててしまった場合ですら、言語道断だが、驚くべき事に、社会保険庁の上から、

「記録を捨てて良い」という通達が何度も出ているのだそうだ。



厚生年金は1985年9月に当時のトップ正木馨長官が出している。

国民年金は、その12年前、1973年1月、社会保険庁・業務課長名で出ている。

「国民年金被保険者台帳(旧台帳)の廃棄について」(73年1月19日付)には、

「台帳についてはその活用頻度、保管場所等を勘案して、昭和48年1月以降、廃棄して差し支えない」

と書いてあるそうだ。


◆要点3:その他、コンピュータに入力されていない膨大な件数の納付記録

それが、三鷹の倉庫に保存してある(倉庫の場所を地図で示すと、ここになる)というのが、

本当であるとすれば、週刊現代のスクープなのである。

この放置されている対象者は、
1957年10月1日以前から厚生年金に加入していたが、1957年10月1日時点では、会社を辞めるなどの理由で厚生年金の被保険者では無かった人

である。当時は今よりも一層官僚的形式主義がはびこっていたから、

基準日に厚生年金被保険者ではない人間は、それ以前にいくら掛け金を納付していようが、コンピュータに入力する必要無し、と判断された。

社保庁のコンピュータ入力作業は、この1957年10月からの数年間(第1期)と、1979年から1990年まで(第2期)に分けられる。

先日から、騒がれている「宙に浮いた5000万件」は後者(第2期)に関する話である。

上述の1957年10月1日時点で被保険者で無かったために、入力対象から外れた人々は、第2期では忘れ去られ、入力されなかった。



というわけで、週刊現代の記事が事実とすれば、社保庁のいい加減なデータ管理は、何と半世紀前から始まっていたのである。

その間、国民は、将来は年金があるから大丈夫だ、と信じ切って、年金掛け金を納め続けていた。

ところが、何の記録も残っていなかった、といって国は年金を払わない。

実は、探しようが無いほど膨大な紙の資料が三鷹倉庫に眠っている、ということらしいね。

安倍晋三内閣総理大臣。何が「美しい国」だよ。国家が国民のカネを横領しているのではないか。

どうしてこんな国に「誇りを持つ」ことができるのですか?

血圧に悪いので(冗談ではない。本当の話なのだ)、これにて擱筆する。

それでは。


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