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JIROの独断的日記
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2007年02月15日(木) 「千の風になって」の演奏は上手くありません。本当に上手い声楽のCDをお薦めします。

◆日本人は、本当に「熱しやすく・・・・・」、ですね。1年前何があったか覚えていますか?

1年前は、トリノオリンピック(2006年2月10日〜26日)の最中でした。

ただ一つ日本がとった金メダルがフィギュアスケートの荒川静香さんでした。

彼女のおかげ(?)であるオペラのアリアが有名になりましたが、

誰が作曲した、なんというオペラの、なんという題名のアリアだったか覚えていますか?



プッチーニ作曲、歌劇「トゥーランドット」第3幕の「誰も寝てはならぬ」(Nessun dorma)でした。

さすがに、読めば思い出すでしょうが、あの頃携帯の着メロだか、着うただか知りませんけど、

それに「誰も寝てはならぬ」を使う人が激増したというニュースを読んだのを鮮明に記憶していますが、

今でもプッチーニを聴いている人、殆どいないでしょうね。


本当に日本人というのは、対象が何であれ、ワーッとブームになったかとおもうと、

あるときプッツリ、何もなかったかのように<忘れてしまうのですよね。

いえ、そのこと自体は良いとか悪いとか言うつもりはありません。言っても仕方がない。

そういう民族性なのですから。


◆あの「歌」(作品)に文句を付けるつもりはないのですが、演奏(歌い方)は上手くないのです。

皆が喜んできいている演奏を、「上手くない」というのは、勇気が要ります。

私は、Web日記を書き始めてから、これで1600本近くになり、音楽に関しても、数百本書いています。

しかし、演奏にマイナスの評価を下す記事を書くのは

大きなお世話ですが、フジコ・ヘミングはヘタクソです。だけです。

つまり、今日が二度目なのです。それほどの覚悟で書いていることをご理解いただきたい。


ピアノやバイオリンなどと異なり、「歌」はただ歌うなら誰でも歌えます。

ですから、客からお金をとって歌を聴かせる「プロ」であるためには、「ものすごく」上手くなければいけないのです。

秋川氏の場合、問題外とは言わないまでも、ごく普通のテノール(テノールかどうか、ちょっと疑問です。高めのバリトンではないかと思うのです)です。


◆喉が緩んでいない。

声楽でも器楽でも上手い人は、全身の力が脱けています。

もちろん、必要最小限の力は必要です。そうでなければ、楽器を持つことはおろか、立っているのも、椅子に座るのも不可能です。

但し、「無駄な」力は身体のどこに入ってもいけないのです。

秋川氏が「紅白」で歌うのを聴きましたが、明らかに「喉」で歌っています。


「当たり前だ」というなかれ。

それは、声帯が振動して声が出るのですが、力が入っています。

このため、「千の風」でも大した音域ではないのに、少し高音になると、苦しそうになります。

あの程度の楽曲は、クラシックの声楽をやったひとなら、技術的には、児戯に等しい。

全然楽に歌えなければならないのです。

CDだと、ミキサーが処理しますから、あまり目立ちませんが、「紅白」で歌ったのを聴いたときにはっきり分かりました。


本人によると、喉のポリープを取る手術を受けたことがあるそうですが、とんでもないことです。

のどにポリープが出来るのは、無駄な力が入っているなによりの証拠で、クラシックの声楽家としては、恥ずかしいことなのです。


◆「日本クラシック音楽コンクール」は、日本一権威のある「毎コン」(日本音楽コンクール)ではありません。

日本音楽コンクールという日本最高の権威を誇る、通称「毎コン」については、過去、何度か書きました。



音コン本選たけなわ

「ここ一番」で実力を発揮する、ということの厳しさ

「日本音コン:ホルン本選会、大野雄太さんが1位」←プロが毎コン受けるのは立派ですよ。


など。

これに対して、日本クラシック音楽コンクールを見て驚きました。

「小学生の部」から「一般の部」まである(毎コンは、本気でプロになる人しか受けません)。

課題曲がない。自由曲だけ。

予選、本選、全国大会の3回のみ、この3回同じ曲でも構わない(!)。

「審査員募集中」と、書いてある。


こりゃ、コンクールといえるかね・・・。

秋川氏が金賞を取ったのは、クラシック音楽コンクールですからねえ。毎コンは受けたことすらない。

ということで、普通のあまり上手くないテノール(ということにしておきますが)だと思います。


◆お薦め声楽CD。ペーター・シュライアー、フィッシャー・ディースカウ、ジェラール・スゼー、ヘルマン・プライなど。

女声も含めるならば、それは、私は、ソプラノの森麻季さんは世界最高水準の音楽家です。

の森麻季さんを大推薦しますが、ここは、テノール、乃至、男声の本物。

押しも押されもしない、世界の超一流(既に故人も多いけど)のCDをいくつか御紹介します。

これが、「声楽」というものなのです。

菩提樹/シューベルト歌曲名曲集。女声アーメリングも入っていますが、フランス人のスゼーという往年の名歌手です。実に美しい。曲も小品ばかりで聴きやすいです。


ヘルマン・プライも知らなかったらクラシックファンとしては、モグリ。超一流です。

テノールのペーター・シュライアーです。実に柔らかいのによく通る声です。以前、カラヤン・ベルリンフィルが日本で第九を演ったとき、テノールのソロはこのシュライヤーでした。

最後は、20世紀を代表する名歌手、ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウの、またシューベルトですけどね。

あまりに美しいので、ひっくり返ってしまったよ。私は。


こういう人たちの超一流の演奏を聴くと、耳が肥えてきますよ。お薦めです。

それでは、また。

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