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JIROの独断的日記
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2006年10月21日(土) 「N響 北米公演、最初のLAでスタンディング・オベーション」←どうして、こういう「いい話」を伝えないのかね。

◆御礼:夢の途中、気に入っていただけたようで、嬉しいです。

昨日は随分、アクセスしていただきました。

著作権は勿論侵してはならないのですが、こういうとき、実に悔しい。

全曲通してお聞かせしたいのですけどね。さすがにできない。

若干訂正しますが、映画の主題歌としての「セーラー服と機関銃」は、それ以前から存在していた「夢の途中」とは、

殆ど同じですが、一番の歌詞が若干違うことに気が付きました。

いずれにせよ、良い歌だとおもいます。音楽は不思議です。

1オクターブの中で、あれほど切ない歌ができてしまうのですね。

所謂「さび」の前の部分、「夢の途中」の歌詞でいうと、

今を嘆いても、胸を痛めても、ほんの夢の途中

というところは、最後の音を除いてみると、移動ドで書くと、「ラララ、ラシドシラ」の反復なのです。

わずか1音半の音域で、同じ音型を3回繰り返しているだけなのに、それが、たまらなく胸に迫ります。

本当に不思議です。まだ、曲は下に貼ってありますから、よろしければ聴いてみて下さい。

エンピツをご覧の方はこちらから

ホンのサワリだけですが・・・。


◆記事:N響2006年 アメリカ公演 現地リポート10月14日

NHK交響楽団は、現在、アメリカ公演を行っています。

今回はまず西海岸のロサンゼルス、サンフランシスコ、そして東部に移りフィラデルフィア、ニューブランズウィック、

ボストン、パーチェス、最後にニューヨークと、7都市で7公演を、音楽監督ウラディーミル・アシュケナージさんの指揮、

ソリストにフランスの人気女性ピアニスト、エレーヌ・グリモーさんを迎えて行います。



N響アメリカ公演一行115名は、去る12日夕方、新東京国際空港(成田)を全日空機で出発、

日付変更線を越えて同日の昼にロサンゼルス空港に降り立ちました。

この時期、当地は朝夕は少し冷えますが、昼間は歩くと少し汗ばむぐらいで暖かく快適です。

アメリカ公演最初は、そのロサンゼルスで10月14日14時から、マチネー・コンサートとして行いました。

会場は、ウォルト・ディズニー・コンサートホール。

N響の客演でも評判の高いエサ・ペッカ・サロネン率いるロサンゼルス・フィルハーモニー管弦楽団の本拠地として、

2003年にダウンタウンの中心地にオープンしました。

このホールは、アニメーション映画の王様ウォルト・ディズニーの未亡人リリアン・ディズニーさんが、

ロス・フィル専用ホールの建設資金にと寄付したことから、この名前が付けられたものです。



そのディズニー・コンサートホールに、ほぼ満席のお客さまがお見えになりました。

曲目は、前半がグリモーさんのソロでブラームスの「ピアノ協奏曲第1番」です。

グリモーさんはフランス生まれですが、ドイツ・ロマン派音楽を得意としており、

とくにブラームスのこの曲はCDもリリースされ、評判になっています。

彼女の端正で真摯な演奏に、会場はブラボーの声とともに大きな拍手、そしてスタンディング・オベーションとなりました。



後半は、ドビュッシーの交響詩「海」とエルガーの「変奏曲『なぞ』」。

「海」では、アシュケナージさんがイメージする色彩的で変化に富む音の綾を楽員が見事に応えていました。

「なぞ」はエルガー自身が創作したテーマと14の変奏から成る作品です。これらの変奏曲は、エルガーと関係の深い人々を描いており、

それぞれの人物像をアシュケナージさんはきっちりと表現していました。

最後の変奏曲はエルガー自身を描いたものですが、このホールの重低音から繊細な高音まで出せるちょっとユニークなデザインのパイプオルガンが加わり、

洒脱なエルガーの作品を盛り上げていました。

演奏が終わるや否や、会場から万雷の拍手が沸き起こり、やがてブラボーの嵐、そしてスタンディング・オベーションへと変わっていったのです。



N響アメリカ公演、初日のロサンゼルスでは、こうして大成功のうちに終了。

ふだんロス・フィルを聴いているアメリカ人のお客さまからは、
「N響の精緻でエネルギッシュな演奏に感激した。ロス・フィルよりすばらしいところがたくさんある。」

と、うれしい感想をいただきました。


◆コメント:どうして、「良い話」を伝えないのかなあ・・・。

私は、以前から何度も書いているのだが、マスコミは、世の中の悪い面を優先して報道する。

マスコミが伝えるのは、現実の世界で起きていることの、一部に過ぎない。読者にとっては疑似現実である。

勿論、「悪い話」の報道が不要だとは、言わない。「北朝鮮核実験」の話が全く国民に伝わらないのでは困る。

だが、現実には「良いこと」、「善い行い」、「めでたいこと」も起きているのに、

それらを伝えないと、国民は「世の中良いことは全くない」という錯覚に陥る。精神的に不健康だ。


◆N響は今年の6月、韓国公演を行い、やはり大成功だった。

詳しくは、N響ソウル公演、大成功。←やはり芸術は偉大です。に書いた。

様々な雑誌や本が、韓国人は全員、日本人を嫌っているかのごとき印象を読者に与える記事を書く。

しかし、マスメディアが伝える情報は「彼らが選んだ、現実のごく一部」であることを忘れてはならない。

メディアの言うことが本当なら、そもそも韓国人が日本のオーケストラのチケットを買う訳がないし、

公演の最中に舞台に飛び乗って、楽員をぶん殴るような輩がいてもおかしくないはずだが、

そんなことはただの一度も起きていない。



話を今進行中の北米公演に戻す。

今日(21日)はニューヨーク公演をしている筈で、明日か明後日のニューヨークタイムズの音楽論説委員の演奏会評

(NYタイムズの首席音楽評論家の権威は日本では想像できないほどである。またそうなるだけの実力がある。

専門家と同じぐらい音楽を勉強した、音楽専門記者が書くのである)が楽しみである。


◆音楽家がどれほど「国際貢献」しているか、政治家も役人も、マスコミも国民も分かっていない。

N響は今から46年前、1960年に初めての海外公演(殆ど世界一周と言って良いぐらい)を行った。

はっきり言って、今のN響よりは、メンバー一人一人の技術は低かっただろう。

しかし、決して大げさではなく、このとき、世界は「驚嘆」したのである(英語で言えば、be surprised at ではなくbe astonished atという感じだったらしい)。

「日本にこんなに上手いオーケストラがあったのか!」

ということである。それで、西洋人の日本人を見る目がだいぶ変った。

旧西ドイツのヘルムート・シュミット首相は自ら玄人はだしのピアノを弾くが、

かつて、Newsweekの取材に応じて、
「ドイツのオーケストラで活躍している多くの日本人演奏家は、日本のどんな政治家、外交官、財界人よりも、日本人のイメージを向上することに貢献している」

と断言した。そういうことを日本の中枢部の人間もマスコミも全く分かっていない。


◆外国へ行って戦争する国になって、尊敬されるわけがないだろう。

憲法を改正し、集団的自衛権の行使を可能にして、日本を戦争ができる国にする、と今の内閣総理大臣は言う。

しかし、「国際貢献」と称して、自衛隊を海外へ派遣してアメリカの人殺しの手伝いをしても、誰も尊敬してくれない。

人を殺して尊敬された国はない。

尊敬されたいなら、美しい芸術を創る、或は演奏する、優れた芸術家を育てるべきだ。

岩城宏之さんのおかげで、戦争中、日本人に身内を殺されたオーストラリア人が、日本人への恨みを忘れようと決心したエピソードがある。

是非、ご参照いただきたい。



自衛隊を海外に派遣するなら、まず、陸海空の自衛隊にそれぞれ上手い音楽隊があるのだから、彼らを派遣してはどうかね?

安倍内閣総理大臣も他の政治家も、そんなことを考えてみたこともないだろうが。


2005年10月21日(金) 「ショパンコンクール、本選に日本人4人残る。」←世界中から集まった300人以上から本選に進んだのは12人。うち4人が日本人
2004年10月21日(木) グスタフ・マーラー「交響曲第5番嬰ハ短調」1902年10月19日、初演。
2003年10月21日(火) 民主党の「マニフェスト」と自民党「2004年重点政策」を読み比べて気がついたこと
2002年10月21日(月) クラシック音楽二題:アシュケナージ、N響指揮者に。ピアニスト、梯剛之(かけはしたけし)氏、カーネギーデヴュー。

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