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JIROの独断的日記
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2006年09月04日(月) 「『捜査は不当』と反発 助産師問題で産婦人科医会など」←少子化対策をするならば、産婦人科医と助産師の待遇を改善せよ。

◆記事1:「捜査は不当」と反発 助産師問題で産婦人科医会など

横浜市の産婦人科「堀病院」が資格のない准看護師らに出産前の内診をさせていたとして、保健師助産師看護師法(保助看法)違反の容疑で神奈川県警の捜索を受けた事件で、

日本産婦人科医会などは1日、「捜査当局の大がかりな捜査は極めて不当」と反発する見解を示した。

「母体の死亡と看護師による内診は関係がない」との見解を発表したうえで、助産師不足が事件の背景にあると訴えた。

看護師の内診をめぐり、厚生労働省は、保助看法に基づいて「看護師が行ってはならない」とする通知を各自治体に出している。

医会は助産師不足を理由に、医師の指示のもとで看護師にも内診を認めるよう、国に要望しており、対立している。

医会の石渡勇茨城県支部長によると、医師不足の深刻な同県では平成13年から3年間に助産師学校養成所などを卒業した新人助産師54人のほとんどは、病院に就職。

ベッド数の少ない診療所への就職はゼロだったという。

同医会の清川尚副会長は、「(助産師不足を)放置すると、“お産難民”が増えてしまう」として、保助看法の改正を訴えた。(産経新聞) - 9月2日8時2分更新


◆記事2:産婦人科医の不足  (2006年6月15日(木))東奥日報

労働時間が長く、当直や深夜の緊急呼び出しが多いなど勤務環境が過酷で、医療訴訟を抱える割合も高いことなどから、産婦人科を目指す若手医師が大幅に減っている。

さらに2004年、新人医師に指定病院での2年間の臨床研修を義務付ける制度が始まり、これまで派遣を受けていた関連病院での医師不足に拍車をかけているとみられる。


◆コメント:産婦人科医、助産師が気の毒だ。

産婦人科医を希望する医学生が1,000人に50人もいないという記事を読んだことがある。



私の義理の従兄弟が大学病院の産婦人科に所属する、つまり産婦人科の勤務医をしている。

随分前だが、叔母(医者の母親)の家に泊まりがけで遊びにいったことがある。

ほんの数日だったが、学生の産婦人科希望者が少ないのも無理もない、と思った(堀病院は無資格助産師の事件だが、人手が足りないのは助産師も産婦人科医も同じだ)。



あまりにも激務である。

一週間だったか10日だったか記憶が定かでないが、従兄弟は病院に泊まり込みで殆ど不眠不休で働き、やっと余裕が出来たので自宅に帰ってきた。

一風呂浴びて、さあ、メシを食おうか、というまさにその瞬間、病院から呼び出しを受けた。

そのまま食事もせず病院にとんぼ返り。私たちが滞在中、戻ってこなかった。これが「普通のこと」だという。



お産は「おめでた」という言葉とは裏腹に修羅場であり、以前は(それが良い状態だとはいわないが)、死産だったり、

分娩後に母親が亡くなるということは、しばしば起きていた。



医学の進歩と共に、妊娠中の管理や、分娩時の異常事態、緊急事態への対処の技術が向上し、悲劇が減った。

皮肉なもので、そうなると、生まれたばかりの子供が亡くなったり、何らかの障害がみつかったり、母親が亡くなったり、産後の経過が良くないと、

「医師や助産婦の所為だ」といって、カネほしさも手伝って、訴訟となるケースが急増した。



勿論、本当に医療従事者側の側に技術的な問題や経験不足からくる過失が認められることもあるだろうが

いくら医学が進歩しても、100%正常妊娠・分娩ということにはならないだろう。

それに、あの重労働を見ると、医師、助産師の過労が事故の間接的な原因となるケースが当然推察できる。



あれだけ、自らの命を削るようにして患者のために働いたのに訴えられたら、それはいくら医師といえども「やってらんねえよ」という気持ちになるだろう、と思った。


◆お産難民という言葉があるぐらいだ。

小泉政権には、なんと少子化対策大臣という役職まで登場したが、議論を聞いていると、「どうすれば、子供をつくろう、という気持ちにさせるか」という観点に偏っている。

現実には「産み場所探し」に苦労している人たちがいる(それが解消すれば、出生率がどれぐらい上がるか、統計的、科学的推論は私には出来ないが)。

つまり、妊娠したけれども、地域に全然産婦人科医や助産師がいない或いは、婦人科のみで、

分娩は(訴えられるのはご免だから)やりません、という開業医が増えているため、病院で産めないと焦っている「お産難民」が存在する。



Yahoo!辞書に説明が載っていた。

お産難民 (おさんなんみん) 病院で出産したくても、病院に産婦人科医が少ないなどの理由で入院できないケースが増えており、分娩場所をなかなか確保できない妊婦をこのように呼んでいる。ここ数年、病院の産科や個人産院の閉院が各地で相次いでいて、産み場所探しに苦労する女性が増えているという。出産の時間は正確に予測することができないため、産科医の肉体的・精神的な負担は大きい。そのため、産科医を志望する医学生は減っており、後継者不足による閉鎖や、妊婦健診や婦人科だけに転換して分娩を行わない個人病院が増えている。


Yahoo!ニュースで医師不足というトピックスがあるから、ごらんになることをお薦めする。

ほんの一例を挙げる。

島根県隠岐島には産婦人科医が一人もいなかったので、隠岐島の妊婦は臨月または、それが迫ると、松江に来て、

親戚の家やホテルなどにとまりながら、お産直前まで、待っていたという。いよいよお産となったら松江市内の病院に行くのだ。

親戚の家では肩身が狭いし、ホテルはカネがかかりすぎる。

産婦人科医不足は勿論島根県のみならず、全国的な問題となっている。


◆大変な仕事にはそれ相応の待遇をしなければいけない。

少子化というが、その少子化の現在でさえ、産婦人科医や助産師が足りないのである。

これを放置して、国は国民に、「子供をつくれ」という。無責任ではないか。

産婦人科医や助産師は、死ぬほど必死にはたらいても、それに相応しい処遇を得られず、たまに失敗すると裁判となり、罪人のように扱われる。



要領の良い奴は、生命に直結しない美容形成外科医(美容形成も勿論世の中には必要だが)となり、高所得と余裕のある生活を享受する。

これで、医学生や看護学生に、「産婦人科医・助産師になれ」、というのは勝手すぎないか。


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