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JIROの独断的日記
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2006年03月27日(月) 「米国産牛肉 全頭検査求め提訴の米食肉加工業者に聞く」←アメリカの良心。これは評価すべきです。

◆記事:米国産牛肉 全頭検査求め提訴の米食肉加工業者に聞く(毎日新聞)

米中堅食肉加工業者、クリークストーン・ファームズ・プレミアム・ビーフは23日、牛海綿状脳症(BSE)の自主的な全頭検査容認を求めて米農務省を提訴した。

同社のジョン・スチュワート最高経営責任者は、毎日新聞と会見し「農務省は全頭検査の負担を嫌う大手業者に配慮している」と批判した。【ワシントン木村旬】

−−農務省は全頭検査を拒んでいます。

◆農務省が「全頭検査は非科学的」と主張しているのはシェアの約8割を占める業界大手4社が検査したがらないことに配慮しているためだ。検査費用は1頭20ドル(約2300円)かかり、大手は負担増を嫌がっている。当社は高級牛肉中心なので検査で(より安全という)価値が高まる。

−−日本の消費者は米国の検査体制に不安を感じています。

◆米国産牛肉は世界で最も安全と信じているが、日本の世論調査を見ると消費者は米国産牛肉に懸念を持っている。顧客を満足させるために全頭検査をしたい。

−−日本政府は輸入再開の条件として全頭検査は求めていません。

◆当社は民間業者の立場で日本の消費者の懸念を解消したい。輸入停止を招いた特定危険部位の混入問題は不幸な事件だが、日本は説明を求める権利があり米国はしっかり調査すべきだ。

−−農務省は検査頭数を縮小する方針です。

◆米国産牛肉の安全性に対し国際的な懸念を広げてしまう。農務省はBSE感染牛を見つけたがっていないのではないか。それには検査を十分にしないのが一番だ。

−−提訴に踏み切った理由は?

◆04年に50万ドルを投じて検査施設を整え農務省に自主的な全頭検査を申請したが拒否された。農務省は検査器具の監督権限を持ち、当社は器具を使えない状態が続いている。農務省と2年以上協議したが我慢の限界だ。当社を支持する業者は増えており、今後も拡大するだろう。

(毎日新聞) - 3月25日10時11分更新


◆コメント:アメリカ人の良心、妨害する米国政府。

これは、どういう話かというと、日本は当初、米国産牛肉の輸入再開条件として、全頭検査を要求していたのですが、アメリカ政府は「非科学的だ」とかなんとか云って承知しなかった。

最後は11月にブッシュ大統領が来日して、小泉首相に「早く、牛肉輸入を再開しろよ」と一言すごんだ(というのは、私の想像ですが、要求したことは間違いない)ら、

12月中旬にはもう、輸入再開が決まってしまった。情けない話です。



ところが、ここで、良心的なアメリカ人食肉業者が現れました。勿論、早く商売を再開したいというのが動機ですが、

「顧客である日本が米国産牛肉に不安を抱いているなら、顧客を満足させるために、全頭検査をすべきだ」

と主張して、「全頭検査は必要ないっ!」とムキになっている米国農務省を提訴したのです。

それは、誰かというと、記事にあるとおり、米国の食肉加工業者、クリークストーン・ファームズ・プレミアム・ビーフ社という会社です。

冒頭の記事は毎日新聞が、その会社の最高経営責任者、ジョン・スチュワート氏にインタビューしたものです。


◆当然のことながら、多くの良心的なアメリカ人がいる。彼らは評価されるべきだ。

私は、過去の記事で数え切れないほどアメリカを批判していますが、それは、理屈に合わないことを無理強いする米国(特に政府)を批判しているのであり、

無差別に情緒的に、つまり「好き嫌い」で書いているのではありません。そりゃ、好き嫌いで云ったら、アメリカで好きな人、団体、いくらでもいますよ。

クリーブランド交響楽団や、シカゴ交響楽団は大好きだし、ニューヨーク・フィルハーモニックの首席トランペット奏者、スミス氏を尊敬しています。

シカゴ交響楽団で半世紀首席トランペット奏者を務めたアドルフ・ハーセス氏は神様です。

ハーバード大学教授だった故・エドウィン・ライシャワー博士を尊敬しています。源氏物語を英訳したエドワード・サイデンステッカー氏も、日本文学の専門家ドナルド・キーン氏も尊敬しています。

ただ、天下国家を論ずるときは好き嫌いは別問題です。ブッシュ大統領のイラク戦争は正しくない。

その代わり、正しい行為は、正しく評価するべきです。

上に大文字で引用した、ジョン・スチュワート氏の認識と決断は極めて論理的・合理的です。

ジョン・スチュワート氏の良心的な行動は正しく評価されるべきです。だから取り上げました。

それにしてもねえ。

民間の業者が折角全頭検査まで行いたいと云っているのに、それを現在のところアメリカ政府が阻止しているのです。なんということだ。


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