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JIROの独断的日記
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2006年03月03日(金) 「コントラバスの奇跡」ケルン放送交響楽団首席コントラバス奏者、河原泰則氏。

◆ケルン放送交響楽団首席コントラバス奏者、河原泰則氏

ケルン放送交響楽団は紛れもなくドイツの一流オーケストラだが、かつては

コンサートミストレス(女性の場合、コンサートマスターとは言わない)が四方恭子さん。

首席オーボエ奏者が宮本文昭さん。

首席コントラバスが河原泰則さん、という時期があった。

これだけ重要なポジションを日本人が同時に務めていた外国のオーケストラは少ない。

日本人は優秀なのだ。



今、四方さんと宮本さんはケルン放送響を辞め、日本で教えておられるが、河原泰則(かわはらやすのり)さんは、今でもケルンの首席コントラバス奏者だ。

河原さんの経歴を読むと唖然とする。一橋大学卒業なのである。そして桐朋音大も卒業している。驚いたことに両方の学校で平行して「勉強」していたのである。

しかも、ドイツのオーケストラのメンバーとなるからには、非常に高いドイツ語の語学力があるということだ。

出来る人は色々出来てしまうのである。勿論、ものすごい努力の賜でしょうけどね。


◆ソロ・コントラバスのCD「コントラバスの奇跡」

コントラバスのソロ曲は少ない。

協奏曲は、あるのですよ。

ディッタースドルフ(1739〜99)というハイドンと同年代のオーストリアの作曲家(というか、本職はバイオリニスト)のが最も有名だ。

しかし、ソロ曲はやはり、少ないと言わざるを得ない。



これは、何と言っても楽器が非常に大きいので、バイオリンのように早い動きは出来ないだろう、という作曲家の思いこみによるところが大きいのではないかと思われる。

実際、バイオリンなら人差し指で弦を押さえて「ド」を鳴らしたら、次の「レ」は中指で弦を押さえれば良いのだが、

コントラバスの場合、「レ」は小指(弦が太くて張力も大きいので実際は、薬指を添える)の位置になるのだ。

つまり同じ音型を演奏する場合、バイオリン・ビオラよりも遙かに大きな運動量が必要となる。

また、現実的な要因として、なじみが薄いから、この楽器を演奏する人の絶対数がバイオリンやピアノに比べて、遙かに少ない。

やる人が少なければ、名人が出る確率が低くなる。



それでも、いるんですねえ。こういう信じられないほど上手い人が。

河原泰則 氏の小品集、コントラバスの奇跡をお薦めする。

曲目は、


  1. ヴォカリーズ(ラフマニノフ)

  2. ヘ調のメロディ(ルービンシュタイン)

  3. G線上のアリア(バッハ)

  4. アダージョとアレグロ(シューマン)

  5. トロイメライ(同)

  6. くまんばちの飛行(リムスキー=コルサコフ)

  7. 白鳥(サン=サーンス)

  8. 夢(ボッテシーニ)

  9. モーゼ幻想曲(パガニーニ)

  10. ベートーヴェンの主題によるロンディーノ(クライスラー)

  11. コル・ニドライ(ブルッフ)


いいですよ。これは。本当に。

編曲ものなのだが、「コントラバスにしては 上手い」ということではなくて、「コントラバス以外の楽器では味わえない魅力」があるのだ。

技術的なことを言えば、コントラバスはどうしても、音程が怪しくなりがちなのだが、河原さんは、少なくとも私の耳では、信じられないほど、完璧。

そして、音楽性ってことですね。このCD評に、「世界一上手いコントラバス」という最大級の賛辞を与えている専門家がいた。本当に世界一ではなかろうか。

バイオリンの表現力は今更改めて言うまでもないが、コントラバスにこれほど多様な表現力があったのか、と愕然とする。

身体が疲れているときには、高音のバイオリンは耳障りなことがある。そういうときには、低音が良い。

勿論、疲れていなくても良いですよ。落ちつきます。

騙されたと思って聴いてみてください。



それにしても、金曜になると疲れますなあ。クタクタですわ。

消費者物価指数が出て、いよいよ日銀の量的緩和政策終わりか、という話を書こうかとも思ったが、気力がない。

その話はどの新聞にも書いてあります。

というわけで、今日はコントラバスについて書きました。

それでは。


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