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JIROの独断的日記
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2006年02月09日(木) 「米、歩行困難牛20頭を食用に・農務省監査で明らかに 」←今に始まったことではないのです。

◆記事1:米、歩行困難牛20頭を食用に・農務省監査で明らかに

 

【ワシントン=吉田透】米農務省監査局の米国内のBSE(牛海綿状脳症)対策に関する監査報告書で、

 歩行困難になった牛20頭が原因不明のまま食肉処理されていたことが明らかになった。

 歩行困難牛はBSE感染のリスクがあるため、米農務省は食用を全面的に禁じている。



 米国のBSE対策のずさんさが改めて浮き彫りになった。日本国内では米牛肉の安全性に一段と不安が高まる可能性がある。

 2日に公表された報告書によると、監査対象となった12の食肉加工施設のうち2カ所では、

 04年6月から05年4月までの10カ月に、29頭が歩行困難なまま食肉処理されていた。

 このうち9頭は脚のケガなどが原因とわかったが、残り20頭は原因が不明なまま処理されたという。

 農務省監査局は食肉検査を担当する同省食品安全検査局(FSIS)に改善を勧告。FSISは改善を約束した。

 加藤良三駐米大使は8日の記者会見で、監査報告が指摘した米BSE対策のずさんさについて、

 「(牛肉の輸入再開条件を定めた)日米合意にかかわるかどうかの検証が必要だ」と述べた。[2006年02月09日(木)]


◆コメント:だから、輸入再開は危険だ、と、繰り返し書いたのです。

 

 記事1は、以前から情報を追っている人にとっては、驚くに当たらない内容である。

 この日記のインデックスページに検索欄がある。

 そこに「BSE」で検索するとお分かりになるが、

 私は、既に2年以上前から「米国産牛肉の輸入再開は危険であるから、米国が如何に圧力をかけようと、拒否するべきだ」と主張している。



 この思想が確信的になったのは、2005年06月12日(日) 「新たなBSE感染牛の疑い=英で最終確認へ−米農務省」を書いたときだろうか。

 何しろ、その頃から更に1年ほど前に報道されている、米国農務省監察官の報告はすごい。

 

◆記事2:米、危険牛の76%は未検査・農務省監察官報告書 (2004年7月13日付共同通信)

 【ワシントン13日共同】昨年末に初の牛海綿状脳症(BSE)が確認された米国で、

 2002会計年度(01年10月―02年9月)からの約2年間に中枢神経障害の兆候が表れ処分された牛680頭のうち、

 約76%に当たる518頭がBSE検査を受けていなかったことが13日、農務省監察官が議会下院へ提出した報告書案で明らかになった。
 神経障害の兆候がある牛はBSE感染の恐れがあるため、「危険度の高い牛」の相当数が検査されず感染が見過ごされていた可能性がある。

 農務省は、米国でBSEが広がっている可能性は低いとしてきたが、報告書案は「(政府の)主張の信頼性を低下させる」と指摘した。



 「中枢神経障害の兆候」の典型が、「足のふらつき、歩行困難」だ。

 厳密に言えばBSE以外の疾患の症状かも知れないが、検査に回すのが常識だろう。

 要するに問題なのは、アメリカの食肉に関係する人々は、

 「明らかに異常な牛を検査に回すこともしないで、屠殺・加工し、食品として市場に流通させていた」

 という事実である。

 今回12月16日に第一便が届いてから輸入された牛肉にも、当然感染牛が含まれていた可能性がある。、

 特定危険部位を除去していない肉が含まれていたのは報道されたとおり、客観的事実だ。


◆いくら日本から査察団を米国に派遣しても意味がない。

 

 与党は米国からの牛肉輸入再開前に現地調査することを閣議決定したが、中川農務相はそれを実行しなかったということで、

 野党の追及(この追及がなんだか、甘いんだよね)を受けている。



 無論、1月31日に書いたとおり、行政府が自ら閣議決定したことを実行しないのはけしからんのだが、もっと本質的な問題がある。

 それは、「いくら日本からアメリカに調査団を送っても、アメリカにある全ての食肉処理施設を点検するわけにはいかない」ということである。

 この次に、日本から調査団が現地に行ったら、当然米国側は、いくら日本をバカにしているとはいえ、一応、「まともな」処理施設「だけ」を見せるだろう。

 しかし、その施設が日本人が帰国した後に、同じことを続けるとは限らない。

 また、日本に輸出する牛肉を扱う施設は、米国側の申告によるものであり、

 それ以外の「いい加減な処理場」で「処理」された、特定危険部位が混ざりっぱなしの牛肉が送られてこない、

 という保証はどこにも、無い。


◆無いことを証明することは出来ない。

 

 アメリカ人も大量破壊兵器に関するイラク人の気持ちが少し分かったのでは無かろうか?

 イラク戦争前、バカのブッシュはともかく、頭の良いパウエル国務長官までが、

 「イラクは、大量破壊兵器を保有していないことを証明する義務がある」

 と馬鹿なことをいっていた。 パウエルは無茶だと分かっていただろうけどね。



 つまり、「無いことを証明することは出来ない」のだ。

 尤も、極めて狭い空間に限れば可能ですよ。

 たとえば、貴方がどこかで手荷物検査を受ける。

 鞄の中身を全部テーブルにぶちまければ、ピストルを「持っていないこと」を証明できる。

 しかし、検査対象が広大な物理的範囲に及んだら、もう無理なのだ。



 完璧を期するためには、滑稽だが、理屈だけで云うと、

 ものすごい数の日本人(食肉の処理に関する専門的な知識を持った人でなければならない)をアメリカに派遣して、

 全ての牛肉処理場を突き止め、少なくとも2人一組となり、1年365日、24時間、肉の処理過程をじっと睨み続けなければならない。

 そうしなければ、アメリカの肉がきちんと処理されているか、

 或いはきちんと処理されたもの、怪しければ検査を受けて陰性だった肉だけが、日本に輸出されているかどうかを確認したとは言えない。



 何しろアメリカ人は、「歩行困難」という「バカでも分かるBSE感染牛」を平気で食い物として市場に流通させ、

 それでも「アメリカの肉は安全だ」と言い張る人種なのである。

 そもそも、お気づきのとおり、アメリカの牛肉の為に日本がそれほど多大なエネルギーを投じる必然性が無い。


◆結論:永久禁輸こそ、政府の義務。

 

 結論的に繰り返すが、

 アメリカ政府が、「アメリカ産牛肉は安全だ」と主張しても全く信用できないこと。

 だからといって、日本人がアメリカにおける牛肉処理施設、処理過程を全て、常時監視することは、現実的に不可能であるし、そこまでしてやる必然性が全くないこと。

 これらの事実から導かれる当然の論理的帰結は、

 「『全てのアメリカの牛肉を永久に輸入禁止する』ことが、日本国民の生命・健康を守る義務を負う、日本政府が取り得る唯一の対応だ」

 ということになる。


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