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JIROの独断的日記
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2006年02月04日(土) ハイフェッツとクライスラー(バイオリニスト)の誕生日が同じ2月2日、2月3日はメンデルスゾーンの誕生日、とは気が付かなかった。

◆2月はどういう訳か、大音楽家の誕生日、命日が多い。

 

 2月に生まれ、又は亡くなった大音楽家は調べたらかなり多いです。

 ハイフェッツとクライスラー(この人は作曲もしたバイオリン弾きですね)の誕生日が同じ2月2日。

 その翌日、2月3日はそのバイオリン協奏曲の超大傑作を書いたメンデルスゾーンの誕生日。

 クラシックではないが、2月4日即ち本日は、カレンカーペンターの命日です。

 カレン・カーペンターに関しては、Top of the world(カーペンターズ)を聴くと、泣けるのですという記事を昨年書いたので、

 よろしければ、お読み下さい。



 ハイフェッツ(1902〜1987)というのは、100年に一人の天才です。 つい、先日紹介しました

 そこで紹介したチゴイネルワイゼンのCDの他に、もう一つ。

 勿論ハイフェッツは協奏曲も沢山レコーディングしていますが、私はどうしてもハイフェッツと言ったら、

 これホラ・スタッカート〜アンコール


◆弓を跳ばす。

 

 バイオリニストの弓使いを見ていると、普通に弦を弓で擦る(デタシェ)という最も基本的な弾き方の他に、

 弦の上で弓をバウンド、というか軽く跳ねさせながら弾いていることに気が付きます。

 「スピッカート」という奏法です

 オーケストラで、伴奏に回ったときなど、これが出来ないとどうしようもない。

 勿論、プロの方は出来ますよ。何だか簡単そうにやっているんです。

 しかし、自分でやってみると、そのバウンドをコントロールして一定のリズムを刻むのが非常に難しいことが良く分かるんです。

 これは、無駄な力が脱けていないからです。

 同じ音の連続でも難しいのに、それでメロディーを弾くとなると、随分と辛抱強く練習しないと出来ないです。。



 それで、ハイフェッツは勿論全て上手いんだけど、このスピッカートが滅茶苦茶上手いんです。

 さらに。

 ホラ・スタッカートという曲は本当は演奏するところを見ないと面白くない。

 楽譜を挿入するのが面倒なので文字で書きますが、曲が始まってすぐに、下降の音階があるんです。

 「ドドシシララソソファファミミレレドドシソレソシソレソシソレソシソレソ」

 という箇所なのですが、これを何と、ひと弓(上げたり下げたりしない)で、下げながら細かくバウンドさせて弾くのです。

 人間業と思えない。 「スタンディング・スタッカート」というのです。

 ハイフェッツがこれをやるところを見てみたかったなあ・・・。


◆クライスラーは自動車メーカーじゃないですよ。

 

 フリッツ・クライスラーは(1875〜1962)ハイフェッツよりも四半世紀ほど前のウィーン生まれで、

 後にアメリカに移ったヴァイオリニスト兼作曲家。

 バイオリンの為の小品を沢山書いていまして、特に有名なのは、

 「愛の喜び」「愛の悲しみ」「美しきロスマリン」。

 皆さん、誰かの結婚式で少しバイオリンが上手い人が弾いたのを聴いたことが有るのではないかと思います。

 結婚式じゃなくても、良くいろんな所で流れているから、ほぼ絶対に、少なくとも一部分は聴いたことがある、と思います。



 ただ、「小品」という言葉は誤解を招きやすいです。

 確かに演奏時間は、コンチェルトに比べると遙かに短いのですが、

 プロに云わせると、小品を「聴かせる」ようにまとめるのは大変難しいのだそうです。(私の先生が言っていました)。

 ところで、クライスラーが気の毒なのは、ハイフェッツのように純然たる「芸術家」と見なされていないことでした。


◆才能を本当に見極められる人は少ないのです。

 

 クライスラーだってすごい才能なんですが、ウィーンでカフェ・バイオリニストだった時期があったのです。

 それだけで、ウィーンの楽壇は彼の才能を正当に評価しなかった。「芸人」扱いですな。

 クライスラーはウィーンじゃ評価されないというのでアメリカへ渡ったのです。

 本当の才能を自分の耳で判断出来る人は少ないのです。



 実際にクライスラーの演奏を間近で聴いたアメリカ人、ルイグレーラーさん

(新日本フィル、札幌交響楽団のコンサートマスターを歴任。既に故人です)という方がいます。

 何しろ、巨匠トスカニーニが指揮するNBC交響楽団という伝説のオーケストラで弾いていた人なのです。

 ハイフェッツも、クライスラーも直に知っている。



 その頃のことを書いた本が日本語に訳されて出ています。

 ヴァイオリンはやさしく音楽はむずかしいという、薄い本ですが、内容がすごい。

 今や「伝説の人」の逸話がぎっしり。

 トスカニーニ、エルマン(バイオリニスト)、ハイフェッツ、クライスラー、フォイアマン(天才チェリスト)等々。



 フォイアマンは夭逝した天才チェリストです。

 チェロはバイオリンより遙かに大きいですから、細かい、早い技は大抵バイオリンの方がやりやすい。

 ところがフォイアマンはものすごいテクニックの持ち主でした。

 いろいろな曲芸的なボウイング(弓使い)を考えて、ハイフェッツに「これできるかい?」と云って挑発したそうです。

 そうしたら、ある時、天下のハイフェッツですら出来ないことがあって、余程悔しかったらしく、

 あとで必死にさらっていたのをグレーラーさんは目撃したとか・・・。とにかくこの本は貴重です。


◆クライスラーのお薦めは、自作自演でしょうね。
 

 勿論録音は古いけど(100年近く前)、やっぱりこれだな。 クライスラー:自作自演集

 ルイ・グレーラーさんによると、クライスラーの弾き方は大変変っていて、弓の下半分しか使わない。

 下というのは、手元がわ、ということです。しかも、弓の毛はいつもパンパンに張るのだそうです。

 普通、バイオリンは手元より先半分の方が弾きやすいのです。

 手元は弓の重さが加わるから、弱い音は、大多数のバイオリニストは、かならず先の方で弾くのに、

 クライスラーはずっと下半分で弾いていた。 しかも、パンパンに張った弓で。

 ちょっと余計な力が入ったら、弱い音をだそうとしても、弓が上下に揺れて、従って音も揺れてしまったり、汚い音になるのです。

 やはり、天才はどこか違うんですね。


◆蛇足ながら、「のだめカンタービレ」14巻の表紙、間違ってますよ。

 

 あのマンガ、読んだことはないので、内容は知りませんが、

 コミックの表紙で、毎回違う楽器をかなり正確に描いているな、と思っていたのです。

 ところが。最新刊はティンパニ

 「タイコ」だと思ってちょっと油断しましたね。

 楽器そのものは、まあいいです。問題は演奏姿。

 あの子、ティンパニのバチ(マレットといいます)で、楽器のどこを叩いていますか?

 真ん中を叩いていますね。残念。



 ティンパニは、真ん中を叩いたら音がしません。

 勿論、何か音はでますが、「ボコッ」という音がするだけ。

 ティンパニはね。縁と中央の3分の1ぐらいの縁寄りを叩くのです。

 人によって、ではありません。絶対にそうなのです。



 東京佼成ウインドオーケストラというプロの吹奏楽団のサイトでは、

 奏法Q&Aというコーナーがあり、全国のブラスバンド少年少女から各楽器のプロへの質問を受け付けています。

 そして、あまり音は良くないけど、各楽器の実演(動画と音声)を無料で見て聴くことが出来ます。

 打楽器のコーナーでは、ティンパニ奏法の基本の動画を見ることが出来ます。

 タイコの皮に相当する部分をティンパニでは「ヘッド」といいますが、奏者がヘッドを叩く位置をよく観察してください。


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