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JIROの独断的日記
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2005年07月22日(金) 英特殊部隊、地下鉄車内でテロ容疑者を射殺←普段は、警官が拳銃を携行しない英国では、極めて異例だ。

◆記事:英特殊部隊、地下鉄車内でテロ容疑者を射殺 (読売新聞)

 

 【ロンドン=土生修一】英捜査当局は22日、ロンドンの地下鉄ストックウェル駅の地下鉄車両内で同日午前10時すぎ、男1人を射殺したと発表した。

 射殺された男について、英BBC放送は21日にロンドンの4か所で起きた同時爆発事件の容疑者と報じ、英スカイテレビは自爆テロを企てていたと伝えた。

 ロンドン警視庁は2000人以上の警官を駅やバス停に配備すると同時に、武装警官も大量動員しており、2度のテロに対し前例のない大規模態勢で犯人グループ摘発に乗り出している。

 BBCによると、同駅に停車した地下鉄ノーザン線の車両に、南アジア系とみられる男が走って飛び乗ってきた。

 この男を追って私服警官らしい3人の男が車内に入り、1人が取り押さえた男に向け5発発射した。

 射殺された男は、野球帽をかぶり、冬に着るような綿入りのコートを着ていたという。英国のパトロール警官は通常、銃器を所持しておらず、射殺したのはロンドン警視庁の特殊部隊とみられる。
 容疑者が現場で警官に射殺されるのは異例で、テロ事件に対する捜査当局の前例のない強い姿勢が反映されているといえる。BBCは「警察は男が明らかに自爆テロの捜査対象であると確信を持っていたようだ」と指摘した。 - 7月22日23時27分更新


◆コメント:英国の出来事としてはもの凄く異例です。

 

 今日の、英国政府は、非常に大胆な行動に出た。

 日本時間の昨夜、けが人は出なかったものの、爆発がロンドンの4カ所で起きた。

 その後のニュースで、英国政府は、これをテロと断定した。

 今日の英国政府のすごいところは

  「テロ容疑者とみられる男を射殺」

 というフレーズに集約される。

 射殺された男は、テロの容疑者である、という確証もなかったのである。

 BBCの記事を読むと、アジア人風の男が地下鉄に駆け込んだところを、私服の男達がこれを捕まえて、床に押さえつけて、動けないようにした。

 そして、何も尋問もしないまま、地下鉄の中でですよ。この男に5発の弾丸を撃ち込んだというから、すさまじい。

 「容疑者とみられる男」を射殺する前の駅で、乗客を地下鉄の車両から非難させたと言うぐらいだから、何か情報を掴んでいて、この男を殺さないと、自爆テロをやるに違いない、ということだったのだろう。

 推測の域を出ないが、そのように考えざるを得ない。

 いざとなると、容疑者の人権もへったくれもない。それぐらいでないと、テロは防げないということなのだ。

 7日のテロと昨日の爆発(テロ)で英国治安当局は、怒り心頭に発したのだろう。

 動けない容疑者に5発も撃ち込むというのは、念を入れたと言うよりも、英国政府の憎悪を感じる。

 人間を殺すには、頭に2発も撃ち込めば十分な筈だからである。



 英国治安当局には「これ以上テロで英国の一般市民の犠牲を出したら、英国政府の沽券に関わる」という意識が、非常に強く、あったのだろう。

 何しろ、情報に関しては、ジェームズ・ボンド、ダブルオー・セブン(007)が属していたことになっている、世界に冠たる諜報組織、MI5という部署があり、特殊部隊としては、陸軍の特殊空挺部隊SASがいる。


 テロリストの思うままにさせてなるものか、と言うわけだろう。

 こういうとき、欧米人というのは、容赦ない。 普段は英国もフランスも優雅そうなことをいっているが、特殊部隊のすさまじさは、日本人の想像を超えている。


◆テロに屈しないと小泉首相はいうけれど、日本でここまで出来るのか。

 

 英国は米国の味方をしたから、イスラム世界の恨みを買ってしまったのである。

 日本は、武力行使が禁じられているので、イラク人をただの一人も殺していないが、アラブ諸国の人々は、小泉首相がアメリカの武力行使を支持していることを、ちゃんと知っている。

 それどころか、それ以前から、イラクを空爆する戦闘機が日本の米軍基地から発進していることを、アラブ世界の人たちは、我々が想像するよりも、良く分かっている。

 話が逸れるが、これは、日米安全保障条約に違反している。

 

日米安全保障条約 第六条より抜粋

 日本国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリ力合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。



 つまり、在日米軍の使命は日本とその周辺地域の平和を維持することで、その限りにおいて、日本国内の施設(米軍基地など)を使用することが許されるのだ。日本の基地からイラクへ飛んで爆弾を落とすことは、この範囲を明らかに逸脱しているのである。



 さて、それは本論ではないのでこれ以上触れない。

 問題は、日本もテロの標的になりうること。

 小泉首相は何かある度にバカの一つ覚えのように「テロには屈しない」といっているが、アラブ人にとっては、「テロ」とはイスラエルのパレスチナ攻撃や、イラクを攻撃する、米軍を意味するのである

 だから、小泉首相が「テロ」というたびにイスラム武装勢力はムカッとしているはずである。小泉首相は不必要にアラブ人の神経を逆なでしているのである。

 それに目をつぶるとしても、日本にテロリストが潜伏し、自爆テロを地下鉄で敢行しようとしていることが判明した場合、今日のイギリス政府のような、半ば「超法規的」な措置を取る覚悟と準備は出来ているのだろうか?

 2003年3月20日に、米国がイラクに対する武力行使、つまり、イラク戦争を始めたときに、世界で最初にこれを支持する、と声明を発し、大量破壊兵器が無かったことが明らかになっても、まだ、「イラク戦争は正しかったと思っている」と、馬鹿なことを言って、イスラム武装勢力に睨まれる原因を作ったのは、小泉純一郎内閣総理大臣に他ならないのであるから、ちゃんと責任を取ってくださいよ。


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