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JIROの独断的日記
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2004年12月30日(木) 「Q&Aサイト大手の「OKWebコミュニティ」と「病院の通信簿」がサイト連携」 生兵法は大怪我の基。

◆記事:Q&Aサイト大手の「OKWebコミュニティ」と「病院の通信簿」がサイト連携

患者のための医療情報Q&Aサイト『病院の通信簿〜どうなの?教えて!OKWeb〜』12月20日サイトオープン

株式会社オーケイウェブ(東京渋谷区、代表取締役:兼元謙任、以下オーケイウェブ)と株式会社フィードバック・ジャパン(東京渋谷区、代表取締役:蔵敷健治、以下フィードバック・ジャパン)は、医療・健康関連Q&Aサイト『病院の通信簿〜どうなの?教えて!OKWeb〜』を開設し、12月20日よりサービスを開始します。

『OKWeb(オーケイウェブ)コミュニティ』は、35万人が参加する日本最大級のQ&Aサイトで、毎日1,500件以上の質問に対して4,500件以上の回答がやり取りされています。

『病院の通信簿〜どうなの?教えて!OKWeb〜』では、OKWeb上でやり取りされる多様なQ&Aの中から医療や健康関連のQ&Aを抽出し、患者向けの医療・健康情報として提供します。


◆コメント:危ないと思うなあ。

 

Q&Aサイトは今に始まった商売ではなく、それなりに儲かっているところを見ると、案外上手く機能しているのだろうか。

分からないことに関して情報を得ようというときには、系統だった知識を身につけようとしたら、やはり今でも、書物を読んで、まともに勉強するのが一番確実な方法であろう。
しかし、書物では、どうしても得られない情報がある。


例えば、ロンドンに赴任することになり、今年の今の季節、気候はどうか。どうしても日本で買っていった方がいいものは何か?というような、リアルタイムかつ細々としたことは本にならない。現在、現地で生活している人の話を聞くことができるのは、インターネットが出来てから、格段に便利になった。そういう使い方ならばよいだろう。


◆専門性の高い情報を素人同士がやりとりするのは、問題だと思う。

 

私も、実は、このようなQ&Aサイトで回答する側に回ったことがあるが、自分の専門の仕事とか、趣味の話に限った。

病気、医療、医薬品などに関して、結構、素人が回答しているが、これは、聴く方も答える方もちょっと軽率ではないかと思われる例が多い。

 如何に人間は「知ったかぶり」をしたがるかがよく分かる。どうしてこうなるかといえば、情報を何でも「ただ(無料)」で得ようとするからだ。

だが、身体のこと、クスリのことは慎重に取り扱われなければならない情報だ。

 同じ病気を患っていたとしても、一人一人、違う肉体を有しているわけで(当たり前だ)、同じくすりを同じ分量、投与しても、同じ反応が起きるとは限らない。

「自分はこのクスリが良く効いたけれども、貴方に同等の効果があるとは限らない。専門家の意見を聴くこと。納得がいかなければ、別の医師の意見(セカンドオピニオン)を聴いた方がよい」と答えるのが、一番親切なアドヴァイスだと思う。

文字通り、諺でいうところの「生兵法は大怪我の基」だ。「少しばかりその道を心得た者は、これを頼って軽々しく事を行うから、かえって大失敗をする」という意味だ。

無論、それでも、医者に診て貰うのは敷居が高い。気軽に訊けた方がよい、といって質問する人がいる。

 それは、そのときこそ、今年の流行語(だと、少なくとも私は、思っている)「自己責任」の概念を認識するべきだろう。


◆企業で自社製品に関してQ&Aサイトと提携しているのは無責任だ。

 

 医療のように、健康や、時には生命に関わる関わることでなくても、色々な企業がサポートサービスを楽にするためにQ&Aサイトを利用している。
例えば、アンチウィルスソフトで有名な某社は、サポートのページへゆくと、OKWebへのリンクが貼ってある。
無論、FAQはあるし、いざとなれば、そのソフトの会社にメールや電話で質問出来る。これが、当たり前の姿である。

 Q&Aサイトを利用せよ、とは、顧客からの質問があまりに多く、細かいこと、初歩的なことは答えているヒマがないから、お客さん同士で情報を交換して下さい、という意味である。そして、そこには、「免責事項」が書いてある。

「そこで得た情報でお客さんが損害を被っても当社は一切関知しないので、そのつもりで」


◆これを医療になぞらえたら、こういうことだ。

 

再び、医療に話をもどす。同じことを医療現場でやったら、次のような状況となる。

 大学病院に行く。外来は大変混んでいる。医師は十分な診察時間をそれぞれの患者に確保することはできない。

 ところが、患者はもっと話を訊きたがっている。

そこで、病院は、自由にお茶やコーヒーを飲める綺麗なロビーを作り、一種の「サロン」にする。

 そこには、メッセージが掲げられている。

「医師の説明が不十分だと思う方は、ここで、同じ病気の患者さんと情報交換して下さい。但し、その情報にもとづいて貴方が何らかの行動を取った結果、病状が悪化しても、当院は一切関知しませんので、ご承知おき下さい」


◆カネを取る側が払う側に頼ってはいけない。

Q&Aサイトと連携するというのは、おおよそ、このような状態なのである。

 アンチウィルスソフトは、人間の生命に直結しないし、Q&Aサイトとの連携により、サポート要員を減らせる。つまり、コストダウンのために行っているのであり、費用を削って収益が上がれば、株主に還元できる、というのだろうが、だからといって、こういうことをして良いものだろうか。

自分の会社が作って、客から対価を貰って販売した商品、或いは提供するサービスに関しては、どんなに「下らない」問い合わせでも丁寧に応じなければならない。

  それが、「商売」というものだ。


2003年12月30日(火) 無名の人々に、感謝。

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