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JIROの独断的日記
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2004年09月17日(金) 「超大型ハリケーン『アイバン』は地球温暖化の結果か」(米国大気研究センター)

◆記事1:超大型ハリケーン『アイバン』は地球温暖化の結果か

 

大西洋に発生した ハリケーン『アイバン』(写真) は、近年の観測史の中でも最大級の勢力を持っている。しかも、気象の専門家によると、地球温暖化の影響で、こうした巨大ハリケーンは今後も増加していく見込みだという。

 「ハリケーンが発達し、強い勢力を持つのに適した状況を、地球温暖化が作り出している」と、米国大気研究センター(NCAR)(コロラド州ボールダー)の気候分析部門の責任者を務めるケビン・トレンバース氏は説明する。

 これほどはっきりとハリケーンと地球温暖化の関連性を指摘する専門家は少ないが、以前と比較して、地球が太陽のエネルギーをより多く蓄積していることには、ほぼ疑いの余地はない。二酸化炭素などの排ガスが地球に毛布を余分にかけたような状態をもたらし、太陽から受けたエネルギーの一部が宇宙へと放散するのを妨げているのだ。2001年に発表された『 http://www.ipcc.ch/ 気候変動に関する政府間パネル』(IPCC)のレポートによると、この「温室効果」から生じる余分なエネルギーによって、すでに摂氏約0.6度、地球の気温が上昇しているという。このレポートは、約100ヵ国の2500名以上の科学者が収集した情報と調査を元に作成されている。


◆記事2:海底にメタン大量放出の跡 過去の温暖化と関連か

 

海洋研究開発機構と国立環境研究所は16日、青森県下北半島沖の海底堆積(たいせき)物の分析から、約2万5400年前に周辺の海底から大量のメタンが放出された痕跡があることを確認したと発表した。

 当時は最終氷河期の最中に突発的な温度上昇があったことが知られていおり、同機構の内田昌男研究員は「強力な温室効果ガスであるメタンが大量に放出され、地球の温暖化を招いた可能性がある」としている。

 同機構は、下北半島沖の水深約1300メートルの海底から、約13メートルの柱状の堆積物を採取。約2万5400年前の層で見つかった有孔虫の化石中の炭素同位体比の分析から、メタンガス由来の炭素が環境中に多く含まれていたことを突き止めた。 (共同通信) - 9月16日21時6分更新


◆コメント:日本でも、台風の数が過去最高で、何だか変だと思いませんか?

 

記事1の中で述べられているように、地球温暖化とハリケーンの因果関係を断言する専門家は、少ない。ハリケーンや台風のみならず、異常気象が地球温暖化と関係が有るのかどうかは、本当には証明出来ていない。気象現象を創り出すのは非常にいろいろな要素が絡み合っているから、どれがどの現象にどのように関係しているか、証明するのが難しいのだ。

 しかし、ここ数年、世界中のニュースを振り返ると明らかに、地球上の至る所で、異常気象による災害が起きている。ヨーロッパの洪水、昨年も今年も起きている、中国や東南アジアでの洪水(あまり日本のマスコミは報道しないが、多くの死者が出ているのだ)。

 日本に上陸する台風がこの時期としては、異常に多かった。最初の台風は何と、梅雨入り前の5月に来たのである。こんな事は初めてだ。

 10年、数十年に一度、ならば、まあ、そういう年も有るだろう、と思えるが、毎年世界のどこかで大雨で洪水が起きたり、過去最大級のハリケーンがアメリカを直撃している。明らかに「トレンド」として気象が異変を起こしている。


◆温暖化により、大気中の水蒸気が増えるから、大雨が増える。

 

「地球温暖化により、地面から蒸発する水分が増え、上空の大気も温度が上がることによって、飽和水蒸気量が増える(空気は温度が高いほど、多くの水分を含むことができる)。従って、大雨が降りやすくなる。」

 米国大気研究センターのケビン・トレンバース氏のサイト気候変動の影響という論文を読んで見たところ、本当はもっと複雑な過程なのだが、ごく大雑把に述べるならば、そう言うことが書いてあった。素人が軽率に分かったようなことを云うものではないが、感覚的に納得出来る説明である。

 トレンバース氏によれば、このまま温暖化が放置されれば、当然の帰結として、さらに豪雨による災害が増える事になる。


◆メタンガスは今もシベリアの永久凍土の下に閉じこめられているのだ。

 

記事2を引用したのはメタンガスの温室効果の恐ろしさを知って貰いたいためである。

 シベリアの森林地帯は面積が日本の25倍もあるが、その地面は一年中凍ったままの永久凍土なのだが、この下には、3万年前に閉じこめられたメタンガスが大量に存在する。その永久凍土がジワジワと溶け始めているのである。もしも、メタンガスが噴出したら、その温室効果は二酸化炭素の20倍から30倍というから・・・。

 その辺の話はもう少し詳しく昨年10月11日に書いたので、お読み頂ければ幸いである。


 地球温暖化は、人類の存亡に関わる問題なのだが、世界全体のCO2の5分の1を排出しているアメリカ、次が中国、ロシア、いずれの国の指導者も殆ど事の重大さを理解していないのは、驚嘆に値する。

 日本のCO2排出量は5番目だが、全体の5%で、随分昔から省エネルギーに取り組んでいる。しかしながら、我が国は京都議定書の議長国だったのだから、本当はもっと働きかけるべきなのだが、環境相というと、「大臣入門職」のようなポストで、元カワイ子ちゃんニュースキャスターの小池百合子なんぞが、任ぜられている。

 真面目にやれ、と言いたい。景気回復も構造改革も憲法改正も安保理常任理事国入りも、何もかも、人類の存続が前提なのではないでしょうか?


2003年09月17日(水) 道具が便利になっても、事を成すのは人間の情熱だ。松本清張氏に思う。
2002年09月17日(火) 小泉の馬鹿野郎

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