外国為替証拠金取引
JIROの独断的日記
DiaryINDEXpastwill


2004年04月22日(木) 「陸自部隊は安全=イラク・サマワでの砲撃で小泉首相が強調」なかなか、強引ですな。

◆記事1:自衛隊の活動「不満」51%…サマワの地元紙世論調査

 陸上自衛隊が復興支援活動を行うイラク南部のムサンナ県民の約半数が、自衛隊の活動に満足していないことが21日、地元紙「アルサマワ」の世論調査でわかった。

 自衛隊の活動への過剰な期待はかねて心配されていたが、評価が数字に表れたのは初めてで、同紙のナフィ・エルファトリス編集長(34)は「期待が大き過ぎる一方で、自衛隊の支援があまりに遅く小さ過ぎた結果」と分析している。

 世論調査は、陸自の本格支援が始まった後の3月27日から4月7日にかけて、サマワ市などムサンナ県内11市村から無作為抽出した2000人に面接して行われた。

一方、「自衛隊に何をしてもらいたいか」との質問では、「失業問題の改善」を挙げた人が45%と最も多く、次いで「復興」33%、「投資」17%の順だった。

陸自がサマワ入りする前の今年1月前半に行われた世論調査(1000人対象)では、「自衛隊の派遣を歓迎する」が86%を占めていた。(読売新聞)[4月22日3時14分更新]


◆コメント1:1週間前には、「自衛隊は出て行け」デモがあったのですよ。

あまり、人の目にとまらないように、新聞に載っていた。


◆サマワで初の反自衛隊デモ サドル派300人、撤退要求

【サマワ14日共同】陸上自衛隊派遣部隊が活動するイラク南部サマワで14日、イスラム教シーア派の強硬派指導者ムクタダ・サドル師を支持する学生ら約300人が米国主導の占領統治に反対し、駐留オランダ軍や自衛隊のサマワ撤退を要求するデモをした。

陸自部隊の撤退を求めるデモがサマワで行われたのは初めて。陸自が13日、中断していた宿営地外での活動を9日ぶりに一部再開した矢先の抗議行動となった。

 目撃者によると、デモ参加者の大半は大学生で、サドル師の肖像などを掲げながらムサンナ州庁舎に近いサドル師の事務所前などを行進。拡声器で「自衛隊と占領軍を区別するのは困難。陸自部隊はイラクに駐留する連合軍の傘下で活動すべきではなく、サマワから出て行くことが(日本にとって)最善の選択だ」などと訴えた。(共同通信)[4月14日19時15分更新]



結構、ヤバい内容である。いくら小泉首相が人道復興支援だと云っても、イラク人にとっては、「アメリカの仲間の軍隊」なのですよ。その上、改めて世論調査というか、アンケートを取ったら、記事1のとおり。

自衛隊は、ハローワークをやらんといけないようだ。しかし、ハローワークっていったって、需要がなければ、雇用しようがない。需要が発生するためには事業が興らなければならない。それは、自衛隊には無理で、平時に民間企業が行うことである。要するに、現地のニーズと自衛隊がやろうとしていることが噛み合っていない。ミスマッチといいますね。

民間企業なら、当然、商売を始める前にマーケティングリサーチという活動を行い、消費者がどのような、商品やサービスを欲しているかを探る。自衛隊の場合は、とにかく、小泉さんが、まず「自衛隊をイラクへ送る」こと自体が目的だった。だから、こういう結果になる。

商売なら、売れなくても、生命までは奪われないが、自衛隊のいるところは命が危ないのである。と、今朝、記事1を読んで、考えていたら、


◆記事2:サマワのオランダ軍に砲撃=陸自部隊が一時退避、被害なし

 イラク南部サマワで22日午前、オランダ軍の宿営地キャンプ・スミティに迫撃砲とみられる砲弾が撃ち込まれた。防衛庁陸上幕僚監部が情報収集を進めているが、約7キロ離れた陸自派遣部隊の宿営地には被害はなかった。また、オランダ軍の宿営地内にも陸自の連絡要員がいるが、けがはなかった。

 陸幕によると、現地時間の同日午前3時半(日本時間同8時半)ごろ、オランダ軍から陸自宿営地に「午前3時ごろ、キャンプ内に迫撃砲とみられる砲弾が落ちた」と連絡があった。派遣部隊によると、通報を受けて陸自宿営地内でも一時、隊員がコンテナや退避壕(ごう)などに避難、警備を強化したが、同6時半ごろ、待避態勢を解除し、通常態勢に戻った。(時事通信)[4月22日15時1分更新]


◆コメント2:明らかに緊迫した情勢だ。狙われているのだ。

オランダ軍は17日にイラク武装勢力と銃撃戦を行っている。一度だけならまだしも、2度目。偶然と考えるほうが無理だ。オランダ軍が駐留している場所は日本の陸上自衛隊宿営地から6km。サマワというのは、内陸部でしょう。陸上自衛隊がサマワに来るときは、クウェートから、装甲車でトコトコ走っていた、テレビの映像を覚えている。つまり、いざというとき、すぐに国外に避難できない。私は危ないと思う。しかし、小泉内閣総理大臣はなかなか、強引である。


◆記事3:陸自部隊は安全=イラク・サマワでの砲撃で小泉首相が強調

小泉純一郎首相は22日昼、イラク南部サマワのオランダ軍宿営地に砲弾が撃ち込まれたことについて「聞いています。オランダ軍の宿営地に攻撃があった。自衛隊は安全だ、大丈夫だという報告は受けている」と、陸自部隊に被害がないことを強調した。首相官邸で記者団に明らかにした。

さらに「現在(隊員が陸自の宿営地内にいるか)どうか分かりませんが、自衛隊の活動には十分配慮している」と語った。

◆コメント3:「被害が無かった」ことと「安全である」ことは、必ずしも一致しない。

小泉首相の論理は、自衛隊には被害が無かったから、安全だ。というものである。こういうのを結果論というのであって、自衛隊が今回迫撃砲による攻撃を受けなかったからといって、今後も安全とは限らない。安全に配慮しているというのは、「無事を祈る」という程度の意味しかない。修辞だ。

サマワの現地事情は、むしろ、記事1やコメント1で引用した記事、今月7日、8日には、陸上自衛隊宿営地のすぐそばにも、迫撃砲またはロケット砲による攻撃があったこと、に鑑み、刻一刻と危険な方向へ向かっているように思われる。

それでも、小泉首相は、アメリカとの関係を死守せんがために、イラクに自衛隊をとどまらせるつもりなのだ。

何故、アメリカとの同盟がそれほど大切か。北朝鮮がいるからだ。アーミテージ国務副長官はこの1年の間に何度も、「日本に対する攻撃は、アメリカに対する攻撃と見なす」と発言している。

これが、他国の日本への攻撃の抑止力になっているから、やはりアメリカのご機嫌を損なってはいけない、という。しかし、アメリカの言葉をよく読むと、「日本が攻撃されれば」報復する、という意図は汲み取れる。しかし、「攻撃されるのを絶対に防ぐ」、とは一言も云っていない。

ところが、それでは、困るのである。一発核兵器を落とされたら、あるいは、VXという恐ろしい毒ガスが飛んでくれば、東京にいる、政・官・財の中心人物たちは、皆死んでしまうのだ。その後で、アメリカが仕返ししてくれても、意味が無い。

アーミテージ国務副長官の発言にしても、必ず、履行される保証はどこにも、ない。アメリカは、イラク戦争を始めるに当たって、さんざん助けてくれたイギリスを平気で使い捨てにしている。これは、彼の有名な田中宇さんが詳しく書いている

アメリカ人は大体、ヨーロッパ人に対してコンプレックスを持っている。イギリスなどは、直接的な人種的源流だから、非常にあこがれていた。そのイギリスを踏みつけにするぐらいなのだ。日本は同じ目に遭わない、と断言する根拠は、ない。


2003年04月22日(火) 地球温暖化とSARS
2002年04月22日(月) 小泉首相

JIRO |HomePage

My追加