再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 庄司 健一君のコト

彼はショーケンと呼ばれている。
誰が何と言おうと、ショーケンと呼ばれている。
その呼び名を初めて人から聞いた時、はっきり言って、私は、ひいた。

だってショーケンですよ、ショーケン。
びっくりするでしょー?ひくでしょー?

ショーケンって言ったら萩原ショーケンであって、キムタクばりに固有名詞なワケですよ。しかもスターじゃん。

彼が人にそう呼ばせたのか、はたまた人がそう呼ぶことを、彼が否定しなかったのか、今はもはやどちらでもよい。

衝撃的な第一印象を、私に与えたのであります。

そんな彼は。

一見ちょっとコワイのね。でも一瞬ね。
話しかけると笑顔で答えてくれます。
ひとりぼっちの人を見ると話しかけに行きます。優しいのね。

彼の事を天才と言う人がいます。
私には天才というものが何なのかよくわからないけれど、
普通の人にはできない、というレベルじゃなく、
誰にもできない級のコトをしでかす彼は、やはり天才なのかも。

って言うとすごく変な人みたいだけれど、そんなことはありません。
いつもはいたってフツーの青年。
心優しき。おだやかな。腰の低い。意外としっかりしている。

だがある時、そう、テンパッた時に、それは現れる。
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言語で表すことは不可能なのでやめますが、
そんな時は誰もがみな、感嘆。驚嘆。驚愕。
「ショーケンすげぇ」の雨あられ。
もうもう、ゾッコンショーケン、ブラボーショーケン、首ったけショーケン、なわけですよ。
当の本人はというと、テンパッているので何をしでかしたのかよくわかっておらず。
天才発作がようやくフェイドアウトしてきた頃、
「あれ、僕なにかしちゃった?」とでもいいたげに、いたずらっこの様にニヤリとしてみせるくらいのもので。

そんな彼は。

今ではもう、ショーケンよりショーケンらしく。
ショーケンといえばショーケンでしょ。
という偉大なる地位を獲得し、日々走り回っている。

こんな日が来るコトを、あの日の私は、想像だにしなかった。


                            遊子

2004年04月23日(金)
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