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■ 台風がくると思い出す…
やっと夏到来! と思ったらこれだ。
どうやら、わが地、関東直撃はないみたい。←と、だからいいのか!みたいなおしかりをうけそうな事を書いてみて。
そう言えば、あれは去年、いや、うん、多分去年のこと―(と何かはじまりそうな導入)
台風がくると、ちょっと心痛む今日この頃
同じく夏の頃、やはり丁度日本列島を通過するような台風が過ぎて居た時だったと思う。 ちょうど、その前の年、私は仕事で四国に一月半程住んで、地元の人たちと演劇を造る、という仕事をしていた(あくまで人の手下、ですが)。 誰もしらないところに一月飼い殺し、とも言う(笑)。
そこに、偶に東京からスタッフさんがやってきて(私もその一員ではあるが、もう、すっかり住んでましたから、自転車をジャージで走らせ、その籠からは長ネギと焼酎が出ている、そんな外注スタッフさんがどこにいるんだろうー)、装置を造りの指導などなど、して、三四日で、帰って行く。(こう書くと、こういう人は格好いい気がする、「仕事人」のようだ)勿論、半分以上が初顔合わせの人なので、その場で飲みに行ったりすると(やはり、どこでも、古今東西呑む)、私はそこが地元の人間なんだと、思われたりしましたが、そういうのはやんわり否定してまわって、「なんだ」なんて言われていた。その中に、あった初日から妙に私と合う方がいらして(こんな言い方をしたら失礼でしたら、ごめんなさい)、早速、お店を出た後、「部屋呑み」(←演劇人はよくこれをする。何故なら、お金がかからないから)をして、あつーいトークを展開させ、色んなことをほぼ初対面なのにもかかわらず、喋り捲ったのでした。
結局その人とは、その後、東京に戻ってからも、仕事の電話とかしかしていなかったのだが…
そして次の夏の頃、私は「東京」の家にいて、テレビでその「台風」のニュースを目の端におくように見ていると、電話が鳴った。
とると「その人(←非常に優しい人だと後で判明する)」で、
「大丈夫か?」
「え?」
「いや、だから、大丈夫か?」
「はい?」
「気になってなあ。」
「はあ、いや、ありがとうございます。でも、体はいたって……、でも、先月、原因不明の腹痛で病院運ばれましたが」(←マジ話←でもこの人はしらない)
「それは大変だったなあ、でもな、ほら、今ニュース見ててな、家、大丈夫かと思ってな。」
「……(いえってなんだ……?)」
「すごいだろ、そっちは。」
「……(そっち、すごい?ニュース……)」
「ふと思い出してな、あんたんとこ、大丈夫かなって。」
「あっ。」
「こっちもなあ、いったことないとこだったら、そんな気にせんけどな。」
「え、ええ。(でも、この人、私が東京にいるのは知っているはず…)」
「ま、声元気そうだから、良かったわ。ちゃんと、連絡したかー、こういう時はちゃんと親御さんに連絡したらな、あかんよ。」
「……………………。父も、母も、家は大丈夫だと、言ってます。」
「そうか、それならよかった。ほしたら。あ、酒呑み過ぎたらいかんよ、おれな、酒やめたー。」
「やめたんですか?」
「ああ、倒れてな。ほな、また近いうち呑みいこー!」
ガチャン PU-PU-PU-PU-PU-PU-
「……」
誰か「……………………。」に言えば良かったことを教えてください。 結局私の実家は四国にあることになっている。 それからというもの、電話の度に思う。
「私は東京生まれの東京育ち」
いっそ、ほんとにベランメーの下町育ちだったら良かった…
台風の過ぎるのを待ちながら、その事を考えると、台風一過の晴天になった次の日でも、心はタイフーンな小心者の私なのでした。
あー、おそろしい。 そして、まだいろんな意味で呑みに行けていない……
ごう
2003年08月09日(土)
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