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■ 副作用
わたしの食事のとき、にょらは先にいすにすわって待っている。しかたなくわたしはいすの前半分にすわって食べるわけだけど、にょらは人が食べるものをほしがりもせず、背後でただすわっているだけ。
今まではそうだった。
ところが今夜、焼き魚を食べていると、左のわきの下からにょらの顔がぬっと現れた。鼻をひくひくさせているかと思うと、そのうち何かを食べているように口をぺちゃぺちゃ動かしはじめた。(これをうちでは「おいしい口」という。)かまわず食べていると、にょらはおいしい口をしながらさらにお皿に顔を近づけ、そしてそーっと、ほんとにそーっと右手を出してきた……。
人の食べているものに手を出すなんて、今まで一度もなかったことだ。これは療法食の副作用に違いない。最近また療法食がおいしくないことを思い出して食欲も落ちているところへ、わたしがなんだかいいにおいのするものを食べているからついほしくなったのだ。ほんのできごころだったのだろう。 「ダメよ」というとすぐ手をひっこめ、そのうち2階にあがってしまった。
考えてみるとかわいそうだ。毎日同じものを食べ、それがおいしいならまだいいけど、そうでもないのだから。しかも一生療法食だなんて〜 (;_;)。わたしだったら耐えられないよ〜。
2002年06月20日(木)
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