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■ (日記)女性ホームレスの記事を読んで・・・
先日、諏訪行きの日、何時もより2時間ほど早く出て、息子の仕事振りを見ついでに、息子とランチでも取ろうと、いそいそ出かけたのだ。
黙って行って、あっ! と驚かせてやろう等と思った事がいけなかった。 息子の勤める店に入って行くと、息子はショーケースの中の机に座り、わき目も振らず何やら一生懸命時計の部品の修理(?)のような事をしていた。 無論、忍び寄る私の姿は見えていない。
「ほう〜ほう〜、そんなことまで出来るようになったんだ・・・。出世したもんじゃん・・・」そう声を掛けると、息子はギョッ!としたように振り向いた。その時の息子のマヌケ面が焼き付いている(笑)
「何だ、おっかぁ〜か、ビックリしたぁ〜。珍しいじゃん・・・? 此処まで来るなんて」 そうニタニタし、私の顔を一瞥し、「アナタ、そのストレート頭、やめなさいよ。年を考えなさい、年を・・・」等と小生意気な事を抜かす。 『うっせ〜やい! 余計なお世話だい! そう思ったら美容院代くらいくれい!』そんな、久々の挨拶(?)を交わし、しばし息子の仕事振りをジックリ観察する。
『休憩は?』と聞くと、「今日は無理なんだよ・・・。このコーナー、二人しか居ないから・・・。それに取れても3時間後だもん」 と言う事らしい・・・・・・。
息子はコッソリ彼女の最新プリクラを見せてくれ、「美人でしょう、益々美人になって来たでしょう」を連発していた。(笑)
『んじゃぁ、又の機会にね〜。仕事頑張ってね。身体に気を付けて』 「おう! 悪いね・・・・・・。又ね〜」
んな訳で、私は仕方なく、独りパーク内のトンカツ屋へと行く。
「何になさいますか?」と言う笑顔の店員に 『ん〜と、え〜と・・・』とメニューを見回す。 『え〜〜〜っ? かつ丼が3●0円??? 安っ! そ・・・、それでいいです。それを下さい!(^^;』 「ハイ、かしこまりました」
あまりの値段の安さに、正直言って質は全然期待していなかった。 そして運ばれて来たカツ丼のグリンピースを(あっち行けシッシッ!)と、丁寧に取り外し、一口食べたら・・・・・・。なんと美味しい事、美味しい事・・・・・・。 肉は物凄く柔らかくジューシーで、味付けもBERRY BERRY GOOD! 【今度のランチも此処にしよう〜っと♪】
300円台のかつ丼に大満足し、時計を見るとまだまだ1時間半も余ってる。 次の時間潰し場所を考えていると、目の前に喫茶店が・・・・・・。 中々お洒落な喫茶店である。 中に入りメニューを見ると、 『(∇ ̄;;; ゲゲゲのゲ! アイスウインナーが6●0円!? かつ丼より高いじゃん・・・』と思いつつも、仕方なく頼む。 ま、いいか・・・、両方で1000円強なら・・・。
そして待つこと数分。 アイスウインナーが運ばれて来て、ドギモを抜いた!! と言うか、笑ってしまった。 な、な、何と、この大きさなのだ・・・!!
 (タバコと比べてこの大きさ。 花瓶かい・・・・・・)
通常の4杯分は有る。これで600円台なら納得。1時間は楽に潰せるわ・・・。
そこで、暇潰しに週刊誌を取りに行く。 週刊誌なんて何ヶ月ぶりか・・・・・・。
目に付いた記事が【女性ホームレスの実態。明日はわが身←(サブタイトル)】
【ドキッ!!】
ページをめくると、元女社長・妊婦・その他の女性ホームレスの記事が・・・・・・。 ここ数年、女性のホームレスが増え続けていると書かれている。 独り暮らしも居れば、夫婦ホームレスも居ると言う。 人間関係の柵に絶えられず、失望してホームレスになった人、俗世間に嫌気が差した人、夫の暴力から逃れた人、借金苦から逃れたかった人、はたまた妊娠し居場所を無くし、家出した少女のホームレスなど等、様々な実態が書かれている。
記事を読んで見て感動したのは、ホームレス仲間の結束の固さと、友情と、人間ドラマの奥深さ・・・・・・。 世間体や、全てを脱ぎ捨てた人々の丸ごとの魂の接触が温かい。 昔、ヒッピー達と遊んでいた頃の、【野宿3日間】と言う、記憶が懐かしく蘇る。 そう言えば、みんな芯から淋しがり屋で優しかったっけ・・・・・・。
新入りが来ると、食べ物の入手法や、炊き出しのボランティアなどの情報が、先輩ホームレスから優しく伝授されるという。 何かに付け助け合い、労り合う姿が、昭和三十年代の日本のあり方や、ヒッピー達の生活振りを想い起こさせる。 10日に1度ほどの入浴チケットも貰え、病気になれば医者にも掛かれるらしい・・・・・・。
ある女性が言っていた。 お風呂の事と、冬の寒ささえ我慢できれば、此処は気楽で平和で天国かも・・・・・・と。
確かにそうかも知れない・・・・・・。
今の世の中は贅沢で豊か過ぎる。 ホームレスのような生活になって見て、初めて物のありがたさや、人間の本当の心、いかに、色々な物を無駄遣いして来たかに気付くのかも知れない・・・・・・。 人間の本質に出会えるのかも知れない。
この日のかつ丼と、アイスウインナーだって、この人達から見たら、物凄く贅沢品なのだ・・・・・・。
人間は一体、何に向かって懸命に歩いているのだろうか・・・・・・。 贅沢な暮らしを夢見て? 地位を築くため? 借金返済のため? 家族のため? 何かの責任の為?
生まれて来た以上は、死ぬまで生き続けて行かなければいけないから、生きている。 そんなものではないだろうか・・・・・・。
そして、どうせ生きるなら、少しでも楽しみながら生きて行きたいのも人間。 人より美味しい物を食べ、人より、あれもこれも手に入れ、人より多く旅行にも行き、人より少しでもお洒落で贅沢な暮らしがしたい・・・・・・。 徐々にそんな欲望が生まれ出て来るのではないだろうか・・・・・・。 そして、そんな競争社会に虚しさを感じ、疲れ果て、脱落し、本来の野生に戻ろうとした時、人間は全てが捨てられるのかも知れない・・・・・・。
この人達の生き様を読んでいると、本当の人間の意味を知らされる思いがした。 私は決してホームレスを賛辞している訳ではない。 でも、この人達の叫びが、少なからずとも私には理解できる。 そして、少しだけ憧れもある。
家や、柵や、プライドと言う重い鎖を断ち切って、贅沢と引き換えに得る自由を求め、別の世界に飛び立った人たち・・・・・・。 ただ生きる為だけに生きている、いかにも本来の人間らしい人々・・・・・・。
貴女たちは 今 以前より シアワセ なのですか・・・?
今日の一首
家を捨て プライドさえも 解き放ち テント暮らしは 気楽なもんさ
2003年10月26日(日)
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