長渕剛 桜島ライブに行こう!



あの声が聞こえてきますか? (桜島ライブ61)

2004年11月11日(木)

『あの声が聞こえてきますか?』−桜島ライブ(61)

                 text  桜島”オール”内藤





剛が去った桜島に、太陽が顔をのぞかせる。
剛は故郷で太陽になったのか・・・


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M-42 Captain of the Ship (5)
 −アルバム『Captain of the Ship』(1993)−



洗えないタオル。

部屋の壁のフックに、
二ヶ月以上、ずっと引っかかっているタオル。

黄色地に、青く、
SAKURAJIMA 2004.8.21 と染められたマフラータオル。

そのタオルを手に取り、
首にかけてみると、
あの日、あの場所の匂いが立ち昇ってきます。

いったいどれだけの汗が、染み込んでいるのか。
人生で一番汗をかいた日なのかもしれません。
夕方から、真夜中、朝、さらに昼まで・・・
丸一日、このタオルは僕の汗を拭い続けました。

あるときは胴体に巻きつけ、
あるときは、頭に巻いた。
そしてあるときは、思いっきり振りまわしました。
剛と一緒に叫びながら・・・。


生きて! 生きて!
生きて! 生きて!
生きて! 生きて! 生きまくれ!



歌うべき歌詞をすべて歌った剛は、
ステージを左へ、右へと、走っていました。
左のサブステージ、右のサブステージへと、
剛は走り、拳をあげ、吠えていました。

僕にはひとつだけ、心残りがありました。
僕は、倒れるまで、叫びたかったのです。
声が出なくなるまで、歌いたかったのです。
腕が動かなくなるまで、拳を上げたかったのです。

棒のような足。
重い、もうだめだ、と思ったのもつかの間、
そこからが長い。いつまでも腰が落ちない。

肩も、首も、ニの腕も、カッチカチに固い。
でも、それでもまだ上がった、拳が。
何千回も、ほとばしるような勢いで上げたのに。


生きて! 生きて!
生きて! 生きて!
生きて! 生きて! 生きまくれ!



それはきっと、剛も同じだったのだと思います。
まだ2ステージはやれた、って言ったとの話も聞きました。
剛もついに倒すことができなかったのです・・・
強靭な肉体と精神力を身につけた自分を。

それにしても、あの日の僕は、
どうしてあんなにタフだったんでしょう?
普段は、カラオケで2曲も歌うと、喉が痛くなるのに。
呆然と立ち尽くし聴いていた数曲を除いて、
僕は夜を徹して歌いつづけたのです。
それなのに!
ヨー!ソロー!
ヨー!ソロー!
とめどなく、いくらでも叫べました。

生きて!生きて!生きまくれ!

叫ぶほどに、ますます底力が沸いてきました。

桜島ライブは終ったけれど、
それぞれのライブは、それぞれの日々の中で続いていきます。
桜島ライブに第4部があるとしたら、
それは、僕らが自分の力で歌っていくのでしょう。

いつの日か、
心が折れ、
挫折が立ちふさがり、
死んじまいたいと思ったとき、

僕は思い出したいのです。
あのときの、剛の声を。
あのときの、タフな自分を。

マフラータオルを首にかけて、
命の音に耳を傾けると、
聞こえてくるような気がします。
あのときの剛の声が。


「まだ、声は出るかーーーーっ!」


剛はいつまでも、いつまでも、
もっとこい、もっとこいと、
僕たちに呼びかけて拳を上げていました。


「もっと、声を出せーーーっ!」


いつまでも、いつまでも、
このときが続けばいいのにと願いながら、
夢中で跳びはね、叫び続けました。

とうとう、とうとう、
本当のゴールが近づいてきていました。
うつろな僕の耳に、剛の叱咤の叫びが、
何度も反響し、鳴り響いていました。



続く



<次回予告>
とうとう終った。桜島ライブが。
人波を吐き出し、ただの空き地へと戻って行く、桜島の特設会場。

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